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BMWロゴエンブレムの意味と変遷

2020年のBMWロゴマーク 総合情報・全モデル
BMファン君
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BMWロゴの意味、ロゴの変遷・歴史や由来を解説します。

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BMWロゴ・エンブレムの意味

BMWロゴ・エンブレムの意味と由来

BMWロゴの意味としては「BMWの創業当初より、航空機用エンジンの製造を主としており、回転する飛行機のプロペラに、青空の青と白い雲の色を掛け合わせて作られた」という意味です。
プロペラをベースとしたデザインについては、1929年の広報公式リリース(公式見解)にて記載があります。BMW創立時より、航空機エンジンの製造メーカーから発展した由来と意味でもあります。

ブルーとホワイトの意味

BMWロゴの意味として「ブルー(水色)は青空」「ホワイト(白)は白い雲」を指し、クロスした十字は航空機のプロペラをデザインで4分割したデザインとなっています。2019年以前のロゴでは黒い外円があり、2019年以降のロゴでは背景色の外円としています。(1929年からの見解)
90年の長きにわたり、プロペラ説が王道であったため、プロペラと「青空のブルーと白い雲」のイメージが一般的にも定着していると考えられます。

一方、ブルーとホワイトは、BMWの故郷であるドイツ・バイエルン州の旗の色をイメージするという説です(2019年の見解)。当時の商法で利用が禁じられていたため、州旗とは逆のパターンとしています。

BMWロゴの特許申請

黒の縁取り、白と水色でクロスした円形デザインが特徴的なBMWロゴです。
1917年10月にロゴマークを帝国特許事務所に登録しています。この時点で正式な記録は残っていません。

1923年に初めて製造した二輪車R32のBMWロゴマーク
BMWロゴ(1923年)

RAP MOTOREN WERKE社のロゴ・エンブレム

RAPP MOTORENのマーク

BMW創立時の前企業である「RAP MOTOREN WERKE(ラップエンジン工業)」のマーク。略称RMWで、航空機や船舶用のエンジン製造メーカーでした。このマークからはプロペラを連想するものは有りません。

バイエルン州の州旗

バイエルン州の州旗BMW本社のあるドイツ連保共和国のバイエルン自由州(首都ミュンヘン)の旗デザインです。企業創立時の20世紀初頭では、ドイツ領域内にバイエルン王国(首都ミュンヘン)が存在し、ヴィッテルスバッハ家の国王が統治していました。国旗のカラーは、白と青のカラーがベースとなっています。

BMWマークとバイエルン州の旗との相違点とは

  • 菱型(ひしがた)である点。
  • わかりずらいが、州旗は「白・青」でマークは「青・白」の順に位置が逆転している点。

これは、当時の州旗が民間企業のコーポレートマークに採用される事を禁止した為です。ドイツの国家主権として地域の旗を用いて、ラウンデル(円を基調としたロゴイメージ)などへの流用を禁止することが商標法にも明記されています。

ニューヨークタイムズのゴシップ記事

巷では、2010年のニューヨークタイムズで掲載されたBMWロゴマークの由来
の記事が掲載されました。単なる新聞のゴシップ記事ですが、この記事が真実であり、その事実(歴史的背景)を知っていることが、ウンチク・物知りであることのように周知するサイトも現れました。BMW本社は、ニュース掲載時、公式見解として認めませんでした。

  • ドイツミュンヘンのBMWミュージアムの担当者が得意になって説明する昔話。
  • 創立当初、エンジン総合メーカーであり、飛行機の機体(特にプロペラ)とは無関係だった。

ロゴの由来はプロペラが正しい(広報のリリース)

