BMWタイヤ寿命とタイヤ交換の注意点

メンテナンス

BMWのランフラットからノーマルへのタイヤ交換時の注意点、ランフラットタイヤ寿命・距離やランフラットタイヤ交換費用を整理しました。タイヤ代や乗り心地よりも、ランフラットタイヤからノーマルタイヤ交換に伴うリスクを解説します。

ランフラットタイヤの概要

ランフラットタイヤ(RFT)装着車は、パンク時に空気が抜けても、最大時速80キロ、距離80キロ程度の走行に耐えられる性能を持っています。一方、従来のノーマルタイヤは、パンクするとスペアタイヤに交換するか、パンク修理剤で対応するしかありません。
ランフラットからノーマルタイヤへタイヤ交換することのリスクとデメリット、注意点を徹底解説します。

最新ランフラットは乗り心地改善された

ランフラットタイヤは、ノーマルタイヤ比で乗り心地が、かなり改善されています。ランフラットタイヤは、第3世代、第4世代に進化し、2010年以前のタイヤと比べて、乗り心地が改善されています。

ノーマルのコンフォートと比べれば差は歴然

一方、ノーマルのコンフォート(乗り心地重視)のタイヤと比べれば、乗り心地に差があります。扁平率が45や50など乗り心地は驚くほど柔らかくなったと感じるでしょう。もともと、ノーマルのラジアルタイヤのサイド剛性はやわらかく、ショックを吸収する事を重視しています。

いくらランフラットの乗り心地が良くなったとは言え、パンク時の車体を支える仕組みですから、乗り心地性能に差があることは言うまでもありません。

ランフラットタイヤ寿命

ランフラットタイヤ寿命とノーマルタイヤ寿命の確認ポイントは同じです。新品タイヤの溝の深さは、8~7ミリあります。

  • タイヤメーカー推奨:タイヤの残り溝は、1.6mm以下
  • スリップサイン:1.6ミリ(法令違反により交換要)
  • ディーラー推奨:タイヤ交換推奨時期は、3ミリ以下
  • 1ミリあたりの走行距離は、およそ3500~4500km
  • 例1:3,500km × (8mm - 1.6mm) = 22,400km
  • 例2:4,500km × (8mm - 1.6mm) = 28,800km

上記以外の確認ポイントは、下記になります。

  • 残りの溝に関係なく、購入後5年以上経過
  • 直射日光にさらされる過酷な環境
  • ひび割れが多数みられる場合

上記に該当する場合は、走行距離1000km以内での交換をお勧めします。

ランフラットタイヤの交換時期

ランフラットタイヤとノーマルタイヤの交換時期の確認方法は同様です。スリップサインの溝で確認します。
新品時には、約8mmの深さがあります。タイヤの溝が摩耗して、タイヤ中央のスリップサインの高さが同じになる(回りとが繋がる)と車検は通りません。
スリップサインの盛り上がりは約1.6mmのため、1.6mm以下では車検が通りません。この状態では、道路運送車両の保安基準を満さないだけでなく、雨の日に排水性能が低下して大変危険です。タイヤ性能を確保するためには、約3ミリ程度での早期交換を推奨します。ディーラーでの交換推奨も3ミリ以下となっています。

タイヤ交換の距離

新品からスリップサインまでの距離数(目安)は下記になります。

  • 1ミリあたりの走行距離は、目安はおよそ3500~4500km
  • 例1:3,500km × (8mm - 1.6mm) = 22,400km
  • 例2:4,500km × (8mm - 1.6mm) = 28,800km

タイヤ交換時の注意点

基本的に上記の交換タイミングで実施すれば、問題ないでしょう。(走行条件、エコ銘柄などにより変動します。)
残3ミリ以下では、排水能力の低下により、雨天時のハイドロプレーニング現象が発生が高まる可能性があります。

タイヤ交換時の時期

経年劣化などにより、ひび割れや劣化も発生するため、スリップサイン前の交換推奨時期に早めの交換をお勧めします。ただし、維持費・ランニングコストの軽減のためには、1ミリあたりの走行距離試算を目安に交換タイミングを検討するのも節約の手段の一つです。タイヤの購入資金に余裕があれば、上記に達する前に余裕をもって交換しておくのがベストです。間違っても交換費用や乗り心地を言い訳にして、ランフラットからノーマルタイヤへ交換しない事が、注意点になります。

