
BMWオーナーの中でも特に多い悩みが「ワイパーのビビリ(バタつき・擦れ音)」。新品に交換しても、ガラスに筋が出たり、ガガガ…と引っかかる音が出るケースは少なくありません。本記事では、BMW特有のフロントガラス形状やワイパー構造をふまえ、ビビリ発生の原因から解消方法、メンテナンス、よくある質問までを体系的に解説します。
ワイパーとガラスが擦れて音が発生する原因
ワイパーのゴムとガラスの水滴のふき取りがスムーズにいかず、ガラスにワイパーが引っかかったりして、異音が発生するのが原因です。これを「ビビリ」音と呼んでいます。
ビビリ音の発生原因と理由
- ガラス上の汚れや油分により、摩擦係数が異なる部分が発生
- ガラスコーティング・撥水材の塗りムラで、ガラス表面の滑り易さが部分的に異なる状況
- ガラス上の傷(これは、ケミカルグッツやワイパーゴム交換では解消しません)
- ワイパーゴムの劣化、汚れ(交換が必要)
- ワイパー可動ギヤの劣化、可動スピードのムラ(ワイパー可動部の交換が必要)
1. BMW特有のフロントガラスの曲率
BMW車のガラスは欧州車らしく湾曲が強いため、ワイパーブレードの角度がシビアです。
わずかな角度ズレでもビビリが発生し、「新品でも鳴く」という相談は非常に多く見られます。
2. ワイパーブレードのゴム劣化
ワイパーゴムは紫外線、気温変化、油膜によって硬化します。
硬くなったゴムはガラス上で滑りが悪く、突っかかり音(ビビリ)が増えます。
3. 油膜・コーティングのムラ
特にBMWはブレーキダストの飛散やエンジン熱の影響でガラスに油膜が付きやすい傾向があります。
油膜が残った状態に雨天走行すると「ガガガッ」と強いビビリを発生させます。
4. アーム圧の不均一・劣化
ワイパーアームのバネが弱っている場合、ガラスへの押し付け圧が不足し、ワイパーが浮き気味になります。
特にF系・G系BMWで5年以上経過している車両は点検を推奨します。
5. 撥水コーティングとワイパー適合の不一致
ガラスに強力な撥水を施工していると、純正ワイパーでは滑り過ぎてビビリが発生するケースがあります。
撥水専用ワイパーに交換するか、親水状態に戻すことで改善できます。
まずは、ガラス上の摩擦係数を均等にする
- ガラスクリーナーで汚れや油分を取り除く
- ガラコやガラスコーティングの塗りムラを全て取り除き、全く撥水しない状況を作ります。
- この状態でワイパーを動かし、引っ掛かりや異音の発生有無を確認します。
- 上記でNGな場合は、ケミカルグッツやワイパーゴム交換を検討します。
ケミカルグッツを利用して解消する
カー用品店には、ワイパーのビビリ音を解消するグッツが市販されています。これらの中からユーザーの支持の多い製品を順番にご紹介します。
1. ガラス油膜除去剤を使用
まずは油膜を完全に除去することが最優先です。
おすすめは以下の作業手順です。
- ガラスを水洗い
- ガラスコンパウンド(研磨剤)で円を描きながら磨く
- 水で洗い流して乾燥
油膜が落ちるとワイパーの引っかかりが劇的に改善されます。
特に市街地走行が多いBMWでは月1回の油膜取りが効果的です。
2. ワイパーゴムのクリーニング
ワイパーブレードのゴムを濡れタオルで拭くだけでも、ビビリが軽減します。
頑固な汚れはアルコール系クリーナーで拭き取ると滑りが改善します。
3. ガラコ・レインXの再施工
一度撥水を施工していてムラが出ている場合は、上塗りして均一化するとビビリが解消されることもあります。
ただし、後述する「撥水専用ワイパー」への交換が前提です。
製品名:SOFT99 ソフト99 99工房 ワイパービビリ止め
- 本製品は、ワイパーのブレードゴムに塗り込むものです。
- ゴムのキズを埋め、ビビりを止め、拭き残しも減ります。
製品名:キイロビン ゴールド
- 本製品は、過去のガラスコーティングのムラ、汚れ、油分を除去するものです。
- がんこな油膜・被膜・ガラスコートを従来品の約2倍のスピードで除去
- 窓ガラスのコーティング施工の前処理にも最適です。
撥水ワイパーへ交換する
1. 純正→BOSCH・PIAA製への交換が効果的
BMW純正も悪くありませんが、撥水ガラスと相性がよくない場合があります。
BOSCH Aero Twin や PIAA 撥水ワイパーは、ビビリに強く、BMWオーナーの満足度も高めです。
2. 撥水ガラスとの組み合わせが最強
撥水ワイパーは作動するたびにガラスに薄い撥水皮膜を形成します。
長期間、雨天走行が快適になり、ワイパーの初動ビビリも減ります。
