BMWのバッテリー交換費用と寿命延長のポイント

メンテナンス

最近のBMW車は電子機器を多数搭載しており、大型の大容量バッテリーの管理が非常に重要となっています。2012年以降、エンジンのアイドリングストップ機能の標準搭載車が増えて、バッテリーの負荷も非常に高まっています。

高性能AGM方式バッテリーの概要

AGMバッテリーの特徴

バッテリーは、電解液として希硫酸(液体)が入っており、ドライバッテリーやシールドバッテリーと呼ばれるものです。

  • スポンジ状のマット(グラスマット)にしみ込ませたもの(AGM式)
  • ゲル状物質に置き換えたもの(ゲル式)
  • バッテリー液の補充が不要(メンテナンスフリー)

AGMバッテリーのメリット

密封されているため、従来型バッテリーのように液漏れや蒸発による補充が不要です。縦横の搭載自由度が増しており、放電力の増大、長寿命、電解液の補充が不要、幅広い温度特性など、バッテリーの性能や使い勝手や耐久性が大幅に向上します。各社は、性能向上の研究開発を進めており、その信頼性は年々向上しています。日本ではAGMバッテリーという総称が一般的ですが、VRLAと呼ぶこともあります。

バッテリーの交換時期とは(AGM)

通常のバッテリーは、2、3年と言われたバッテリー寿命(車検毎の交換)と言われており、ディーラー推奨の交換時期にも変化はありません。

AGMバッテリーが標準搭載されるようになり、実際の寿命は4~5年程度に伸びました。しかし、BMWにもエコ化が訪れアイドリングストップ機能を装備するようになります。この機能は激しくバッテリー寿命が短くなり、当初の2~3年で交換するのが良いでしょう。交換時期は、3年を目安としましょう。

交換のチェックポイント(AGM)

以下のチェック項目に該当した場合は、早めの交換をお勧めします。

  • 新車から3年経過した。
  • 前回交換から3年経過した。
  • ヘッドライトが、なんとなく暗くなった。
  • エンジンの掛かり、セルモーターの回りが悪くなった。
  • バッテリー充電の警告ランプが点灯した。(過去2回以上)
  • 過去に1度バッテリーを上げて始動不可となった。
  • ディーラーから交換を推奨された。(充電状態62%以下、比重1.22)この項目を確認しましょう。
  • 寒い冬の時期、早朝などで掛かりが悪い。

交換費用(AGM)

1~4シリーズ、X1~X4シリーズの参考費用です。

  • 約6~7万:部品、工賃込み(ディーラー)

5シリーズ以上、X5シリーズ以上の参考費用です。

  • 約7~12万:部品、工賃込み(ディーラー)

交換後の設定

車両側ではバッテリーの充電状況に伴う各種情報が記録されています。ディーラーでは、新品交換後にコンピュータ設定を更新しています。しかし、車両側でバッテリーの充電放電状況を検知し、弱ったバッテリーから新品交換後の性能回復を自動検知するようです。
よって、新品に交換後の設定変更は必須ではありません。

AGM以外バッテリーの交換ポイント

アイドリングストップの無い車両は、ほぼAGM以外のバッテリー指定となっています。型式的にはExx以前の3シリーズ以下のモデルが多いでしょう。2,3年毎に交換するのが無難です。量販店でも劣化品や粗悪品では1年程度で寿命を迎えるものがあります。AGMバッテリー以外の製品は、長寿命の記載があっても2~3年で交換するのが無難です。

交換のチェックポイント(AGM以外)

  • 前回交換から2,3年経過した。
  • ヘッドライトが、なんとなく暗くなった。
  • エンジンの掛かり、セルモーターの回りが悪くなった。
  • バッテリー充電の警告ランプが点灯した。(過去2回以上)
  • 過去に1度バッテリーを上げて始動不可となった。
  • ディーラーから交換を推奨された。(充電状態62%以下、比重1.22)この項目を確認しましょう。
  • 寒い冬の時期、早朝などで掛かりが悪い。

交換費用(AGM以外)

1、3シリーズで現状しているサイズ(AH)によります。

  • 部品、工賃込み(ディーラー)
  • 約2.5万(55AH)
  • 約3.5万(70AH)
  • 約4.5万(90AH)

5、7シリーズで現状しているサイズ(AH)によります。

  • 部品、工賃込み(ディーラー)
  • 約5.0万(70AH)
  • 約5.5万(90AH)

