BMWの認定中古車の保証内容やメリットが評判となる理由を解説します。認定中古車の値引きは可能なのか、疑問にお答えします。
BMW認定中古車の概要
BMWジャパンが指定した車両年数、走行距離や大きな事故歴がなく、整備がしっかりしている車両を厳選した中古車となります。認定中古車の販売ディーラーは、必要な点検整備を実施し、程度に応じて保証期間(6か月から2年)を設定してBMW正規ディーラー認定中古車として販売されたものです。
正規ディーラー認定中古車の別名
日本初の認定中古車制度を1987年より開始しました。BMW正規ディーラーのBMW認定中古車は、別名アプルーブドカーと呼ばれています。
BMW認定中古車プログラムの特徴
- BMW Premium Selection適用車はハイ・ボルテージ・バッテリー保証を全対象モデルを対象
- BMW Approved CarおよびMINI Approved Car適用車は、1年間走行距離無制限
- BMW Premium Selection適用車は、最大100項目の納車前点検、2年間走行距離無制限の保証期間などの高い品質
- BMW Approved Car適用車は、スタンダードな認定中古車プログラム(1987年より導入)見直しによる顧客満足度の向上を目指す。(2020)
上記の内容により、同一グレード、同一装備内容で、一般の中古車店に比べて20~50万程度割高となります。走行距離が5万キロまたは、5年を経過した中古車については、故障や部品の劣化が目立ってくるので、安心の為にアプルーブドカー(認定中古車)を推奨します。新車から2万キロ未満、で3年以内であれば、車の状態も良く、一般の中古車店でも問題無いレベルの車が多いので、狙い目です。
メリット(充実保証が評判)
- 正規ディーラーが、保障期間を設定し認定した中古車であること。
- 一般の中古車店に比べて故障の確率が、かなり低い。
- 外車・BMW中古車の初心車でも安心。
- 正規ディーラーのサービスが受けられる。
- 価格が高い分、安心の保障内容である。
- 低年式車ほど、交換部品も多くなる為、購入後のランニングコストを考えると認定中古車は狙い目。
- 第三者組織によるによる車両状態の証明、整備記録簿などの証明がある。
購入後のメンテナンス費用を軽減できる
購入時の価格が高い分、保証や整備内容は、一般中古車店とは比べ物になりません。
よって、購入後のトラブルや修理費用を削減できるのが認定中古車最大のメリットです。
デメリット(価格が割高)
- 小規模店では、人気グレードでも希望の車種が見つからない場合が多い。
- 一般の中古車店よりも価格が、かなり高いケースが多い。(約30~50万)
- 新車から3年以内の高年式車は、交換部品もほどんと無く、割高かもしれない。
- 認定中古車といっても、所詮中古車であり、前オーナーの乗り方や車のコンディションなどは、注意深く見なければならない。
- 値引きが渋いケースがある。(特に回転の早い人気モデル)
認定中古車と一般中古車との比較
BMWの認定中古車と一般の中古車販売店の車両との比較です。
項目 | 認定中古車 | 一般の中古車 |
---|---|---|
整備記録保の有無 | 有り | 無いケース |
前オーナーを知っている | 知っている | 知らないケース有り |
修理対応力 | 専門の整備・機器・知識 | 一般整備士レベル |
整備工場 | 全国ディーラーで対応可 | 購入店など限定的 |
万が一の保証範囲 | 広範囲(記載の内容) | 普通(限定的) |
保証期間 | 6か月、1年、2年 | 数か月から年単位 |
事故車混入率 | 整備履歴が判るため | 1割(身元不明などで) |
ポイント
- 認定中古車は、安心の保険料です。安さよりもディーラーサービスの整備と保証内容のメリットを選ぶ。予算に余裕があるなら、認定中古車になります。
- 予め、ネットの中古車サイトで、正規ディーラーの価格相場を調べておく。
- 事前にグレードの装備内容を確認し、予算と購入対象の優先順位を決めておく。
注意点
- 新車と異なり、別系列ディーラーからの車両購入は不可。ネットで見つけた場合は直接交渉・購入が必要。
- 中古車で人気のモデルは、見つけたら即予約が必須!。売れ筋は回転も速い。
- 事前の購入計画準備も念入りに。
ディーラー車以外の整備お断り?
