欧州車を中心に採用されたランフラットタイヤも進化著しく、乗り心地の向上と価格低下が見られます。もうノーマルタイヤ(ラジアルタイヤ)に変更する方は激減し、ランフラットタイヤで選ぶ方が増えています。そこで、ランフラットタイヤの乗り心地比較の観点で解説します。
ランフラットタイヤの価格低下
2010年以前は、ノーマルタイヤとランフラットタイヤの価格差が大きく、乗り心地も硬かったランランフラットのデメリットが目立ち、ノーマルタイヤ交換を推奨するサイトが多く見られました。しかし、2010年以降、ランフラットタイヤの価格低下に伴い、ノーマルタイヤへの変更を推奨する記事が激減しました。
ランフラットタイヤのデメリットが減少
価格面のメリットを主張していたサイトも価格低下に伴い、ノーマルタイヤに変更することのデメリットが目立つようになってしまいました。
- ランフラットとノーマルの価格差が1.3~1.5倍程度に減少
- ランフラットの性能進化で乗り心地も改善
- パンク修理剤やスペアタイヤを積む必要はない
- 本来、ランフラットタイヤ専用の足回りである。
- パンク時、JAFを呼ぶ必要がない。
ランフラットタイヤの乗り心地が向上
過去、10年前では乗り心地の悪さが目立っていたランフラットタイヤも、最新のタイヤではノーマルと変わらない数値をたたき出す銘柄もあります。
スタイリング重視の35,40などのロープロファイル(扁平率)を履くタイヤは、ノーマルタイヤでも乗り心地は悪く、タイヤ自体のたわみによる効果もあまり期待できません。
当然、ランフラットからノーマルへの履き替えでは、乗り心地の向上が期待できます。
しかし、標準設定では、足回りはランフラット専用に設定されていますので、直進性が悪化するなどデメリットが発生します。
最新のランフラットの性能向上、価格低下と合わせて、ノーマルへの履き替えはナンセンスなのです。
BMWタイヤ交換時の注意点とは
ランフラットタイヤの乗り心地が改善した理由
第三世代のタイヤとしては、ブリジストンのS001がお勧めです。
通常のノーマルタイヤに比べて95%並みに乗り心地が改善し、静粛性向上にも寄与しています。
- ゴム内部のカーボン粒子を適切に配置して摩擦熱を軽減
- サイドウォール部分にクーリングフィンの突起付与し発熱量を軽減
改善箇所 | 具体的な機能 |
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タイヤ脱落限界向上 | 旋回時の荷重移動量より車両のアウト側負荷が大きいことからタイヤのアウト側にダブルビード構造を採用 |
乗心地向上のために | 一般にサイド補強型はタイヤ脱落限界向上、パンク時の耐久力を両立させるためにサイド補強ゴムとして硬めの設定から、新ランフラットは耐久力にだけ注力すれば良いため、柔らかい配合が可能となった |
パンク時の耐久力向上のために | 柔らかいが発熱の低い配合(ソフトサイドサポーター)を開発して乗心地との両立を実現 |
コンチネンタルのスポーツコンタクトもタイヤ形状から段差越えなどでの改善が見られます。
当然、ノーマルに比べればタイヤサイドの剛性が全く異なりますのでタイヤ自体のショック吸収性は比べるまでもありません。
もし乗り心地を優先するのであれば、19インチから18インチへのダウンも効果的です。
ランフラットの乗り心地比較ランキング
乗り心地の比較のランキングとして、参考までに下記の順番を提示します。
あくまでネット上の意見を集約したものです。予算と相談の上でショップに相談してみましょう。
試乗などでフィーリングが確認できるかもしれません。
お勧めタイヤランキング(乗り心地)
- ブリジストン ポテンザS001
- コンチネンタル スポーツコンタクト5
- ダンロップ スポーツマックスGT
- ミシュラン パイロットスポーツ4
- ブリジストン トランザER300
- ピレリ P-ZERO
- ピレリ チントゥラートP7
- ヨコハマ アドバンスポーツ
- ブリジストン ポテンザS050
新車、中古車購入後、次のタイヤ選定
ディーラーで推奨するタイヤに交換するのが、手間が省けます。
車検や点検時、タイヤの残溝数からタイヤ交換を推奨されますので、一緒に交換してしまう方法です。ただし、ディーラーでは交換工賃、タイヤ代が割高ですので、近所のタイヤショップの交換が安上がりです。
ランフラットユーザーにお勧めの推奨タイヤ
複数のブランド、銘柄の中から厳選したタイヤを紹介します。
コンチネンタル Premium Contact 6
スポーティコンフォートタイヤのPremium Contact 6が、ドイツの有力自動車専門雑誌『AutoBild』(アウトビルト)のサマータイヤ性能テストにおいて、「最優秀」と評価。
同誌のタイヤテストは世界最大規模で、ジャーナリストによる評価は主要タイヤメーカーの50製品を対象に行われた。
テスト車両のBMW『5シリーズ』装着されたタイヤサイズは245/45R18 100 Yで、ミッドレンジモデル以上のさまざまな車種に幅広く採用されている。
同誌のジャーナリストによる評価が実施され、50製品中の上位20製品が最終選考に選ばれ、
評価項目として、ウェット路とドライ路での12のテスト項目に加え、転がり抵抗と走行距離について評価が行われています。
コンチネンタル ContiProContact
BMW承認のオールラウンドタイヤとして、オールシーズンの性能を確保しつつ、スターマークのランフラット性能を保持しています。
タイヤサイズは、195/55R16~245/45R18までラインナップ。1シリーズから6シリーズまでのサイズに対応しています。
- 年に数度、雪の降る都市部にお住いの方。
- 初雪時のタイヤ交換が混雑する降雪地の方。
- 季節ごとのタイヤ交換が面倒な方。
- 雪がすぐにシャーベット状になる地域の方。
- 悪路走破性の高い四輪駆動車両にお乗りの方。
- オールシーズンの性能を確保するため、サマータイヤやスタッドレスタイヤと比べればグリップ力が劣ります。
- 凍結が多い道路状況では、スタッドレスやチェーンが必要です。
- 道路規制により、別途チェーンが必要です。
BMW承認ランフラットタイヤの概要
BMWの各モデルに合わせて専用開発され、厳格な性能基準をすべて満たしたランフラットタイヤには、★(スターマーク)付いています。
スターマーク付きタイヤは、承認タイヤとして一般市場でもディーラーでも購入可能です。
現在、一部Mモデルを除き、BMWは、ランフラットタイヤ標準装備となっています。従来のノーマルラジアルタイヤとの比較、メリットデメリットは下記に整理しています。
ランフラットタイヤとノーマルタイヤの比較
ランフラットタイヤ銘柄の新製品
横浜ゴム:アドバン・スポーツV105
ハイパワープレミアムカー向け承認タイヤ
2018年7月:X4新車標準
2018年3月:M5新車標準