タイヤ製造年の確認方法と交換判断

ゴム製品ですから時間と共に劣化していきますので、タイヤ製造年の確認は、タイヤ寿命判断の需要な要素です。製造年の表記は、タイヤのサイドウォールに4ケタの数字で表記されています。

  • 最初の2ケタが週を表記。
  • 次の2ケタが製造年度を表記。

上記例では、「1417」の表記ですから、2017年の14週目(1月から数えて)に製造された事になります。タイヤの消費期限が4~5年を目安となります。屋内保管と屋外保管では、劣化スピードが大きく異なります。特に屋根なしの屋外駐車では4~5年で交換を推奨します。

ディーラーより、タイヤショップの交換がお勧め

ディーラー点検時にタイヤ溝残量を提示してくれます。車検は、1.6mm以上あれば通りますので、雨季のシーズン以外は慌てる心配は無いです。ディーラーでのタイヤ交換費用はかなり高く提示されていますので、市販のタイヤショップやネット通販を利用すると比較的安く交換できると思います。交換タイミングとしては3mm以下のタイミングで、1mmあたり3000km走行可能と考えれば、慌てることもないでしょう。

ディーラーでタイヤ持込交換は可能か?

ディーラーでタイヤ持込取付は、基本的に受け付けていません。BMW認証タイヤであっても同様です。通販などで購入したタイヤは、持込取付可能なショップと連携しているサービスもありますので、購入時から取付サービスとセットになっているサイトやショップからの購入をお勧めします。

タイヤ交換費用(値段と工賃)

タイヤ交換の費用は下記になります。ノーマルとランフラットの差は、1本あたり約5500円で4本計約2万円です。BMW新車装着のランフラットタイヤを継続・維持していく費用として、BMWユーザーにとっては必要な維持コストです。2010年以前は2倍以上していましたが、現時点では非常に安い費用です。

  • 225/45R17のP社Cブランド・ノーマル:値段12000円、工賃2500円
  • 225/45R17のP社Cブランド・ランフラット:値段17500円、工賃2500円
  • (2020/10のネット調べ)

パンク修理可(タイヤ交換不要です)

ランフラットタイヤは、パンク修理不可とする誤った記載をするサイトがありますが、空気が抜けたまま走行しなければ、パンクしたランフラットタイヤも修理可能です。

タイヤ交換の持ち込み

最近では、ネット通販でタイヤを好みのブランドとサイズを最安値で購入し、近くの提携タイヤショップへ直接届け、取り付けまで一括して行えるサービスが提供されています。

ノーマルタイヤ交換のリスク

ノーマルタイヤ交換によるデメリット

BMW車はランフラットタイヤを前提に開発されたものです。柔らかいノーマルタイヤ向けの足回りではありませんので、沢山のデメリットが出てきます。ランフラットは、パンク時の車体を支える硬さがあります。CDやDVDを転がすと真っすぐ転がるようにランフラットも矢のような直進性があります。この直進性を保持するためハンドルに遊びが無い設定です。この設定にノーマルタイヤを履けば、グラグラ、ヨレヨレのハンドリングがBMWの良さを台無しすることは素人でも理解できるでしょう。

高速道路上のパンクは非常に危険

このビデオは、高速道路の停車がいかに危険であるかを明示しています。
今までパンクに遭遇したことが無いという方も多いと思いますが、そのような過信は禁物です。パンクは、いつ自分の愛車が遭遇するかわからないのです。

JAFのパンク修理サービスの実態

JAFのパンク修理件数(一般道2019)

JAFのパンク修理件数は、下記になります。一般道路と高速道路を合わせ年間40万件です。

順位 故障内容 件数 構成比
1 過放電バッテリー 689,335 33.96%
2 タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足 376,912 18.57%

JAFのパンク修理件数(高速道路2019)

順位 故障内容 件数 構成比
1 タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足 25,827 38.58%
2 燃料切れ 8,020 11.98%

JAFの駆けつけ・到着時間

同一市内にJAFの支店があれば、最短20分。峠の頂上だとか、山奥であれば2時間程度かかる場合がありますし、市街地でもJAFが混んでいると2時間待ちといわれる場合はあります。特にゴールデンウィークやお盆の時期は、出動回数が増加し、最大4時間という声もありました。ノーマルタイヤで亀裂が大きければ、パンク修理剤の補修も効かず、別途トレーラーを呼び搬送する必要も出てきます。