正規ディーラーで購入した新車、中古車、他店ディーラーで購入した新車、中古車は、全国のディーラー網で整備されるルールとなっています。他店の購入車両で受付を断られるという話もありますが、基本的にそのような事はありませんので、事前のアポイント(予約)を入れれば問題ありません。
問題は、正規ディーラー以外の街中の一般中古車店での購入車両です。これもBMWジャパンとしては整備を断ってよいルールは無いそうです。ただ、断られるケースは多いようです。
これもディーラー担当者次第の要素も大きく、ショールームに出向いて、新車や認定中古車の買換え交渉などで、営業マンとの交流を作りつつ、一旦は車検など実績を作ってしまえば、外部の購入車両のメンテナンスもお任せできます。
ポイントは、唐突に車両の修理をお願いしない点です。
車両品質評価、品質保証制度
認定中古車は「車両品質評価システム制度」による「車両品質評価書」によって、以下の項目が点検されています。評価により致命的なキズや事故暦を見過ごすことは無く、実車を確認して確認が必要です。
基本的に大きなヘコミや電装系の不具合のまま現状販売することは無く、販売時点(整備・補修後)の数値は改善されます。
ランク | 内容 | 程度 |
---|---|---|
6 | 36ヶ月未満、3万km未満 | AA |
5 | 走行距離5万km未満で内外装 | A |
4.5 | 中古車としては、内外装 | A- |
4 | 多少のキズ、ヘコミあり。内外装 | B |
3.5 | 多少のキズ、ヘコミあり。内外装 | B- |
3 | 走行に支障がない、キズ、ヘコミが多数あり内外装 | C |
2 | 走行に支障がない、大きなキズ、ヘコミが多数あり | C- |
1 | 冠水車などの特別瑕疵車両が該当。認定対象外 | – |
R | 走行に支障がない修復歴車。認定対象外 | – |
事故車の扱い
巷では、認定中古車が事故車だったなどの噂もありますが、大きな修理を行った事故車を認定中古車として販売する事はありません。
- 実際は・・・
- お客が事故起こし、買い替えのため、ディーラーが車両を下取りした。
- 事故の損傷が大きく、認定中古車としては基準を満たせず、販売できない。
- よって、ディーラーが車両オークションへ出品。
- 一般業者が買い取ったが、事故車だった。
という流れのようです。一般中古車店のセールストークに過ぎません。
※軽傷の修理歴がある場合は、ユーズドカー(USED CAR)として修理歴有を掲示して販売します。認定中古車のカテゴリーでは販売されません。
不具合車両の扱い
一例として、社外品オーディオ取り付け不具合で、配線が素人レベル。グローブボックスの部品が破損し、フタが締まらない状態の車両。当然、品質基準を下回っていれば、認定中古車として販売することはありません。
- 実際は・・・
- お客が買い替えに際して、今の車から社外品オーディオを取り外そうとしたが失敗。不完全な状態のまま戻して、ディーラーへ車両を下取り。
- 車両の程度も悪く、認定中古車としては基準を満たせず、販売できない。
- よって、ディーラーが車両オークションへ出品。
- 一般業者が買い取ったが、グローブボックスが破損したままだった。
という流れです。
3つの選択(Premium Selection、Approved Car、Used Car)
中古車は新車より手頃な値段で購入出来る点で魅力的です。しかし、前オーナーの使い勝手が分らない点で、気を使う必要があります。年式や走行距離、外観のキズなどは簡単に確認できるものの、エンジン、トランスミッション、ブレーキなど走行時に重要となる主要部品のコンディションは、素人判断するのは難しいです。
そこでディーラーが一定の保証を行う仕組みが認定中古車であり程度により、3つのタイプがあります。
BMW Premium Selection
