
BMファン君
BMWは世代(G/F/E)、モデル、エンジン型式によって故障の傾向が大きく異なります。
本記事では故障ポイント・予防策・モデル別の弱点・エンジン別ランキング・10年毎の故障一覧・年代別ランキングをまとめました。
目次
BMWの世代ごとの特徴(G型・F型・E型)
輸入車イコール故障というイメージは過去のものとなり、モデルが新しくなることに従い、部品の信頼性、品質が向上しており、故障発生率自体は、減少傾向のようです。
ユーザー側としても輸入車のリピーターに繋がり、首都圏では輸入車を見ない日はない、むしろ国産高級車よりも多く見かける状況に繋がっているのでしょう。
しかし、電装系パーツ特有の不具合がエラーとしてモニターに表示されるケースもあり、走行不能となるケースは少ないものの、注意が必要です。
G型(2018〜現行)
- 48Vマイルドハイブリッド普及(G45/G60以降)
- iDrive7/8/9による電子制御の大幅強化
- ADAS(自動運転支援)装備が複雑化
F型(2009〜2018)
- N系エンジン → B系エンジン移行期
- 電子制御が増加し電装トラブル増加
- ウォーターポンプなど冷却系の不具合が多い
E型(1990〜2010)
- シンプルな機械構造で耐久性は高い
- 経年劣化によるゴム・樹脂破損が多い
G型・F型・E型の「故障ポイントと対策」
G型の主な弱点
- ADASセンサーの誤作動・カメラ曇り
- 48Vバッテリーの劣化(突然死)
- キーレス・ドアハンドルセンサー故障
- ソフトウェアバグによるiDriveフリーズ
対策
- 月1回のセンサー清掃
- ソフトウェアアップデートを適宜実施
- 48Vバッテリーを4〜6年周期で交換
F型の主な弱点
- N20/N26:タイミングチェーン伸び
- N55:インジェクター・ウォーターポンプ
- 電動ウォーターポンプ(定番故障)
- オイルフィルターハウジングからのオイル漏れ
対策
- ウォーターポンプは8〜10万kmで交換
- N系エンジンはチェーン音に敏感になる
E型の主な弱点
- ラジエーター破損(プラ製の首割れ)
- ウインドウレギュレーター故障
- パワステホースの液漏れ
- ブッシュ類の劣化
対策
- 10年以上は冷却系フルリフレッシュ推奨
- ゴム類・プラ類は年数で交換判断
ディーゼル車はすす(煤)対策を
燃費が良く、扱いやすいトルクで人気のディーゼル車ですが、長距離走行が少なく、チョイ乗りがメインの方は、注意が必要です。

BMWディーゼル車の故障実態と予防策や対処方法とは
BMWディーゼルの新車や中古車を購入するにあたって、BMWディーゼルの注意点、壊れるのか、対処方法や修理費用など、BMWディーゼルの疑問を解説します。

ディーゼル車はチョイ乗りや短距離走行に向かないのか
ディーゼルエンジンは、燃費が良い、トルクフルなどのメリットが多い反面、デメリットもあります。定番の音や振動に加えて、排気ガスの煤(すす)がエンジン内に溜まる問題があります。この問題を回避するための秘訣を解説します。
走行距離ごとの点検項目
0〜3万km
- 電子制御系の初期不良、バッテリー
3〜6万km
- ブレーキ・ATのシフトショック
6〜10万km
- ウォーターポンプ
- エンジンマウント
- オルタネーター
10万km以降
- ショックアブソーバー
- 燃料ポンプ
- ガスケット類の硬化
経年劣化ポイント
- ラジエーターネック割れ
- ブッシュ類が硬化 → 異音の原因に
- 内装樹脂がベタつく
- 電装部の接点腐食
10年毎の故障箇所一覧(表)
| 年代 | 世代 | 主な故障箇所 |
|---|---|---|
| 2020s | G型 | ADAS・48Vバッテリー・iDrive |
| 2010s | F型 | ウォポン・チェーン・インジェクター |
| 2000s | E型 | 冷却系・ブッシュ・オルタネーター |
| 1990s | E型 | 燃料ポンプ・樹脂劣化 |
| 1980s | E型 | ECU・ヒューズ・錆 |
年代別 BMW 故障ランキング(1980〜2020年代)
2020年代(G型)
- ADASセンサー故障
- ドアハンドルセンサー
- 48Vバッテリー
2010年代(F型)
- 電動ウォーターポンプ
- オイル漏れ
- タイミングチェーン伸び
2000年代(E型)
- 冷却系
- ブッシュ
- オルタネーター
BMW「モデル別」故障ポイント一覧(3シリーズ / 5シリーズ / Xシリーズ)
3シリーズ(E90/F30/G20)
| 世代 | 弱点 |
|---|---|
| E90 | 電動ファン・レギュレーター・ラジエーター破損・オイル漏れ |
| F30 | N20チェーン伸び・ウォポン・バッテリー寿命短い |
| G20 | ADAS誤作動・48Vバッテリー・センサー類 |
5シリーズ(E60/F10/G30)
| 世代 | 弱点 |
|---|---|
| E60 | 電子制御多く故障増、バッテリー・ATトラブル |
| F10 | ウォポン・インジェクター・エアサス(ツーリング) |
| G30 | ADAS・カメラ曇り・48Vバッテリー |
Xシリーズ(X1/X3/X5など)
| モデル | 弱点 |
|---|---|
| F25 X3 | トランスファー異音・ウォポン |
| G01 X3 | 電装・センサー・アクティブサス警告 |
| F15 X5 | エアサス・ドライブシャフトブーツ裂け |
| G05 X5 | ADAS、バッテリー管理システム |
エンジン型式別「故障ランキング」
B58(直6ターボ)
- 耐久性は非常に高い(故障が少ない)
- 弱点:クーラント漏れ、センサー系
B48(直4ターボ)
- オイルにじみ
- 冷却ラインの劣化
N20(直4ターボ)【要注意】
- タイミングチェーン伸び → 重大故障
- オイル食い
- ウォーターポンプ
N55(直6ターボ)
- インジェクター
- 高圧燃料ポンプ
- ウォーターポンプ
Mモデル(S55/S58/S63など)
- プラグ寿命短め
- 高負荷による冷却系の負担増
- エンジンマウント劣化早い
BMW故障を防ぐ予防整備
- オイル交換は5,000〜7,000kmごとに短縮
- ATFは7〜8万km以内に交換
- 冷却系は10年 or 10万kmで一式交換
- OBD診断を年1回必須
- バッテリーは4年ごとに予防交換
- 寒冷地は防錆施工を定期的に
まとめ:BMWは「弱点を理解すれば」非常に長く乗れる
BMWは電子制御の進化に伴い、世代ごとに弱点が明確です。
しかし、予防整備を行えば20万〜30万km走れる耐久性を持つブランドでもあります。
本記事の「世代別 × モデル別 × エンジン別」の故障データをベースに、あなたが乗っているBMWの弱点を把握し、適切なメンテナンスを行えば、長期維持は十分可能です。