JAFが到着するまでのリスク・注意点

24時間365日のサービスとはいえ、サービスの提供時間には差があることを覚悟しておきましょう。高速道路上では、車内でJAFを待つのは追突の危険性があります。車外では炎天下、豪雨、吹雪などの悪天候も考えられます。
特に郊外や山中では、蚊や害虫、動物に襲われるリスクもあるでしょう。

出先のタイヤトラブルはJAFが有効

RFTからノーマルタイヤ交換した方の身勝手な言い分

  • 今までパンクに合ったことはない。
  • JAFがあるから、日本ではパンクしても問題ない。
  • パンク修理剤も積んでいる。
  • 日本は、治安も良く一般道での停車も安全だ。
  • JAFの費用が安いから、ランフラットは割高
  • メルセデスCクラスはノーマルタイヤ標準に戻した
  • BMWミニはタイヤ選択制
  • 車線逸脱警告装置があればパンクしない

このような意見がありました。本当でしょうか?ランフラットタイヤは、大切な旅行中、パンクしても、そのまま走行し、宿泊先や修理工場までたどり着けることができます。出先でJAFを呼んだり、自分で慣れないパンク修理剤を使うリスクから解放されるのです。事前予防の観点から言えば、ランフラットタイヤを履いていれば、リスクから解放されるのです。

パンク修理剤を積めば問題ないのか?

パンク修理剤は、万能ではありません。数ミリの大きなパンクでは漏れてしまいます。パンク修理剤の液体が硬化するとタイヤ内面やホイール内面に付着し、除去に手間がかかります。タイヤ内面修理が出来ず、交換しなければいけないケースも発生します。前述の通り、車を止めての慣れないパンク修理には危険が伴います。

ランフラットはアウトバーン専用だから日本は不要?

知恵袋にこんな回答がありました。これも誤りですね。

ランフラットタイヤの意味は、ドイツのアウトバーンのような高速でパンクした場合や、国土の広い国で、パンクした場合を想定したものです。
なので、日本のようにパンクしても近くにガソリンスタンドが有る、JAFがすぐに来るような土地柄では、無用です。

日本の高速道路上での停車による死亡事故が後を絶ちません。その危険性を考えれば、アウトバーンと同様ですね。GWや観光シーズンでは、JAFも手薄になり、すぐ来ないケースが多いです。田舎の山道では、来るのに2時間もかかるケースもあります。パンク応急修理も出来ず、レッカー移動で、一日つぶれるケースもあるでしょう。

その点、80キロの速度で80キロも自走して移動できれば、近所のディーラーへ直行できるかもしれません。雨風の強い出先では、近くのホテルまで移動することも可能でしょう。

メルセデスCクラスはランフラット標準装備から除外理由

2018年のメルセデスCクラス(W205)より、従来のランフラット標準装備から外したことです。雑誌インプレでは、乗り心地が改善したという提灯文句が踊りますが、実態は販売価格を下げるためのコストダウンです。勿論、国産ノーマルタイヤ乗りからの移行を促進しやすいメリットもあるでしょう。しかし、上級モデルはランフラットタイヤを装着していることからも、エクストラコストが払えるユーザー向けにはランフラットタイヤ標準なのです。BMWは、エントリーモデルでもランフラット標準を崩していないことからも、ポリシーあるメーカーであると言えます。

BMWミニ(MINI)がタイヤを選択制とした理由

BMWミニは、BMWグループの中でもコンパクトボディであり、価格帯もBMWと比べ、ワンランク安い価格設定です。マーケティング的に実売価格を下げるコストダウンに作用します。ランフラットはオプションにしており、ユーザーの目的に見合った対応です。

車線逸脱警告装置でパンクしないのか?

最新のBMWは、車線逸脱警告装置があるので、路肩にはみ出すことも少なくパンクリスクが少ないという意見がありました。一般道から裏道に入ったり、路肩車線の無い細い道であったり、太い国道や高速道とは限りません。よって、非常にナンセンスなご意見であると思います。高速道路でのJAFパンク件数を見れば、車線逸脱警告装置とは無関係に発生すると言えるでしょう。

ランフラットタイヤ標準装着車にノーマルタイヤを履かせると?

「ランフラットタイヤ標準装着車に非ランフラットを履かせると?」 - webCG
最近、BMWなどにランフラットタイヤが標準装着されているクルマが増えていますね。インプレッションで、「うまくランフラットタイヤを履きこなしている」という表現を見ることがありますが、これはシャシーセッティングに関していわれていることなのだと理解しています。そうであれば、そのクルマに非ランフラットタイヤを装着すると、乗り心...