バッテリー充電の警告メッセージが出た場合

寿命として弱っているケースと、使用状況により一時的に弱ったケースがあります。例えば、寒い夜間に大雨となり、ワイパーやエアコン、ライトをフルに使用した場合は、バッテリーの充電が追い付かずに過放電となっています。さらに気温が下がった翌朝などは、バッテリーが弱り「バッテリー充電」のメッセージ表示が出る場合があります。そうならない為には、多くの電装品を使った走行後などは、5分程度のアイドリング(バッテリーへ充電)を行ってからエンジン停止しましょう。

気温が1度下がる毎に、バッテリー性能が1%下がるといわれており、外気温もバッテリーにはシビアな状況になります。外気温20度を100%の性能とすると、冬の0度は80%まで性能が落ちる事を予備知識として頭に入れておきましょう。

「バッテリー充電」のメッセージ表示でてもエンジンが掛かれば、若干弱っているレベルなので、電力消費を避けて充電を心がけましょう。エンジンが掛からない状態であれば、他車とブースターケーブルを繋いでの対応(ジャンプスタート)が必要となります。近隣の車へ助けを求めるか、JAFやロードサービスの助けが必要となるでしょう。

最近のモバイルバッテリーの高性能化に伴い、ジャンプスターターなる製品も売られいます。バッテリー交換をしたいが時間がない場合は、このような製品を通販で購入して予備として持っておくのも安心です。

バッテリーの搭載位置


BMWは、前後の重量バランスの適正化から重量物となるバッテリーをトランク内のカバー下に格納しています。

バッテリーのジャンプスタートの方法

ジャンプスタート(ジャンピングスタート)の方法を解説します。バッテリーが上がってしまった場合、セルモーターが回らずにエンジンが始動できません。
そのような状態の場合は、他車の電力を補充して再始動させます。

写真は一例です。赤いプラスチックカバーが目印ですが、サービスマニュアルを参照しましょう。
自車(バッテリー上がり)と他車(正常バッテリー)をケーブルで繋ぐ例

  • 1.自車のボンネット内で、赤いプラスチックカバーのプラス端子接続部分を探す
  • 2.ブースターケーブルの赤いクリップを1.に繋ぎます。
  • 3.他車の赤いプラスチックカバーのプラス端子接続部分を探します。
  • 4.ブースターケーブルの赤いクリップを3.に繋ぎます。
  • 5.自車のエンジン部分、またはボディの黒いプラスチックカバーのマイナス端子接続部分を探す
  • 6.ブースターケーブルの黒いクリップを5.に繋ぎます。
  • 7.他車のエンジン部分、またはボディの黒いプラスチックカバーのマイナス端子接続部分を探す
  • 8.ブースターケーブルの赤いクリップを7.に繋ぎます。
  • 9.他車のエンジンを2,3分かけたまま充電します。
  • 10.自車のエンジンスタート。

JISとDINのアンペア(AH)規格表記の違い

一定の時間内対する放電容量を表した単位です。
AH(アンペア・アワー)やHRはアワー(時間)を指します。

  • JIS規格のバッテリーは、5時間率(5HR)で表記しています。
  • DIN規格のバッテリーは、20時間率(20HR)で表記しています。

DIN規格(ドイツ工業規格)では、満充電から1/20(5%)の電流を10.5Vになるまで放電する場合の時間と積を表しています。基本的に欧州車用バッテリーは20時間率で単位はAh(アンペア アワー)で表していますので、80Ah や80A/20HR等の表記になっています。

BMW向けバッテリーは、基本DIN規格表記なので、あまり注意する必要はありませんが、換算式は下記になります。

  • 5時間率>20時間率へ変換:60Aバッテリー>約75A(125%へ)
  • 20時間率>5時間率へ変換:80Aバッテリー>約64A(80%へ)

5桁コード(DIN規格)ドイツ規格

  • 例:570xx (20時間あたり容量)
  • 1桁目:5=100Ah未満、6=100Ah以上
  • 2-3桁目:20時間あたり容量
  • 4-5桁目:シリアル番号

9桁コード(EN規格)新EU規格へ移行

  • 例:670xxxyyy (20時間あたり容量)
  • 1桁目:5=100Ah未満、6=100Ah以上
  • 2-3桁目:20時間あたり容量
  • 4-6桁目:シリアル番号
  • 7-9桁目:CCA値

CCA (Cold Cranking Ampere)とは、コールド・クランキング・アンペアの略で、バッテリー規格「性能基準値」の表し方です。上記のコードは1/10表記です。
バッテリーの劣化度を示す値で、テスターの結果が上回っていればOKとなります。

