BMWランフラットタイヤとノーマルタイヤとの比較

ランフラットタイヤの威力 メンテナンス

ランフラットタイヤの概要

ランフラットタイヤとは、タイヤが釘を踏んだりして空気が抜けて空気圧がゼロになっても走行可能なタイヤです。タイヤのサイドウォール(タイヤの側面)に補強材が入っており、ここで車両重量を支えつつタイヤのクッションを兼ねています。

また、空気がゼロになっても時速80キロで距離100㎞の走行可能なような強度で設計されています。よって、日本であればよほどの場所でなければパンクしても近くの修理工場までは何とか走れます。パンクのセンサーとして、プレッシャーモニタリングシステムとセットになっています。従来のラジアルタイヤでは、パンクした瞬間にハンドルが取られて事故となったり、走行不能となる恐れがありました。また、高速道上でスペアタイヤへの脱着作業は、非常に危険が伴います。
また、雨風、吹雪、炎天下などの過酷な環境下でのスペアタイヤへの脱着作業を回避できます。

JAFでは年間30万件のパンク修理を行っており、過去にパンクにあっていない方であっても、いつ遭遇してもおかしくない状況なのです。また、パンク修理材の効かない数センチの大きな亀裂でもランフラットタイヤであれば、十分走行可能です。

高級車で普及が進むランフラット

2003年のBMW7シリーズへの標準装着後、Mモデルを除く、全モデルに標準装備化しました。その後、メルセデスやアウディ、レクサスなどの高級車での標準装備化が進んでいます。
これも、乗り心地などの改善が進んだ結果、高級車としてのタイヤ性能や乗り心地の品質を損なわず、パンクした場合の安全性やメリットが上回ってきた結果です。
現在、ランフラットタイヤは第三世代と呼ばれる世代になっており、乗り心地に関してはラジアルタイヤの95%まで改善が図られています。

BMW新車装着タイヤにはスターマーク付き

新車装備は、サイドウォール上に星印(☆スターマーク)が表記されており、BMWの承認タイヤであることを示しています。同一ブランドの市販タイヤには、この星印がないそうです。ただ、日本の法定速度内で使用する限り、一般市販タイヤでも十分な性能を保持しており、スターマーク無しの同一ブランドタイヤであれば、問題は無いでしょう。

ランフラットタイヤの見分け方

新車タイヤはタイヤのサイドウォールに☆のスターマークのBMW承認のランフラットタイヤがあることで確認できます。以降、ディーラーで履き替えた場合も、スターマーク付き、または、メーカーブランド名から判断できます。(メーカーブランド名により、各社異なります)

ランフラットの製造メーカーとタイヤ名称の違い

メーカーによって、製品のカテゴリで呼び方が異なるので、混乱してしまいますね。ランフラット(RUNFLAT)という表記を全社共通ルールとして欲しいものです。現状、各社ランフラットタイヤには独自の商品名称を付けて、通常のラジアルタイヤとの区分けを行っています。見分け方は、商品名の末尾に固有の名称が付与されています。

ブリヂストン

Run-Flat Technologyのブランド名で、商品名の末尾に略称の「RFT」という表示。

  • BRIDGESTONE POTENZA RE050 RFT
  • BRIDGESTONE POTENZA S001 RFT
  • BRIDGESTONE ALENZA 001 RFT
  • BRIDGESTONE TURANZA ER300 RFT
  • BRIDGESTONE DUELER H/P SPORT RFT

コンチネンタル

Self Supporting Runflat Tireのブランド名で、商品名の末尾に略称の「SSR」という表示。

  • CONTINENTAL Conti Sport Contact2 SSR
  • CONTINENTAL Conti Sport Contact3 SSR
  • CONTINENTAL Conti Sport Contact4 SSR
  • CONTINENTAL Conti Sport Contact5 SSR
  • CONTINENTAL Conti Sport Contact6 SSR

グッドイヤー

Run On Flatのブランド名で、商品名の末尾に略称の「ROF」という表示。
Extended Mobility Technologyのブランド名で、商品名の末尾に略称の「EMT」という表示。