メーカーでは、クルマの開発をする際に、ランフラットと非ランフラットを両方試しているはずです。その中間値をとってセッティングを行っているでしょうから、タイヤを替えたことで大幅に乗り心地や運動性能が異なるとは考えにくいと思います。

このような、無茶苦茶な回答がありましたが、完全な誤りです。メーカーは、ランフラット専用セッティングです。中間などという中途半端なセッティングは一切行っていません。メーカー純正指定はランフラット専用です。よって、確実にハンドリングが悪化します。

ユーザーは、タイヤ交換で非ランフラットを交換する方もいるでしょう。
しかし、メーカーはそのような方を想定したセッティングは行っていません

ノーマルタイヤ(ラジアルタイヤ)に変えた場合の注意点

現在では、ランフラットタイヤの価格もだいぶ安くなりました。10年前は価格が2倍の開きがありました。BMW標準装着初期は、価格も高く乗り心地も悪くノーマルタイヤ変更を推奨するネット意見が多かったものです。
しかし、現在は価格も安く乗り心地も進化し、その意見は完全に逆転しています。

実際の悪影響と注意点

ランフラット標準装着車は、ランフラット用のセッティングとなっています。
ランフラットは、サイドウォール剛性がノーマルとは比較にならない硬さです。
パンク時に車重を支える硬さであり、ノーマルはパンク時にペシャンコになる柔らさを考えれば、全く別物であると理解出来るでしょう。CD/DVDの円盤を転がすと真っすぐ転がるイメージです。円盤を真っすぐ転がすためにハンドリングセンターの遊びが少なくしています。

一方、ノーマルは、柔らかい円盤を転がせば、ふらつく柔軟性なのです。
ハンドリングセンターは、遊びを大きくして直進性を確保しているのです。

ノーマル変更後は、柔らかさが乗り心地に貢献する反面、その柔らかさがグニャグニャのハンドリング等に影響します。もともと扁平率が30や35では、ノーマルでも硬いサイド剛性であるため体感できるグニャグニャ感は軽微であるケースもあります。しかし、タイヤ自体の硬さは別物であり「悪影響は確実にある」と思います。

高いランフラットタイヤを安く交換する方法

ディーラーでは、点検や車検時に「タイヤの残溝が残り何ミリか」を教えてくれます。そのまま放置していると次回の車検が通らないためにディーラーで高い純正タイヤに交換する羽目になります。高いBMWの車検代に加えて、高額なランフラットタイヤは痛い出費です。それを抑えるためにもネットショップでの購入と交換を推奨します。

最近ではBMW用のランフラットタイヤを扱うショップは10年前とは比べ物にならないぐらい増えています。近所のタイヤショップを探して交換してしまうのが、タイヤ代を安く抑える秘訣なのです。

タイヤショップの注意点

ランフラットタイヤが標準装備となり、2001年のランフラット登場後、BMWベンツ、レクサスが出入りするショップで、今時ランフラットタイヤ未対応のタイヤ販売店などありません。ネット上にある情報は古く誤ったものです。特にランフラットからノーマルタイヤへの交換をお店側から提案するショップは間違いなく避けた方が良いでしょう。

  • 古いタイヤチェンジャーを置いているショップはタイヤ交換技術も低い
  • 最新のタイヤチェンジャーはランフラットも100%対応
  • ランフラット対応ショップなら、空気圧のリセットも対応も問題なし

タイヤ寿命とタイヤ交換時の注意点・まとめ

ノーマルタイヤへ変更を推奨するサイトや記事は、多様な言い訳が並びますが、結局のところ「タイヤ交換代が勿体ない」というのが、最大の要因のようです。
すでに225/45R17サイズであれば、比較的安価にランフラットタイヤを交換することが可能です。
ノーマルタイヤは柔らかいのが当たり前で、ノーマルタイヤ用に作られていない足回り、セッティングのBMWに多大な悪影響を及ぼすのです。
多少の乗り心地やタイヤ価格のコストを我慢することは、BMW乗りとして必要なマナーです。

そして、ランフラットタイヤを履き続けることが、突発的なパンク時のリスクを回避し、安全で快適なドライビング(駆けぬける歓び)に繋がるのです。

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