高価なアイドリングストップ用バッテリー

アイドリングストップ装着車は、バッテリーが従来の車に比べて大容量化しています。停止の都度、スターターが始動するため、バッテリー容量の大型化は避けられません。特に大容量のAGMバッテリーは非常に高価となり、ディーラー交換だと6~12万円の出費を強いられるケースが多くなりました。

アイドリングストップの効果とは

節約できる燃料の量は、10分間のアイドリングストップで約0.15L~0.2Lというデータがあります。

  • リッター150円 × 0.15L = 21円(日)
  • 21円(日) × 300日(年) × 5年 = 31,500円

上記は、あくまで一例ですが、3年でバッテリーを交換するよりも、バッテリーを延命させる方がコストが安い可能性もあるのです。

BMWバッテリー電圧の適正値とは

エンジン始動前にバッテリーを計測した場合の適正値は、車種(EXX/FXX/GXX)に関わらずバッテリー電圧は共通です。

  • バッテリーの電圧「12.0V以上」あれば可。
  • 数時間エンジン停止後、エンジン始動前の電圧「11.9V以下」は交換を推奨します。

ドライブレコーダー(駐車監視録画)は、エンジン停止後も電気を消費します。「12.2V未満」となる場合は停止が必要です。

BMWのオルタネータ電圧値とは

エンジン稼働中は、オルタネータ(発電機)でバッテリーに充電しており、オルタネータの発電電圧は「13.0~15.0Vの範囲内」にあれば問題ありません。
バッテリー交換後、バッテリー上がりが再発した場合、オルタネータの故障が考えられます。「12.0Vは充電不足」、「16V以上は過充電」の故障を考慮しましょう。

バッテリー寿命を延命させる方法

  • アイドリングストップをなるべくオフ
  • 駐車中のドライブレコーダー録画をオフ
  • 週一でエンジンを掛け、電力消費を抑え、充電に努める

アイドリングストップに、スターター使用により大電流が流れ、バッテリー劣化が加速します。渋滞時の停車時間が長いケースでは、燃費に寄与しますが、頻繁なエンジン始動はバッテリーの劣化を促進し、2~3年で交換時期となります。
一方で、アイドリングストップを装備していないAGMバッテリー装着車では、5年以上のバッテリー寿命の方が多いようです。コーディング(コンピュータの設定書換)により、アイドリングストップ機能を最初からオフとすることも可能ですが、このためだけに実施することは推奨しません。あくまで、走行状況に応じてアイドリングストップ機能を任意にオフにすることがポイントです。
(全く動かないようなノロノロ運転は、エンジンストップが効果的)
電力の大量消費を抑え、過放電をさけつつ、エンジンを掛けて充電頻度をアップさせることが、バッテリー延命に繋がります。

社外品バッテリーの利用がコスト軽減に効果あり

例:BMW3シリーズ(F30 320i) AGMバッテリー

  • 純正品:66000円(税込み)
  • 社外品:42980円(税込み)

新品バッテリー交換後、コンピュータへ交換を知らせる書き込みが必要との情報もありますが、実際の交換では不要です。車体側でバッテリーの能力が復活したことを自動検知します。

ディーラーでの部品代や交換工賃は非常に高いと感じる方が多いようです。最近のアイドリングストップ対応車種では6万円を超えてきます。大型タイプでは10万円近い金額になります。

量販店や通販、DIYでは費用を半分から3分の1程度に抑える事が可能です。
ボッシュ製やバルタ製で自車と同じサイズを購入して対応します。
バッテリー交換時にバックアップしなくても、車両のメモリーが消えることはありません。

オートバックス・イエローハットでの交換

大手カー用品店のオートバックスやイエローハット、ジェームスでのバッテリー交換も可能です。バックアップ電源を実施有無については、店舗により異なるそうで事前に確認しておきましょう。バッテリー価格はディーラーより確実に安いです。ただしネット最安値に比べて1.5~2倍程度する場合があります。交換工賃は、会員だと無料~500円程度。古いバッテリーは無料で引き取りされます。

バッテリー寿命の延命と交換費用軽減のまとめ

  • アイドリングストップは、バッテリーの寿命を短くします。ガス代削減より、バッテリー代が高くつきます。アイドリングストップのOFFが効果的
  • 週一回はエンジンを掛け、充電に努めると延命効果あり。
  • バッテリーはディーラー交換でなく、ショップ交換やDIY、通販利用が効果的

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