
BMWのオプション設定、上位モデルはレーザーライト標準装備車が増えてきました。レーザーライトとLEDとの比較内容。レーザーライトが廃止となった理由、今後を解説します。
BMWレーザーライトの概要
BMWレーザー・ライトは、より遠くを照らし、ドライバーの視認性を高めてくれるシステムです。
従来のライトより、遠方の状況を正確に察知することが可能となります。
- ハイビームを照らした状態で速度が70km/h以上に達すると、元々点灯しているLEDハイビームヘッドライトに加え、レーザー・ライトが自動点灯。
- レーザー・ライトが点灯することで、LEDライトでは300m先までだった照射範囲が、約2倍の600mにまで伸びます。
BMWのヘッドライトはレーザーライトが頂点に
現在、BMWの主流を占めているライトとして「イカリング、キセノンヘッドライト(HID)」から、LEDヘッドライトの標準装備化が加速し、上位モデルは、レーザーライトが主流となっています。
これらのトレンドとなるイカリングについては、BMWが創り出したといっても過言ではないでしょう。BMW i8より、レーザーライトがオプション設定されています。
今後も装着車両は増えていくと考えられました。
LEDライトの進化とコスト低下が著しい
将来的にはレーザーライトの照射範囲の長さがメリットとされ、高性能モデルは、レーザーに主役を奪われるシナリオが想定されていました。
しかし、アダプディプLEDライトや実際の照射範囲として、LEDでも十分な性能が見込めることになり、コストダウンと相まって、レーザーライトのコストが見合わなくなってきました。
結果的も2025年モデル以降、レーザーライトの設定廃止となりました。
レーザーライトの廃止理由
- 高速域のアウトバーンでもレーザーライト並みの照射性能がLEDでも得られるようになった
- 量産車に標準装備していることもあり、コストダウンと技術革新がLEDで進んだ
- 北米市場を含む、各国の法規制により、レーザーライトの性能が活かせなかった
- 高コストで故障時のパーツ代も高く、メンテナンス維持コストから敬遠された
- 総合的なメリットが「LEDライト > レーザーライト」となった
HID・HID・レーザーの性能差とは?
以下の図のように、遠くを照射する性能に優れています。
- HID:100m
- LED:300m
- レーザー:600m

見た目が大きく異なるレーザーライト
購入者として、一番気になる点は、外観の見た目が大きく異なる形状のモデルが存在する事です。
実際の明るさとしての違いより、外観の違いが悩む点でしょうか。価格も約20万からのオプション設定となります。
写真はG20型3シリーズLCI前モデル(上:レーザー、下:LED)

LED比べてレーザーライトのアドバンテージ
- LEDヘッドライトに比べ30%省エネ
- 照射範囲は2倍、明るさは5倍
- LEDに比べた大幅な小型化も可能
カメラによるハイビームアシスタントと組み合わせなどは、従来からの機能も進化しています。
そして、一般車へのレーザーライトの導入されます。
2015年米国ラスベガスの「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)2015」では『M4コンセプトIconic Lights』から導入です。
イカリングからレーザーライトがトレンドは過去形に
2010年代は、レーザーライトがトレンドとなっていました。
写真は、上がレーザー、下が現行LEDヘッドライト

- インテリジェント・レーザー・ライティングとして、カメラやセンサー、ドライバー・アシスタンス・システムと連携した照射を行う。
- ナビと連携し、道路の進行方向の予測検知により、最大で100メートル先に障害物をドライバーに警告。
性能コスト面でLEDヘッドライトが主役に:まとめ
コストダウンと高性能、多機能化が進んだLEDライト
- 現在、LEDのコストダウンが進み、LEDヘッドライトの標準化と高性能化が進んでいます。
- また、LEDマトリクスなどのインタラクティブな要素もトレンドとなりつつあります。
存在意義を失ったレーザーライト
- 高速域の照射性能では、圧倒的なメリットがあるレーザーライトです
- しかし、生産数からコストダウンが進まず、高価なままです
- 米国のレーザーライト規制により、多売国の米国では市販できませんでした
- 高性能ではあるものの、価格面でのデメリットや米国規制により、レーザーライトは新型車の搭載から見送られる結果(標準・オプション装備の廃止)となりました