2年間走行距離無制限保証をメインに認定中古車としての常識を変えた保証が得られるものです。納車前に最大100項目のチェックを実施しています。
例えば、エンジンやトランスミッション、ブレーキなどの主要部分はご購入後2年間、走行距離に関係なく保証*します。万一、修理が必要な場合は工賃まで含めて無料で対応されます。
新車登録から5年以内かつ走行距離6万km未満の修復歴が無い車
- チェック100項目
- 納車前点検で交換が必要と判断された部品
- 2年間(走行距離無制限、保証継承可)
- 設定の条件内にて保証
- 0120-55-3578(ヘルプデスク)エマージェンシーサービス
- BMWプレミアム・バリュー・プログラム
BMW Approved Car
- 初度登録から8年未満かつ走行距離100,000km未満の修復歴が無い車
- 1年間または20,000km(保証継承可)
BMW Approved Car
年間保証(走行距離20,000km以内)の内容と信頼のサービスで、納車前に最大100項目のチェックを実施。エンジンやトランスミッション、ブレーキなどの主要部品は、ご購入後1年間、走行距離20,000kmまで保証されます。
BMW Used Car
6ヶ月間保証(走行距離5,000km以内)が付きます。エンジンやトランスミッション、ブレーキなどの主要部分は、ご購入後6ヶ月間、走行距離5,000kmまで保証されますので、年式の経過した中古車ならではの安心感も得られるでしょう。
- 認定中古車としての品質基準を満たす場合、車齢・走行距離・修復歴等制限なし
- 6ヶ月または5,000km(保証継承不可)
対象 車両 |
新車登録後 経過年数 |
5年未満 | 8年未満 | 制限無し |
走行距離 | 6万キロ未満 | 10万キロ未満 | 制限無し | |
納車前 点検項目数 |
最大100項目 | 法定12ヶ月点検 | ||
部品交換の内容 | 車両の状況に応じて交換 | |||
保証 | 保証期間 | 2年間(走行無制限) | 1年間(2万キロ) | 6ヶ月間(5千キロ) |
保証内容 | エンジン、ミッション、ブレーキなどの主要部品 | |||
保証延長 | 可(最大2年) | 不可 | ||
ローンの種類 | BMWバリューローン スタンダードローン |
BMWバリューローン スタンダードローン (初度登録11年未満) |
||
試乗 | 常時可 | 不可 | ||
エマージェンシー サービス |
24時間年中無休体制の対応 |
認定中古車の値引き
店頭のフロントウインドーに販売価格(プライスタグ)を掲げています。
売れなければ、価格を下げていきますので基本的に「値引きゼロ」のケースが多いのですが、認定中古車の値引き交渉は必要です。実際に、「値引き額はゼロから、最大で車体価格の5%」と見ておいた方が良いでしょう。ディーラーのキャンペーンや店頭で長期在庫となっていれば十万以上の値引きが可能なケースもあります。中古車は出会いもあります。通い続けることで思わぬ物件に巡り合う確率も高まります。
値引きゼロは、人気車だけに当てはまります。展示してあっという間に売れてしまう車は値引きなしのプライスタグ販売が多いです。
その点で中古車にも人気・不人気車は存在します。不人気車は長期在庫となってしまいますので、フェアで売れ残った車、奇抜なボディカラーなど、中古車ディーラーの店舗やWebでチェックすると人気・不人気が見えてくるものです。傾向が見えてきますと「値引きはいくら可能ですか」という値引き交渉も可能となります。
認定中古車の値引き額の範囲
値引き幅は、車両価格が高いものほど大きくなります。新車の決算期同様、認定中古車も同様です。決算期の値引き交渉は効果的です。認定中古車の値引き交渉の目安は、下記の通りです。
まずは、「値引き出来ますか?」次のアクションとして「1%値引きできますか?」で値引き交渉を進めてみましょう。