BOSCH 輸入車用 フラットワイパーブレード エアロツイン
ドイツ車にも幅広く対応するボッシュ製のワイパーゴムです。
ワイパーゴムの交換であれば、DIYで十分実施できるでしょう。
パワー撥水ワイパーブレード 輸入車用 ガラコワイパー
国産車と比較しワイパー圧が高く設計されている輸入車でも、ワイパーするだけでガラコの強力な撥水効果を発揮し、クリアな視界を実現します。デザイン性に優れたエアロデザインワイパーの特長と、あらゆるガラス面にフィットし安定した払拭性能を発揮するトーナメントワイパーの特長を併せ持つ独自フォルムのデザインワイパーブレードです。様々な輸入車のアーム先端の形状に合わせて選べる6種類のアダプターを予めセットし幅広い車種に対応しています。
ワイパー交換の各種メンテナンス
1. ワイパーの初期慣らし
新品ワイパーを取り付けた直後は、以下の「慣らし」を行うとビビリ予防になります。
- ガラスを十分に濡らして低速ワイパーで数分稼働
- 乾いたガラスで動かさない(ビビリの原因)
2. ガラスコーティングの定期メンテナンス
撥水コーティングは劣化するとムラになり、ビビリが再発します。
そのため、月1?2回の再施工が理想です。
3. 冬季はゴム硬化に注意
寒冷地ではゴムが硬くなりビビリやすくなります。
凍結したガラスでワイパーを動かすのは絶対に避けましょう。
4. ワイパー格納位置の調整
BMWはワイパーアームの角度が少しでもズレるとビビリが増えます。
特にDIY交換した場合は、整備工場での角度チェックがおすすめです。
5.ワイパーを立てて交換する方法
最新BMWは、セミコンシールドワイパー(未稼働時はボンネットに隠れるタイプ)の車種がほとんどであり、未稼働時にワイパーを立てることが難しく(エンジンフードに接触する)なっています。
操作手順
- フロントのガラスの汚れをふき取ります。
- エンジンスタートボタンで、アクセサリーオン
- ワイパーレバーを上に押した状態で、約3秒ホールド(保持)した操作を行います。
- ワイパーが稼働し、ほぼ垂直の位置で静止し後、レバーを離します。
- ワイパーを立てる操作が可能となります。
- ワイパーゴムを交換します。
ワイパーを立てた状態から、ワイパーを戻す際、衝撃でガラスが割れる恐れがありますので、取り扱いに注意が必要です。
ワイパー交換の手順
- ワイパーを立てた状態とする。
- ワイパーゴムと稼働部の付け根部分に「ギザギザ」のすべり止めグリップ・レバーを確認
- グリップ・レバーを両側から押して、古いワイパーを引き抜く
- 新ワイパーのグリップ・レバーを両側から押して、はめこむ
ゴム未装着の状態でガラスに接触するとガラスが割れる恐れがありますので、1本づつ交換を実施しましょう。
6.交換方法の手順(ビデオ)
よくある質問(FAQ)
Q1. 新品ワイパーでもビビるのはなぜ?
多くの原因はガラスの油膜です。
特にBMWは油膜が強く付着する傾向があるため、まずは油膜除去を行いましょう。
Q2. どのワイパーがBMWに一番相性がいい?
BOSCH Aero Twin、PIAA 撥水ワイパーなどが定番です。
撥水ガラスの場合は撥水専用ワイパーを推奨します。
Q3. 純正ワイパーでも解消できますか?
油膜取り・ガラス清掃・ゴムクリーニングを正しく行えば改善します。
ただし、撥水との相性で鳴く場合は交換が必要です。
Q4. 何年もビビリが続くのは車両トラブル?
ワイパーアームの圧不足や角度ズレの可能性があります。
5年以上の BMW はアーム点検をおすすめします。
まとめ
水滴を流すだけなら
ガラコなどの撥水グッツが便利ですが、ビビリ音が発生する原因にもなります。
ビビり音の解消が目的なら
- 原点に立ち返りガラス上の汚れを綺麗に取り除く
- 油膜や撥水効果用に塗布されたコーティング膜をケミカルグッツで除去します。
- 基本機能(素のガラスと新品ワイパーゴム)により、ビビり音が解消する事を確認する流れがポイントです。
まとめの確認手順
BMWのワイパービビリはガラスの曲率や油膜付着が原因で発生しやすいですが、以下の手順を実践すればほぼ確実に改善します。
- ガラス油膜をしっかり除去
- ワイパーゴムを定期クリーニング
- 撥水ワイパーへ交換
- ワイパーアーム角度の点検
特に「油膜取り → 撥水ワイパー」へのアップグレードはBMWオーナーからの評判も高く、ビビリだけでなく雨天時の視界が劇的に向上します。ワイパービビリは正しい対策を取れば必ず改善します。快適で静かな雨天ドライブを取り戻しましょう。


