BMファン君
第二次大戦後、BMWの経営危機を救い、業績向上のキッカケを作ったとされるモデル「BMW700」を解説します。
BMW 700 クーペのモデル概要
BMW700の販売製造期間は、1959年から1960年。1957年に発売された「BMW600」の基本シャーシやエンジンなどを流用した大衆車「700」を発売しました。
BMWの特徴的なキドニーグリルなどのデザインアイコンが無く、エンブレムだけがBMW車を見分けるポイントになります。
- ボディ形状:BMWとして初採用のモノコック・タイプボディ
- エクステリアデザイン:イタリアのカーデザイナー「カロッツェリア、ミケロッティ」担当
- デザインの特徴:2ドアクーペ
- エンジン:2輪車「R69」ベースの697cc(最高出力40ps)空冷フラットツイン
- 駆動形式:リアエンジン、リアドライブ
- サスペンション:フロントデュボネ式
- リア:コイルのトレーリングアーム式
ボディスペック
- 全長 3538mm
- 全幅 1481mm
- 全高 1250mm
- ホイールベース 2121mm
- トレッド前/後 1270 / 1194mm
- 最低地上高 150mm
- 室内長 1490mm
- 室内幅 1090mm
- 室内高 1110mm
- 車両重量 630kg
エンジンスペック
- エンジン種類:空冷水平対向2気筒OHV
- 総排気量:697cc
- ボア×ストローク:78×73mm
- 圧縮比:7.1:1
- 最高出力:30.4ps / 5000rpm
- 最大トルク:5.1kg-m / 3400rpm
- 変速比:1速 3.673 / 2速 2.350 / 3速 1.491 / 4速 1.000 / 後退 4.652
- 最終減速比:5.833
- 燃料タンク:容量 31.8L
足回り、機能面スペック
- ステアリング形式 ラック&ピニオン式
- サスペンション前/後 デュボネ式独立懸架コイル / トレーリングアーム独立懸架コイル
- ブレーキ前後: リーディングトレーディング
- タイヤ:5.20-10-4PR(F/R)
- 発売当時価格:5300マルク(約45.5万円)
- 最小回転半径 3.6m
- 乗車定員 4名
- 最高速度 120km / h
BMW700の変遷(モデル追加)
- 1959年12月:クーペのCピラー形状変更により、後席居住性を向上させた2ドアセダン追加、
- 1960年:エンジンの最高出力40hp/最大トルク5.2kgm高めたクーペの「スポーツ」追加
- 1961年:2ドアカブリオレ追加
- 1962年:セダンのホイールベース160mm延長した「700LS」追加。旧セダン廃止
- 1963年:標準仕様エンジンの最高出力が32hpに向上
- 1964年:クーペのホイールベースもセダン当同様のクーペ700LSへ変更。
- 1965年:BMW700の生産終了