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プレミア中古車の保険金査定、事故の問題点とは

BMW自動車保険
BMファン君
BMファン君

従来からのクラッシックカーだけなく、最近は希少なスポーツカーの中古車価格の高騰が著しい状況です。では、全損事故など高額な費用が発生した場合の保険金の取り扱いはどうなるのか、解説します。

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シビックタイプR(FD2)全損事故例

  • 加害者信号無視による、両車走行中、交差点内の衝突事故。
  • 過失割合:0:100
  • 販売時価格:約400万
  • 所有権移転前:納車前
  • 保険会社査定:約180万

この問題点は、店頭販売時価格400万に対して、保険会社は、車両時価額「レッドブック」にて算出した180万を保険金支払い額としており、大きな開きが問題となっています。
加害者側の弁護士との協議により、示談成立。

車と建物や荷物、動産との衝突事故

  • トラックが店舗に飛び込んだ事故
  • 事故で高額な荷物に損害を与えた
  • 踏切内で電車に衝突

これらは、過失割合を考慮した査定額の算出が難しく、裁判になる事例が多いようです。
修理費用など、新品からの減価償却額などを勘案するようです。
高額商品を輸送する側は、商品価値を証明し、必ず保険に入るような防衛策が必要です。

ドライブレコーダーが決定的な証拠になる

赤信号無視であれば「0:100」になりますが、以前はドライブレコーダーが無く
被害者が事故を立証できず、過失割合が変動するケースが多々ありました。

  • 信号無視ではなかった
  • 被害者の確認ミス
  • 交差点内、両車動いていれば「50:50」

現在は、ドライブレコーダーの証拠が決定打となり、判例に従って過失割合が修正され、客観的な判定出来るようになっています。
最新のクルマであれば、ドライブレコーダーを装備していないケースは少ないかもしれません。
他者の車をどうしても運転しなければいけないケースでは、ドライブレコーダーの装着ど動作状況を必ず確認するようにしましょう。

人身事故では、高額な保険金が支払われる

高次機能障害(交通事故などによる脳外傷、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、脳炎・低酸素脳症などの病気が原因で、脳が部分的に損傷を受けたためにおこる障害です。)は高額になるケースが多いです。事故後の後遺症や事故に伴う休業補償など、客観的な算出基準を元に保険金額が算定されているようです。被害額が高額なだけに、弁護士や裁判と通した解決になります。

  • 被害者側も被害額を証明する必要がある
  • 身体的被害は変動し、進行する可能性も考慮する必要がある。

高級車の車両保険事情

新車にお乗りの方であれば、加入率の非常に高い車両保険です。
新車特約も含め、買ったばかりの新車に対しては、時価算出も容易であることから、保証も手厚い内容となっています。

単純な経過年数で減額されてしまう

保険加入者側の車両保険金額設定は、新車からの経過年数を考慮して減額されていきます。
モデルや特殊グレード、限定車の考慮は一切されていません。
超高額の改造や希少価値は、個別申告と承認が必要となりハードルが高い実態があります。

高額な修理代をカバーできず

新車時1000万超えの車両も、10年経過する時点で、保険金額は50万以下の価値になってしまいます。大きな事故では、100万超えの修理代が発生しますが、50万以下の保険金で修理できないため、手放すケースが多いようです。

希少車の保険金査定の事例

被害者は、希少価値を客観的な証拠として提示することが必要

 東京地方裁判所平成16年12月22日判決(交民37巻6号1760頁)でも、クラシックカーの該当性について、「一般に,古いこと自体がその価値を高めるクラシックカーのような特殊な車両や特に愛好者間で高額で取り引きされるような希少価値のある車両であれば格別,車両の経済的価値は登録年度からの経過年数,走行距離に応じて減少するというべきである。そして,初年度登録からの年数が長期間経過すれば,同型車両の登録台数は減少し,需要も減るため,取引事例が少なくなるのは当然であるが,それが車両の希少性による客観的価値を裏付けるものではないことは明らかである。したがって,そのような既に市場性の失われた車両について,当該車両の客観的・経済的価値を著しく上回る修理費を損害として認めるのは,公平を欠くものといわなければならない。原告車については,その車種が雑誌に紹介されているものの,クラシックカーとして登録年度からの経過年数がその価値を高めているような事情を認めるに足りる証拠はなく,また,現在の登録台数が少ないというだけで,希少性による客観的・経済的価値の存在を裏付ける証拠もない。」

雑誌に掲載されたのみで、経済的な価値を裏付ける証拠もないと、棄却された事例。
超希少車はスクラップ査定と紙一重のリスクがあると言えます。

マニア観点でなく、素人的にも客観的な希少価値データを突き付ける必要があるようです。
世界に数台などの希少車が、マニア向けのオークションで高額落札されるケースがありますが、客観性を示すことは厳しい。少なくとも数台の事例による客観的なデータ提出が必要になるのでしょう。

希少価値を証明できた例

3000台のみが生産された1998年式ハーレーダビッドソン(誕生95周年記念限定モデル)についての損害が問題になった事案です。上記大阪地裁は、「原告が購入した価格以上の価格賠償を認めても、原告所有の客観的価値を回復させるという点で原状回復以上の利益を賠償したことにはならない」として、購入価格の100万円ではなく、事故時の時価額230万円の損害を認めた