1929年のメーカー広報にて「航空機のプロペラ、白い雲と青空をデザイン」を由来とし、公式記録として残っています。メーカー広報が、企業ロゴマークの成り立ち(由来)をブランドイメージとして新たに整理し、リリースしたものです。
BMW創立から13年しか経過しておらず、当時の広報担当や経営者が、ロゴマークの歴史的背景やBMWの成り立ちを知らないハズはありません。
よって、メーカー広報がロゴマークとしてのブランドイメージを確立させるため、1929年に公式にロゴマークのイメージを整理して発表したのです。
それが、「企業のブランディング、ブランドイメージ」というものです。
あえて言うなら新聞記事の内容は、ブランドイメージの向上に全く寄与しませんし、マイナスイメージなると判断(あえて封印した)したのです。

ローカルなドイツの一つの地域である「バイエルン州の旗」よりも「プロペラと青空」の方が、より洗練されており、ブランドイメージを高められるのは言うまでもありません。ドイツだけに留まらず欧州地域に進出するためには、ローカルな州旗イメージなど不要なのです。

航空機を売り込むためのプロペラ説なのか?

そのような認識は誤りです。ドイツ敗戦により、1922年には航空機の製造を停止されており、プロペライメージが航空機の機体やエンジンに売り込みには全く寄与しないのです。よって、1929年のメーカー広報は、あくまでBMW社のイメージ戦略と捉えるのが妥当です。

1929年の「広報プロペラ説」に根拠は必要なのか?

それが、マーケティングのためであっても、ロゴの歴史として整理し世の中に公開したことが史実なのです。当時の広報がメーカー公式見解として整理したものであり、それが「憶測」による捏造かどうかは、全く意味を持ちません。
メーカーの発表に対して、それが誤報であれば訂正するでしょう。1929年の公開後に訂正しないということは、それが事実であり歴史となるのです。

BMW Japanを含むメーカー公式見解

BMW Japan公式サイトにて、掲載されていた画面ショット
BMW公式サイトでロゴの由来説明上記が、2017年の「メーカー公式見解」であり、1929年のメーカー広報の公式見解は、現在まで継承されていることがわかります。バイエルン州の旗の説明は一切ありません。

メーカーが歴史を熟知した上での公式見解

メーカーが間違えているわけでも、嘘を広めているわけでもありません。

当然ながら、ニューヨークタイムの記事が出てもメーカーは訂正する必要もありませんし、ゴシップ記事として無視しています。バイエルン州の旗がブランドイメージを高めることには繋がらないからです。当然、ラップ社などという社名など全く意味を持ちません。単なるウンチクを語るのはマニア向けのみで十分です。
ロゴマークとは、メーカーがブランドイメージを確立し、高めるためのものなのです。歴史的背景がどうであろうと、仮に事実であろうと、ブランドイメージに寄与しないのであれば、BMWロゴのイメージアップに繋がらないことは、言うまでもないでしょう。
BMWが当時エンジン主体であろうと、その後の航空機エンジンに関連していることは疑いようのない事実です。それをブランドイメージに高めたとすれば、それがブランドイメージロゴの由来なのです。(写真は1955年製イセッタのBMWロゴ)
1955年イセッタのBMWロゴ

公式な由来は「プロペラ説」が妥当

歴史的背景は、RAP社マークとバイエルンの旗を起源は、BMW AGが公式に認めています。(2019)
しかし、1929年のBMW-AG本体がマークの由来を「プロペラ説」が誤りであり「歴史的背景説」が正しいという告知を正式に行ってはいません。
よって、1929年のメーカー広報による「プロペラ説」の一般的な周知度、認識度が高いことは言うまでも有りません。ブランドイメージ向上に寄与しない「歴史的背景説」が採用される事はありません。1959年BMW3200s ホイール上のBMWロゴバイエルン航空機工業(BFW)は、BMW創設前の企業として航空機が密接に関係しており、プロペラの登場有無が、広報のリリースを完全否定するには至らないのです。また、RAP社は、BFW社創立前の先代企業であって、BFW社のロゴには反映されてはいません。

