BMW直噴エンジンのメリットとデメリットとは

BMW総合情報

2010年以降、BMWエンジンは、ほぼ直噴エンジンと言って良いでしょう。古くは日本車において、三菱のGDIなどのエンジンが有名でした。欧州での直噴エンジンの波が日本車においても主流となりつつあります。その仕組みを解説します。

直噴エンジンの概要

エンジンの点火仕組み

  • シリンダーと呼ばれる燃焼室内へ、空気と燃料を「混ぜた状態」の気体を入れる
  • 気体を圧縮して、プラグで点火する
  • 爆発力により膨張した圧力でピストンを押し下げる
  • クランクシャフトを回転させ、動力に変換

予混合燃焼

直噴以外の従来の燃焼方式です。
空気と燃料を混ぜた状態の気体に火をつけることは「事前に混合する」という処理を指します。この燃焼方式は「予混合燃焼」となります。別名で「ポート噴射」とも言いまうす。

直噴燃料噴射方式

直噴エンジンは、燃焼室に空気と燃料が別々に送り込まれ、燃焼室内で混ぜ合わされます。燃焼室内に直接、燃料を噴射するという処理となります。
直噴燃料噴射方式は、英語名で「ダイレクト インジェクション」を指します。

直噴エンジンのメリットとは?

  • 予混合燃焼 :空気と燃料を混合済の気体を燃焼
  • 直噴燃料噴射:空気と燃料を別々に混合し、燃焼

一見、シリンダー内で混ざった後に点火しますので、爆発力は変わらないようにも見えます。それでは、何かメリットなのでしょうか?

直噴エンジンの方が圧縮比が高い

直噴エンジンの方が「圧縮比が高い=高パワー・トルク」となり、低燃費も両立します。

空気のみの吸気が圧縮効率を高める

その理由は、シリンダー内へ、混合気の状態ではなく、空気のみ吸入・圧縮する処理となるため、単純な空気圧縮処理により、効率が上がり、従来のエンジンよりも圧縮比も高くできるのです。

燃料噴射で気化熱を奪い圧縮効率を高める

燃焼室内へ、霧状の気体を高圧噴射します。
この気体は、熱せられた圧縮空気の熱を奪う結果(気化熱が熱を奪う)となります。
燃焼室内の温度が下がることは、高温化した燃料室に空気を送る量を増やす結果となり、燃焼効率がアップします。

燃焼効率アップで、燃料消費量も減る

直噴化により、燃焼効率がアップしますので、予混合燃焼エンジン方式に比べて、同じパワーを出すための燃料消費量も減る結果となります。
燃料消費量も減ることは、低燃費に繋がります。

直噴エンジンのデメリットとは?

圧縮比が高い=高パワー・トルク」となり、低燃費も両立し、メリットだらけのエンジンですが、その仕組みを達成するために補器類が必要となり、コストがアップします。

高価な補器類

  • 高圧の燃料噴射装置:インジェクター
  • 空気の圧縮装置:ターボやスーパーチャージャー

煤(スス)の発生

高圧の燃料噴射装置の燃料が、従来のポート噴射に比べて、燃えカスが溜まりやすく、煤(スス)として、シリンダーや排気システム内に残留し、エンジン内が汚れる結果となります。循環するエンジンオイルにも付着するため、エンジンオイルが汚れる結果にも繋がります。

排気ガス悪化

PM2.5(粒子状物質)の排出量が、従来のポート噴射に比べて、増加する傾向にあります。

高圧インジェクターの音

ガソリンエンジンでは、従来音が静かであったが、燃料噴射が高圧で作動するため、とカタカタ、カチカチという音が気になるケースがある。BMWでは遮音性に気を使っており、車内で気付くレベルではありません。

旧世代直噴エンジンの欠陥と対応策

  • リーンバーン(希薄な混合比:20.0以上)
  • ストイキ(空燃比が理論空燃比14.7以下)

当時は、直噴インジェクターの噴射圧力が足りず、燃料噴霧の微細化が不十分となり、気化せぬままに燃焼することで大量の煤が発生しました。この煤が吸気・排気・エンジン全体に蓄積し、深刻な問題が多発しました。リーンバーンの実現は不十分でした。
NOx排出規制の問題もクリアできず、排出ガス規制強化の中で市場から消えました。

直噴エンジンのデメリットへの対策

ボッシュ製のピエゾ式インジェクターは、緻密な燃料噴射による圧縮空気との混合がが可能となっています。従来のメカニカルな電磁ソレノイド式より耐久性も高まっています。
従来の成層燃焼時の問題が幾つか解決された。その技術は現在メルセデス・ベンツやBMWのエンジンに採用されています。

まとめ

従来のデメリットを解消し、直噴エンジンとターボを組み合わせて、より高出力と低燃費の両立を図っているのがダウンサイジングターボです。直噴ダウンサイジングターボは、BMWの主力エンジンとして全車種に採用されています。また、PHVとの合わせ技により、燃費効率を向上させています。
BMW EfficientDynamics(エフィシェント・ダイナミクス)のコンセプトとして、今後、EV化が進む中で、まだまだ、直噴エンジンが主力の時代は続きそうです。

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