BMWの電気自動車（EV）として、購入時に特に重視されるのが「航続距離」です。ここではBMWの主要EVを対象に、カタログ値と実走行距離を比較しながら、実用性の高い車種をランキング形式で紹介します。幅広い年齢層のユーザーが参考にできる内容にまとめました。
BEV航続距離の重要性（概要）
BMWの電動化は2013年の「i3」から始まり、現在ではSUV、セダン、ラグジュアリーサルーンに至るまで多彩なラインアップが揃いました。電気自動車の性能を判断する上で最も重要なのが航続距離です。カタログに記載されるWLTP値は、国際基準での試験結果を示しますが、実際の走行条件下では必ずしも一致しません。
この記事では、最新のBMW EVを中心に、カタログ航続距離と実走行距離を併記し、使い方や環境による差も踏まえてランキング化しています。さらに、電費性能や充電効率といった関連要素も考慮し、実際にどのモデルが「長く走れるBMW EV」なのかを見ていきます。
評価基準
- カタログ航続距離（WLTP基準）
- 実走行距離（気温・交通状況・電費を考慮した平均値）
- バッテリー容量および充電性能
- ユーザー満足度・市場での評価
これらの要素を総合して、2025年時点でのBMW EV航続距離ランキングを作成しました。
ランキング（ベスト5：2025）
航続距離の観点から見たBMW電気自動車のおすすめモデルを以下に紹介します。カタログ値と実走行値の両方に注目しながら、車種ごとの特徴を解説します。セダンとSUVでは、実走行値では200〜250kgの車重差が電費に大きく影響します。
1位：BMW iX3 50 xDrive（モデルコード：NA5）
ノイエクラッセとして新しいBMWのデザインコンセプト、BEVの方向性を示すモデル
2位：BMW iX xDrive60（モデルコード：i20）
フラッグシップSUVでありながら、電費効率と快適性を高水準で両立したBEV専用モデル。SUVモデルで重量や空力で不利ながら、航続距離はトップレベル
3位：BMW i7（モデルコード：G70）
フラッグシップサルーンとしての高級感を維持しながら、重量のある車体ながら、最新の効率制御技術で長距離巡航に優れます。
4位：BMW i5（モデルコード：G60）
ミドルクラスの新世代中型セダン。セダンとツーリングの2タイプのボディを持つ。
5位：BMW i4（モデルコード：G26）
グランクーペスタイルのセダンで、空力性能が高く、程よい居住性と使い勝手の良いサイズ感。
駆動形式やグレードによる影響も
モデル内でのグレードの差に関わらず、バッテリーの搭載量の違いにも注意が必要です。
ハイパワーモデルの電費は悪化
- モーターの出力が小さく、モーター搭載数が少ない方が負荷が少ない
- 二輪駆動（eDrive） ＞ 四輪駆動（xDrive）
- ノーマル ＞ Mモデル（高出力モーター）
傾向と分析
カタログ値と実走行値には平均して15〜25％程度の差があります。特に冬季や高速道路での長距離走行では消費電力が増加し、航続距離はカタログ値の70〜80％程度になる傾向があります。これはEV全般に共通する特徴ですが、BMWは制御システムの最適化により比較的ギャップが小さいと評価されています。
車種別の傾向
- 大型SUV（iXシリーズ）は、重量増の影響で電費はやや不利だが、高容量バッテリーにより実走行距離を確保。
- セダン（i4、i5、i7）は空力性能に優れ、効率的な長距離走行が可能。
- コンパクトモデル（iX1、iX2、i3）は都市利用に最適で、充電サイクルの管理が容易。
充電と運用コスト
航続距離を支えるのはバッテリーだけではなく、充電環境も重要です。家庭での200V充電と公共の急速充電（CHAdeMOやCCS）の使い分けが、日常の利便性を大きく左右します。BMWの充電システムは高出力対応が進んでおり、iXやi7では約30分で80％までの急速充電が可能です。
航続距離が短くなる要因
- ヒーターの電力増加
- 高速域：80キロ以上では空気抵抗の増加
- 登坂路：高負荷の増加
- 向かい風の強風
航続距離が長くなる要因
- 50～70キロ程度での巡行
- 追い風の強風
- 長い下り坂
一覧表（BMW EV航続距離比較）
各モデルから航続距離の長いものを抜粋
| 順位 | モデル名 | モデル形式 コード |
カタログ 航続距離（WLTP） |
実走行距離 （平均値） |
|---|---|---|---|---|
| 1 | iX3 50 xDrive（2026登場） | NA5 | 805km/WLTP | 約550〜600km |
| 2 | iX xDrive60（後期） | i20 | 723km | 約500〜550km |
| 3 | i7 eDrive50（前期） | G70 | 652km | 約450〜500km |
| 4 | i5 eDrive40（前期） | G60 | 648km | 約450〜500km |
| 5 | i4 M60 xDrive | G26 | 595km | 約430〜480km |
| 6 | iX3 xDrive30（初代） | G08 | 517km | 約350〜400km |
| 7 | BMW iX1 eDrive20 | U11 | 495km | 約320〜370km |
| 8 | BMW iX2 xDrive30 | U10 | 460km | 約320〜370km |
※上記数値は代表的グレードを基準とした参考値です。実際の航続距離は走行条件や気温、使用アクセサリーなどによって変動します。
まとめ
BMWの電気自動車は、性能・デザイン・快適性のいずれもが高水準で、特に航続距離に関してもクラス上位の安定性を誇ります。カタログ値だけでなく実走行距離を意識することで、より現実的な選択が可能となります。
iXやi5/i7などの上位モデルは長距離ドライブに適しており、一方でiX1やi3は都市部での機動性に優れます。利用シーンに応じた選択が理想です。また、充電環境を整えることで日常使いでもストレスの少ないEVライフが実現できます。
- 航続距離は「カタログ値の80％程度」が実用目安
- 通勤・買い物中心ならコンパクトモデルで十分
- 高速移動が多い場合は中〜大型セダン／SUVが適す
- 購入前には自宅充電設備や充電カード契約も確認を
最終的には、航続距離だけでなく、走行フィールや充電インフラの利便性を総合的に考慮することが重要です。BMWの電気自動車は、実用性と上質な乗り味を両立した魅力的な選択肢です。将来の電動化社会に向けて、自分に最適な一台を選びましょう。