1998年式という比較的新しい年式により、中古車市場価値で一定量のデータを提示できたと思われます。旧車・クラッシックカーを所有するポイントとして一定量が市場に流通している実績があるほど、その価値を証明しやすい事例になります。

レッドブックとは

有限会社オートガイドから発行されている月刊誌「オートガイド自動車価格月報」の通称で、自動車の平均的な取引価格をグレード、年式別にリスト化した冊子です。
(業者向けとなり、一般向けには販売されていません)
その他、JAAI(一般財団法人 日本自動車査定協会)作成の「イエローブック(加盟業者用途)」とシルバーブック(一般向け)があります。

レッドブックのデメリット

需要と供給の関係を適切に算出しておらず、参考指標に留まる点がデメリットです。

  • 販売開始から10年以上経過した車両は販売価格の一律10%で扱っている
  • 毎月発行や隔月発行の書籍なので価格情報がリアルタイムに反映されず
  • 地域間で発生する需要の差が考慮されず(オープンカーや雪国仕様)
  • 車両の状態や自社の在庫状況など査定額に影響を与える要因が反映されず

実際の自動車販売・査定に利用されず、ネットワークを利用した販売業者・買取業者独自のデータベースを保持し、日々の市場価格をリアルタイムに反映しているのが一般的です。

レッドブック利用者の問題点

レッドブックは、客観的な指標として一定の基礎数値としての効力を発揮するものの、一般中古車市場価格よりも安い状況が多々発生します。

  • 損害保険会社の保険金査定額に利用
  • 弁護士側の時価算出時に利用

実際の中古車販売と買取に利用していないレッドブックを用いて、損害保険会社や弁護士が利用することに問題があります。
このため、被害者が損害額に納得しないケースが多発し、裁判で被害額を証明するしかありません。
数千万のクラッシックカーであれば、被害者側の財力的に裁判も可能でしょう。

プレミア車の販売価格事情

以下、10年以上経過した中古車となりますが、希少性から新車よりも高額な市場価格となります。業者や投資家が価格を吊り上げているという説もありますが、買い手が存在しなければ、価格は維持できません。マニアにとっては高くても購入対象になる車です。
(写真はBMW Z8)

  • マクラーレンF1 (1981年/1.8億円):市場価格5億円以上
  • BMW M1 (1981年/3000万):5000万~1.1億
  • BMW Z8 (2007年/1660万):2750万円
  • BMW M3 E30 (1989年/650万):3000万円(走行1.3万キロ)

所有権移転前と所有権移転後で大きく価値は変わるのか?

新車特約(新車価額特約)

新車特約(車両新価特約)とは、車両保険で補償される事故により、契約の車が全損あるいは修理費用が新車価格相当額の50%以上となった場合(内外装・外板部品のみの損傷の場合は除く)に、車の再購入費用を元の車の新車価格相当額を限度に保険金として受け取れる特約です。なお、盗難の場合には対象とはなりません。
新車特約を契約できる車は新車登録から一定期間内の車に限られます。25~61か月範囲は保険会社により異なる。

新車から一定期間内は、新車特約を付けることで、事故発生時に手厚く保護される特例システムです。販売価格は、所有権移転後も手厚く保護される流れです。

数年が過ぎた中古車はレッドブック査定

  • 希少な価値を持つプレミア車は、新車を超えるような販売価格になりますが、客観的な市場価値として、妥当性証明も可能でしょう。
  • プレミア付き価格として販売されることは、市場原理原則として当たり前の流れです。
    (所有権移転前:ディーラー・中古車販売店)
  • 判例では、所有権移転前であれば、契約時点の価値で算出されるようです。
  • しかし、売買契約締結後に所有権が移転されると、いきなりレッドブックによる時価査定へ減額されてしまいます。

プレミア中古車の保険金査定の問題点

  • 実態に見合わないレッドブック活用した保険金査定と弁護活動は一切廃止、市場価格に見合った被害額を算定すべき
  • そのためには、市場価格をリアルタイムに反映した旧車やプレミア車をカバー出来る車両保険と査定システムの構築が必要
  • 所有権移転前と移転後の価値の差額・落差が激し過ぎる(一方で新車特約は手厚過ぎる)矛盾が発生

保険会社側や弁護士の対応により、非常に低い保険査定額で妥協している被害者は多数いらっしゃると思われます。弁護士費用特約などの制度が用意されているものの、一般の方にとってハードルが高いことは言うまでもありません。
時価額での査定は、一般的であるため、オーナー側としての万が一の事故に対して、予備知識と対応策・自衛策が求められます。

プレミア中古車のオーナー対策まとめ

  • 弁護士費用特約には必ず加入して、いざという時に備えます。(自動車保険の見直し)
  • ドライブレコーダー(前後カメラ)を必ず装着し、故障やエラーで録画ミスが内容、日々のチェックを欠かさないようにしましょう。360度カメラなど二重三重の装備も効果的です。
  • 愛車の価値について、たまには中古車サイトで確認し、チェックしておきましょう。事故時に客観的なデータを被害者として提出することが重要です。
  • 愛車の中古車査定(ネットでも可)などで、市場価値を確認しておくのも効果的です。

時価と市場価格に乖離があるときは、市場価格の妥当性を証明することにより、示談や裁判で勝利に持ち込める可能性が高くなります。ぜひ、愛車の希少価値に見合った保険金を勝ち取りましょう!

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