BMW製の直列4気筒エンジンの型式別仕様、ガソリン・ディーゼルのスペック(SPEC)や特徴、搭載車種などを解説します。
直列4気筒エンジンの特徴、背景
BMWといえば、シルキーシックスの直列6気筒エンジンのイメージが強いようです。
しかし、現在では量販車種の多くがダウンサイジングエンジンとなり、直列4気筒のエンジンを搭載しています。街中で見かけるBMWの多くが4気筒エンジン搭載車となります。
最新エンジンは、エンジンの精度もアップし、6気筒並の静粛性を確保してきている。
また、軽量なエンジンは操縦性のアップにも貢献している。
写真は、4気筒エンジンとモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド車(F30 330e /2016)
4気筒のメリット
2リッターの4気筒エンジンは、1ピストンあたりの排気量が500ccとなることからパワートルクのバランス的にも優れています。
ちなみに従来のNA2.5リッター6気筒の場合、1ピストンあたりの排気量が417ccとなり、トルクフィールとしては2リッター4気筒の方が低中速域において力強く感じられる場合もあります。
新型のモジュールエンジンは、500ccのピストンを共用化し、3,4,6気筒エンジンに採用されました。
4気筒エンジン搭載車は、販売台数的にもBMWの主役的なポジションとなっています。
エンジン重量的にも6気筒に比べて軽くなり、フロント部分の軽量化によりハンドリングの質的向上に寄与しています。
EfficientDynamicsのコンセプトの元、ダウンサイジングによる燃費向上とパワーの両立は、伝統的な直列6気筒エンジンに固辞するBMWとて例外ではありませんでした。
B38/B48の4気筒エンジンの投入により、直列6気筒NAエンジンは、直列4気筒ターボエンジンに役割を譲ることになりました。
BMWに求められるのは、燃費やパワーの両立だけでなく、エンジンの回転フィール、官能性である。そこがライバル車に対するアドバンテージとなるでしょう。
BMW2002ターボで、ターボチャージャーの市販車発売
2002ターボは、その後のモータースポーツシーンにターボ搭載車は多大な影響を与えました。
1973年、欧州のツーリングカー選手権にて勝利すべく、航空機エンジンで鍛えたターボチャージャーを採用。
- ボア×ストローク:89.0×80.0mm
- 1,990cc水冷直列4気筒
- SOHCエンジン
- 圧縮比 6.9:1
- クーゲルフィッシャー(Kugelfischer)製の機械式インジェクション
- 独KKK社(Kuhnle Kopp und Kausch)製BLDターボチャージャー
- 170馬力/5,800rpm
- 24.5kg-m/4,000rpm
- MT4速、5速
- フロントバンパースポイラーの逆さ文字が「TURBO」特徴
- 最高速度211km/h、0-400m加速15.3秒
- エアダムスカートを装備。本来リベット留めされていたオーバーフェンダーは、日本では当時の運輸省の認可が下りずにディーラー車はパテ埋めされていた。
- 生産台数1672台
- 3色で構成されたMストライプカラーが特徴
N13型エンジン(N13B16A)
内容 | N13型スペック BMW 4-cyl Turbo |
エンジン | 直列4気筒DOHC16バルブシングルターボ |
総排気量 | 1598cc |
最大出力 | 136ps/4,400-6,450rpm:116i 170ps/4,800-6,450rpm:120i |
最大トルク | 22.4kgm/1,350-4,300rpm:116i 25.5kgm/1,500-4,500rpm:120i |
圧縮比 | 10.5 |
給排気デバイス | バルブトロニック、直噴ツインスクロール式シングルターボ(twin power turbo) |
シリンダーブロック | アルミニウム |
重量 | — |
搭載モデル |
EfficientDynamics :回生ブレーキ、アイドリングストップ |
N20型エンジン(N20B20A/B)
内容 | N20型スペック BMW 4-cyl Turbo |
エンジン | 直列4気筒DOHC16バルブシングルターボ |
総排気量 | 1997cc (84.1 x 90.0) |
最大出力 | 184ps/5000-6250rpm:20/23グレード 245ps/5000rpm:28グレード |
最大トルク | 350Nm/1250rpm |
圧縮比 |
10.0 :N20B20A 11.0 :N20B20B (523i) |
給排気デバイス | バルブトロニック、直噴ツインスクロール式シングルターボ(twin power turbo) |
シリンダーブロック | アルミニウム |
重量 | — |
搭載モデル |
|
B48型エンジン(B48A20/B48B20)