航空機のプロペラ説が、ブランドイメージの向上として、現在に至るまでプラスに作用しているならば、広報のリリースは成功していると言えるでしょう。
それが「ブランドイメージとして確立されたロゴマーク・エンブレムの由来」になります。

ロゴマークの変遷・歴史一覧

写真は、1917年から2020年までの変遷ロゴマーク
回転するロゴマークとプロペラをオーバーラップさせたイメージと航空機のイラストが、それになります。

年度 内容
1910年 グスタフ・オットー航空機工業が設立
1913年 ラップエンジン工業が設立(Rapp Motorenwerke GmbH)
1916年 「ラップエンジン工業」と「グスタフ・オットー航空機工業」の2社が合併し、BFW社が設立(Bayerische Flugzeug Werken AG)
1917年 BMW社が設立。1917年11月に「BMWタイプⅢa」と呼ばれる高度航空機エンジンが完成を見た。第一次世界大戦用に航空機エンジンを製造していたことは紛れもない事実です。
1917年 10月5日にBMWのロゴマークが商標登録。(BMW商標が221388号)この時点でロゴの意味は公表せず。
1926年 航空機製造部門をBFW社へ分離した別会社へ。(以降、メッサーシュミット社へ)
1929年 BMW社の広報が正式にロゴの意味と歴史を表明。「白は白い雲、水色は、青空をイメージし、クロスした十字は航空機のプロペラをデザイン」したとする航空機・高性能を連想させることを ブランドイメージに設定。
BMWはアメリカの「Pratt & Whitney(プラット・アンド・ホイットニー)」製航空機エンジンのライセンス生産権を獲得周知の目的もあり。
1932年 R32(オートバイ)に登場するマークはBMWがゴールドのタイプとなっています。
1933年 貿易関連のためのドイツ登録員を実施
1934年 商標の国際登録制度への登録を実施
1942年 BMW誌「Wilhelm Farrenkopf氏」の記事により、プロペラと航空機をベースとしたBMWロゴのイメージが掲載され、プロペライメージが確固たるものとなりました。
「Flugmotoren-Nachrichten(航空機エンジンニュース)」と名づけられた自社出版物に、プロペラとBMWロゴが重ねられた航空機の画像を掲載。BMWロゴが回転するプロペラであることを裏づける証明となっています。
1950年~ 白のレタリングへ変更。1959年のBMWイセッタのBMWロゴマーク
BMWロゴ(1959年)
1960年~ フォントをサンセリフ変更
1997年~ 立体的なロゴマークへ変更
2020年~ 外側のブラックリンクを背景色と同じ透過色としたロゴマークへ変更(ブランドイメージのカタログなどは、こちらを使用)

なぜBMWのロゴが変わったのか?

コンセプト:「新たに透過バージョンのロゴを使用することで、より多くのお客様にBMWの世界に参加していただきたい。新しいブランド・デザインはさらに、BMWブランドにおけるデジタル化にも対応します。視覚的に抑制の効いた表現や柔軟性のあるグラフィックにより、BMW自身が今後提供する各種コミュニケーションにおいて、オンライン(Web)にもオフライン(印刷物)にも多種多様な接点を持つことになります。新しいロゴは、将来のモビリティや“駆けぬける歓び”に対するブランドの重要性や関連性を象徴しています。」という主旨です。
市販車は、従来通りのマークを使用。
2020年のBMWロゴ

1917年のBMW創設時、ロゴマーク創世に関する由来などの記録は、残存していません。1929年の時点では航空機エンジン部門を切り離していますが、過去に航空機エンジンを製造していたことは、紛れもない事実です。BMW社創立からの基礎として航空機エンジン製造技術が生かされていることは言うまでも有りません。

上記により、「RAP MOTOREN社のマーク」と「バイエルン州の旗」のデザインを掛け合わせて、BMWマークが出来たとする説は残っていません。当時の状況から類推した説に過ぎず、記録された文献は残っていません。