ヨコハマタイヤ

Zero Pressure System(ゼロ・プレッシャー・システム)のブランド名で、商品名の末尾に略称の「Z・P・S」という表示。

トーヨータイヤ

TOYO RUN FLATのブランド名で、商品名の末尾に略称の「TRF」という表示。

ダンロップ

DUNLOP Self-Supporting Technologyのブランド名で、商品名の末尾に略称の「DSST」という表示。

ピレリ

Run Flatのブランド名で、商品名の末尾に略称の「r-f」という表示。

ミシュラン

Zero Pressureのブランド名で、商品名の末尾に略称の「ZP」という表示。

レーダー

Radar Runflat Insert Technologyのブランド名で、商品名の末尾に略称の「RRIT」という表示。

ランフラットタイヤのメリットとは

突然のパンクにおいても絶対的な安全性を確保します。ランフラット装着車は基本的にスペアタイヤを積んでいません。その分、限られた荷室スペースを有効活用できます。

  • タイヤのモニタリング機能で異常を検知
  • 空気圧ゼロでもタイヤの走行性能を確保。
  • 数センチの亀裂でも走行性能を確保
  • パンク時にそのまま自走できる
  • 高速道路上や幹線道路で路側帯で危険な停車が不要
  • 雨風、炎天下、吹雪など過酷な状況で停車することなく自走可能
  • 空気が抜けても、時速80キロ、距離100キロで走れる。
  • 年間30万件のパンク処理によるJAFコールが無くなるとなれば効果は絶大。
  • スペアタイヤを積まないことによる、1本分の軽量化が燃費に貢献
  • 1本分のスペース活用。
  • スペアタイヤ分の製造コスト低減。廃棄も不要。
  • スペアタイヤのメンテナンスコスト減。

ランフラットタイヤのデメリットとは

一般モデル向けに標準装着が遅れている点は、やはりコストです。ラジアルタイヤに比べて2割以上も価格が高くなります。それが、一般車両への標準装備化が遅れている理由です。高級車に限って言えば、それは新車価格に含まれており、コスト増とは感じないでしょう。しかし、次の新品タイヤ購入費用が高いと感じる方が多かったようです。(2010年以前)
また、Web上でランフラットタイヤのパンク修正は出来ないという誤記事を見かけました。ランフラットタイヤは、ノーマルタイヤが直せるパンクであれば修理可能ですので、デメリットではありません。

価格が高いこと

ノーマルタイヤ、ラジアルタイヤに比べて2割以上価格が高いことです。
レクサスやBMW、メルセデスの標準タイヤに指定されていることは、高級車だけが装備していることになります。
高級セダンのマークXやカムリなどに装備されていないタイヤであることは、高級車を購入できる割高タイヤを購入できる方となるのです。
せっかくのBMWを購入後、タイヤ代が高いからと言ってノーマルタイヤに履き替えることは本末転倒であると言えます。

重量が重いこと

タイヤ1本あたりの重量がノーマルラジアルタイヤに比べて重いです。机上の比較としては運動性能にもマイナスになります。しかし、日産GTRで採用されていることからもサーキットのラップタイムを重視する限界走行においてはマイナス要因とはならないようです。
パンクしにくい事は、そのようなマイナス要因を割り切ってでもランフラットタイヤを採用する理由なのです。

旧世代は乗り心地が悪い

2010年以前の第2世代のランフラットタイヤは、乗り心地が悪い面もあります。しかし、2010年以降の第3世代以降は、大きく乗り心地が改善されつつあり、ノーマルタイヤ比で1割程度の悪化に留まっています。
タイヤの性能向上と合わせて、足回りのセッティングも進化しつつあることを意味しています。

夏用、冬用でのラインナップが少ない

これは、ノーマルタイヤでも扁平率やサイズによって偏りが見られます。
標準装備のブランドを選んでおけば問題ありません。

激安タイヤのラインナップが少ない

アジアンタイヤの激安タイヤとしてのラインナップが少なく感じるかもしれません。

性能が高級車やハイパフォーマンスカーの性能を満たしていないことが理由です。
フェラーリやポルシェなどのハイパフォーマンスカーの標準装備タイヤとして承認されるには、もう少し時間がかかると思われます。
ランフラットタイヤを標準装着している車は、高級車としての特権であり、格安タイヤ求める購入層とは違うというコンセプトを理解することが必要です。