内容 | B48型スペック BMW 4-cyl Turbo |
エンジン | 直列4気筒DOHC16バルブシングルターボ(B48A20/B48A20) |
総排気量 | 1998cc (82.0 × 94.6) |
最大出力 |
|
最大トルク |
|
圧縮比 | 11.0 :Low 2.0L 10.2 :high 2.5L |
給排気デバイス | バルブトロニック、直噴ツインスクロール式シングルターボ(twin power turbo) |
シリンダーブロック | アルミニウム |
重量 | — |
搭載モデル |
FF/FR 出力タイプ
搭載モデル
特徴
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N42B20A型エンジン
内容 | N42B20A型スペック |
エンジン | 直列4気筒DOHC16V |
総排気量 | 1995cc (84.0 x 90.0) |
最大出力 | 150ps/6200rpm |
最大トルク | 20.4kgm/3750rpm |
圧縮比 | — |
給排気デバイス | バルブトロニック |
シリンダーブロック | アルミニウム |
重量 | — |
搭載モデル |
|
N43B20A型エンジン
内容 | N43B20A型スペック |
エンジン | 直列4気筒DOHC16V |
総排気量 | 1995(90.0×84.0) |
最大出力 | 170ps6700rpm |
最大トルク | 21.4kgm/4250rpm |
圧縮比 | 12.0 |
特徴 |
本国では、既にデビューしている直噴リーンバーンエンジンである。 デビューはN46より古いエンジンだが、日本向けの仕様改善が必要な為、導入が遅れていた。2010/6より導入開始。 |
N45B16A型エンジン
内容 | N45B16A型スペック |
エンジン | 直列4気筒DOHC16V |
総排気量 | 1596 |
最大出力 | 115ps6000rpm |
最大トルク | 15.3kgm/4300rpm |
圧縮比 | — |
給排気デバイス | バルブトロニック |
シリンダーブロック | アルミニウム |
重量 | — |
搭載モデル |
|
N46B20A/N46B20B型エンジン
内容 | N46B20A/N46B20B型スペック(118i) |
エンジン | 直列4気筒DOHC16V |
総排気量 | 1995 |
最大出力 | 150ps6200rpm(129ps5750rpm) |
最大トルク | 20.4kgm/3600rpm(18.4kgm/3250rpm) |
圧縮比 | — |
給排気デバイス | バルブトロニック |
シリンダーブロック | アルミニウム |
重量 | — |
搭載モデル |
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N47D20C型エンジン
内容 | N47D20C型スペック(ディーゼル) |
エンジン | 直列4気筒DOHC16V |
総排気量 | 1995 |
最大出力 | 184ps/4000rpm |
最大トルク | 38.7kgm/1750-2750rpm |
圧縮比 | 16.5 |
給排気デバイス |
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シリンダーブロック | – |
重量 | — |
特徴 | NOx(窒素酸化物)吸蔵還元触媒などメンテナンス・フリー
最先端排出ガス処理技術の
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搭載モデル |
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B47D20型エンジン
内容 | B47D20型スペック(ディーゼル) |
エンジン | 直列4気筒DOHC16V |
総排気量 | 1995cc(84mm x 90mm) |
最大出力 | 190ps/4000rpm 150ps/4000rpm(-18d) |
最大トルク | 40.8kgm/1750-2250rpm 32.6kgm/1500-3000rpm(-18d) |
圧縮比 | 16.5 |
給排気デバイス |
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シリンダーブロック | – |
重量 | — |
特徴 | N47D20の後継エンジンにあたる。6ps/2.1kgmのパワーアップと燃費向上。 NOx(窒素酸化物)吸蔵還元触媒などメンテナンス・フリー
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搭載モデル |
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