- 人気車(新車登録~2年):ゼロ~販売価格の2%
- 不人気車(新車登録3年以上):販売価格の1%~5%
- 長期在庫車:販売価格の2%~8%(店頭在庫をチェックしていると見えてきます)
※店舗により、値引きが渋いケースも多いので、参考程度に捉えて下さい。
認定中古車の値引きポイント
値引きは無理でもオプションパーツなどのサービスを要求するのも手です。
マメに通うことで、セールスマンから在庫情報を早めに入手したり、値引きを交渉も可能となります。表示されたプライスタグから値引きは出来なくても、愛車の下取り価格をアップする方法もあるかもしれません。これについては、買取店査定との比較を忘れずに。
- 中古車決算セールを狙う。
- 中古車フェアを狙う。
- 不人気の長期在庫車を狙う。ネットや店頭在庫で売れ残り物件をチェック
- 新古車狙いなら、値引きよりも出物を待つ。時期とタイミング
新古車(登録済未使用車)の値引き
BMW新古車(未使用車)が安い!値引きのポイントについては、こちらに整理しました。
故障、アフターサービス
認定中古車のメリットは、リスクの少なさです。前オーナーはディーラー整備を行っている点で、走行距離に関わらず、整備内容で安心出来る点がお勧めです。
一般の中古車店と比べて、正規ディーラーのサービスが受けられる点がなによりのメリットでしょう。ただし、認定中古車とは言え、運が悪く、短期間で故障する場合もあれば、次の車検まで故障しない場合もあります。万が一故障や不具合があった場合の保証も厚く、高い保険として考えれば、認定中古車のメリットが高いです。
認定中古車に関する質問・疑問
合同中古車フェア
近隣ディーラーが認定中古車を集めてフェアを開催
メリット
- 近隣ディーラーが認定中古車を持ち寄る。一度に複数の車種を探すことが出来る。
- 出品台数が多いため、価格、装備内容、程度を比較することが出来る。
- 目玉となる車(客寄せ車)をゲット出来れば、文句無く買いかも。
デメリット
- 合同中古車フェアの出展費用(経費)が販売価格に上乗せされる。
- 店頭販売よりも売れる確立が高い為、長期在庫車や不人気車も多く出品される。
- 売れるので、値引きは渋い可能性
- 近隣といっても自宅から遠いディーラーの可能性もある。
ポイント
- 開催初日・オープン時に行く事。希望の車を探して、早めに押さえるのがコツ
- 予め、中古車HPなどで、正規ディーラーの価格相場は押さえることがポイント
- 長期在庫車を掴まないよう、日頃から在庫車チェックが重要。焦りは禁物です。
まとめ
認定中古車は、新車よりもお得な限定保証付きの車
新車と比べて、新しさや装備や色は選べないが、割り切れば非常にお得な車です。
希望の車が無いケースが多いが、折り合いが付けば、文句無く買いです。
認定中古車との出会いは、運もある
近所の正規ディーラーで希望の車種に出会えるかは、まさに運である。
セールスに希望車種と予算を伝えて、買う意思を示すことで、在庫確認や新しい出物、新古車など、セールスからの情報提供も得られることもある。
中古車との出会いは、情報収集から始まるのである。
値引きよりも、出会いが重要
同じ程度の中古車に出会える確率はゼロです。値引きがゼロでも、コレだと思った瞬間、買うのが一番後悔がないでしょう。ネットで遠距離県から、クリック一発での購入も可能だが、高い買物であるため、やはり現物を見て乗って確かめて、納得の上で希望の認定中古車を買うことをお勧めします。予算が許す限り保証期間の長いもの(6か月より1年。1年より2年)を選びましょう。
- マメに通うことで、掘り出しものにあたる。
- 好みの車をセールスに伝えておき、入荷次第連絡してもらう。
- 実車を必ず目で確認し、出来れば試乗する。
- 予算が許す限り、高年式を選ぶ。
- 出来れば保証期間2年ものを選ぶ。
今の愛車は、ディーラーで下取りする前に高額査定で、次の愛車の購入資金を確保しましょう。