ランフラットタイヤ対応のアルミホイールが必要

BMW用としては、ほぼ100%対応していると言ってもよく、ホイール選びで困ることはないでしょう。
ランフラットタイヤ対応のアルミホイールが必要。最近のホイールは、ほぼ対応しています。

タイヤ変更時のコスト(ノーマルタイヤとランフラットタイヤ比較)

最近は、ワイド扁平タイヤを標準装備するモデルが多くなり、ノーマル(ラジアル)タイヤであっても以外と価格は高い。
ノーマルタイプ、ハイグリップタイプのラジアルタイヤとランフラットタイヤとの価格差は平均で3割程度UPと考えた方が良いでしょう。

  • 225/45R/17インチのケース
  • ラジアルタイヤ:2万 X 4本 = 8万円
  • ランフラットタイヤ:3万 X 4本 = 12万円

高級車、外車を維持する方にとって、2010年以前は10万円超の価格差がありました。
現時点で、この程度の価格差であれば許容範囲内ではないでしょうか。

ランフラットからノーマルタイヤへの交換がNGの理由

BMWタイヤ交換時の注意点、タイヤ寿命やタイヤ交換時期を解説します。

ランフラットからノーマルタイヤへ変更する場合のリスク

ノーマル(ラジアル)タイヤに履き替えた結果、スペアタイヤを積んでいないことから、スペアタイヤを確保する必要があり、パンク応急修理材を積めば大丈夫との判断のようです。
しかし、パンク修理材は、5ミリを超える大きな穴に対しては効果が無いようです。また一回パンク修理材を使ってしまったタイヤは再使用不可となります。


多くの方は、パンクに遭遇したことの無い方ばかりです。年間30万件の発生事例は他人事ではありません。いつ遭遇してもおかしくないトラブルの一つなのです。
そのため、旅先などでパンクに会い、非常に困った方の多くは、このような安さだけを優先したノーマルタイヤへの変更は選びません。

高速道路、一般道に関係なく、パンクのリスクは多いのです。JAFを呼んでもスペアを積んでいなければ、修理自走できません。そのような修理不可能なパンクはレッカー移動になってしまうのです。

  • パンク修理剤は万能ではない。
  • パンク修理剤が効かなかった場合、そのまま走行することでホイールもダメになる可能性
  • パンク修理時に路側帯で行う危険性、事故リスク
  • パンクは忘れた頃にやってくる。旅行や仕事の中断。
  • JAFを呼ぶ手間と時間の無駄。JAF未加入なら手数料。混雑時はすぐ来ない場合も。
  • 携帯が通じない山奥でのパンクリスク。
  • スペアタイヤを購入するぐらいなら、ランフラットの方がコスト安
  • ランフラットタイヤ専用のサスセッティングであり、ラジアルタイヤ変更により、操縦安定性が崩れると指摘する意見もある。

金額面を優先したノーマルタイヤへの履き替えは命取り

せっかく標準状態でランフラットタイヤを履いているにも関わらず、タイヤが減ってくるとノーマルタイヤに履き替える方が、まだいらっしゃるようです。
10年前は2倍以上の価格差であったものが、かなり価格差は接近してきました。最大のメリットであった価格を理由にノーマルタイヤを選ぶ理由は無くなっています。
ランフラットは、なぜ高級車のみ標準で採用しているのか、なぜ今更ノーマルに戻すのか、あらためてランフラットタイヤの装着意義を考えていただいた方が良いです。

ランフラットからノーマルタイヤ変更時のふらつきが命取り

ランフラットタイヤは、サイドウォールが圧倒的に硬くなっています。
パンク時に車重を支える必要があるので、当たり前ですね。
そのあたりが乗り心地の悪さに繋がっていますが、車両や足回りを含めてランフラットタイヤに合わせたセッティングとなっています。
ランフラットタイヤはサイドウォールが硬く、硬貨を立てて転がすと真っ直ぐ転がるイメージに似ています。
ハンドルの遊びもランフラットタイヤの矢のような直進性に合わせたセッティングとして遊びを少なくしています。
ノーマルタイヤは、サイドウォールが圧倒的に柔らかく矢のような直進性は得られませんので、ハンドルの遊びを大きくした方がかえってふらつき感が無くなります。ノーマルに履き替えれば、ハンドルの遊びの少なさから、ふらつき感が増長されることは容易に想像できるでしょう。