BMWロゴマーク創生における、BMW AG公式見解

BMWのマークは、最初不要であった

Bayerische Motoren Werkeの歴史は1917年に始まりました。
当時、ミュンヘンに本拠を置く航空機エンジンメーカーのRapp Motorenwerke社からBMW社に改名されました。技術やシステム、資産、および労働力は、設立当初は、ラップ社と最初は同じままでした。したがって、BMWが1917年7月に商標登録された時点では、会社には最初は会社のロゴが存在しませんでした。同じ月の最初のBMW広告にも、シンボルまたはエンブレムが付いていません。
ただし、航空機エンジンに加えて、将来計画されている製品範囲(自動車や農業用のエンジン、モーターボートなど)が既に宣伝されていました。

また、設立当初は、固定客のみで、一般的なユーザー向けに広告を行う必要が無かったことがロゴマークが無い理由です。主要事業は、ドイツ空軍向けの航空機エンジンの製造と保守を行っていました。

当初のマークはRAPP社のマークをベース

BMW社は、Rapp Motorenwerke GmbH(1913ー1917)から生まれました。 この起源は、黒のラベルの付いたリングを保持することにより、1917年10月からの最初のBMWロゴも示しています。

バイエルン州の州旗を逆にする

創設当初の1917年10月5日にロゴを受け取りました。特許庁に登録されたこの最初のBMWエンブレムは、古いRappロゴの丸い形状を保持していました。シンボルの外側のリングは2本の金色の線で区切られ、BMWという文字が付いています。BMWのBの略であるバイエルンとして、内部の四分円の青白は、バイエルン自由州の州の色を示しています。ただし、逆のイメージとなります。それは、当時の商標保護法が、商標またはロゴに国章または他の国章を使用することを禁止していたことが、その理由です。

当時、このエンブレムを用いて、BMWは1924年にベルリンで開催された自動車展示会に参加しました。また、初期の頃、BMWは航空機、自動車、農業機器、ボートなどの幅広い用途のエンジンを製造していました。

BMWロゴはどういう意味ですか?

BMWロゴの意味は色から明確です。白青は、BMWの本拠地であるバイエルン自由州の色です。1929年のBMWの広告は、回転する航空機のプロペラに4つの色のフィールドがあるエンブレムを示しています。それ以来、BMWのロゴはプロペラを表していると解釈されてきました。

「BMWプロペラ」の解釈は、なぜ生まれたのでしょうか?

多くの人々は、BMWのロゴが回転プロペラを示しているとまだ信じています。
1929年のBMWの広告では、回転プロペラにBMWのロゴが付いた航空機が示されました。世界的な経済恐慌の中で、BMWのイメージを高めるため、新しい航空機エンジンの広告で使用しています。
プロペラの解釈は、若い会社の広告イメージに非常によく適合します。これは、航空機のブランドイメージを高めるために効果的でした。よって、BMWは神話を取り除くために真剣な努力をしませんでした。さらに、1942年のBMWワークスマガジンのこのイラストのように、BMWエンブレムをプロペラとして常に表現しています。

BMWロゴマークの壁紙

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BMW M社のロゴマークなども掲載。

BMWロゴマークの由来と意味:まとめ

BMWシンボル:意味と解釈(BMWグループ・クラシックのフレッド・ジェイコブズ)

BMW AGの公式サイトでは、ロゴの歴史をまとめた公式見解のページを掲載しています。

The bmw logo meaning and history

  • 「BMWは長い間、BMWロゴがプロペラであるという通説を正そうとはしませんでした」
  • 「BMWロゴがプロペラを表しているという伝説にこだわるなら、それも間違いではありません」
  • 「90年もの間繰り返し語られてきたこの解釈が、やがて都市伝説としてある程度正当化されるようになったのも事実なのです」。

BMW AGの公式見解により、「BMWのプロペラ説は伝説からメーカー公式認定化」されたという結論になります。よって、新聞のゴシップ記事は、所詮ゴシップに終わったという結論になります。