タイヤ別のハンドリング・直進性の違い

種別 サイドウォール タイヤ単体の直進性 ハンドルの遊び
ランフラットタイヤ 硬い 矢のよう ほぼ無い
ノーマルタイヤ 柔らかい やや緩い やや緩い

ランフラットタイヤからラジアルタイヤに変えた人の勝手な言い分

  • Q1:パンク修理剤を積んでいるから大丈夫。
  • A1:数ミリの大きな穴は修復不可能。不慣れなDIY修理で失敗も。
  • Q2:JAFはすぐ来てくれるから大丈夫。
  • A2:連休、観光シーズンは、かなり待たされることも。山奥は対象外の地域も。
  • Q3:高速を100キロも走らないから不要。
  • A3:自走して近隣工場まで行ける安心感は。夜間や風雨の時はなおさら。
  • Q4:タイヤが軽い分燃費も良くなる。
  • A4:それを証明したデータは無し。
  • Q5:乗り心地が良くなる。
  • A5:ノーマルタイヤは、サイドウォールが柔らかいので当然の結果。ノーマル設定が崩れるため腰砕けの弊害も。
  • Q6:安いし乗り心地が良いし、一石二鳥
  • A6:アジアンタイヤへの変更は、安物買いの銭失い。
  • Q7:パンク修理が出来ない
  • A7:ラジアルタイヤで可能なパンク修理は、ランフラットでも可能です。
  • Q8:サスセッティングは、ランフラットもラジアルも同じ
  • A8:パーツ番号は同じという理由ですが、ランフラット専用です。ラジアルタイヤ想定した中立ではなく、ランフラット寄りセッティングなのです。

radial-tire-m4
Mモデルは標準でラジアルタイヤを履いています。パンクリスクよりも運動性能を追求したMモデルだからこそです。当然、ラジアル専用のサスセッティングになります。

ランフラットタイヤのパンク修理は可能

タイヤ内の空気が抜けておらず、タイヤ接地面などに釘が刺さっているようなパンクは、通常のノーマルタイヤ同様にパンク修理が可能です。
パンク修理は一切出来ないようなネット上の情報は誤っています。パンク穴が小さく、空気が抜けていない状態であれば、修理可能です。詳細は下記に整理しました。
パンクしたランフラットタイヤも修理可能

ランフラットを継続利用するユーザーが増える傾向

https://bmwfun.x0.com/cgi-bin/tv/bmw_v65.html

当サイトのアンケートでは、2010年以降の第三世代ランフラットオーナーから、履き替え後もランフラットタイヤを継続する方が多くなっています。
最大のネックとなっている価格の高さがノーマルの2倍以下になり、コスト面のメリットや乗り心地の固さよりも、ランフラットタイヤ本来の価値を認めた結果です。
なぜ、高級車がランフラットタイヤを採用するのか?トヨタや日産の一般モデルではランフラットタイヤを採用できないのか?
乗り心地が悪いからと言ってノーマルタイヤへの変更を正当化させる意味が無い事が、低価格化によってユーザーの変化に表れてきたようです。

まとめ

ランフラットタイヤのデメリットは、一般ユーザーにとって大きな問題となりません。確かに乗り心地やコストでは、まだまだ改善の余地があるのも事実ですが、最新型RFTタイヤはかなり乗り心地が改善しているのも事実です。そして、パンク発生時のリスク軽減効果は、補って余りあるだけの効果があるのです。

パンクで困った経験が無ければ、ランフラットタイヤの絶大な効果を頭では分かっていても、実際にタイヤ代を最優先した勝手な言い訳を検索してしまうのかもしれせん。しかし、BMWは標準装備としてのランフラットタイヤを装着しており、そのメリットを最大限に享受するのがオーナーの役目なのです。

https://bmwfun.x0.com/blog/goods-parts/bmw-wheel-tire-osusume/

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