2024年以降、クリーンディーゼル車の優遇税率が減少しています。今こそ、ガソリン車のラインナップ拡充を希望します。
クリーンディーゼル車(CDV:Clean Diesel Vehicle)とは
従来のディーゼル車に比べて排出ガスに含まれている窒素酸化物(NOx)などを低減した高い環境性能を持つディーゼル車を指します。
クリーンディーゼル車は、2023年12月31日までに新規登録すればエコカー減税の対象でした。
2024年1月1日以降は、ガソリン車と同様に燃費性能に応じて免税・軽減率となります。
旧クリーンディーゼル車の税制優遇措置(2023年12月末まで)
税金種類 | 2023基準達成車の優遇措置 |
---|---|
自動車税(環境性能割) | ・60%以上達成車は非課税 |
自動車税(種別割) |
|
自動車重量税 |
|
上記の大幅な減税措置が見直しされ、2024年以降の税率メリットが減少してしまいました。(以降に解説します)
クリーンディーゼル車のメリット
燃料代が安い(軽油)
軽油はガソリンに比べて、価格単価が安いのは、ご承知の通りです。財布に優しいディーゼル車です。
燃費が良い
ガソリン車に比べて、燃費性能が良く燃費としては、1割から2割良い数値をマークします。
特に長距離走行では、その差が拡大する傾向となります。
環境性能が良い(CO2排出量が少ない)
温暖化の要因となっているCO2は、ガソリン車よりも少ないのがディーゼル車です。
旧ディーゼル車と比較して、排出ガスに含まれている窒素酸化物(NOx)なども一層低減しています。
ただし、ディーゼルの粒子状物質(PM) ディーゼルでは黒煙が排出されることが知られていますが、こうした黒煙など排出ガス中に含まれる固体や液体成分(あらゆる微粒子)を総称して「粒子状物質」( Particulate Matter 「PM」 )がガソリン車よりも多い状況です。
低速トルクが充実
ガソリン車に比べ、低い回転数で最大トルクを発揮し、加速性能も優れており、高速道路でもアクセルを強く踏み込む必要がなく、疲れない走りが可能です。
ディーゼル車のデメリット
以下の点を嫌うユーザーも一定数存在するため、ディーゼルしか選べないモデルは、ユーザーの選択肢を狭めてしまっているのです。
- 環境性能(クリーンディーゼル化)の補器類が多くなり、価格がやや高い
- 部品点数が増えることの故障リスク
- ディーゼル車に特有の煤が溜まる問題
- 音や振動が多い
- 今後、ディーゼル車人気が下降した場合、中古車人気も低下し、下取り価格にも影響を与える可能性
少なくとも、6気筒モデルでガソリン車を用意するよりも、4気筒ガソリン車が欲しいユーザー数の方が多いのではないでしょうか。
2024年以降、ディーゼル車・税制優遇措置
2024年1月1日からのクリーンディーゼル車の税制優遇措置の内容が変更されました。
変更内容は、以下の通りです。
クリーンディーゼル車の環境性能割の税率
2024年1月1日から2025年3月31日までに取得した場合となっており、2025年度以降は、変更されることが見込まれます。
2030年度燃費基準 | 税率 |
---|---|
85%達成 | 非課税 |
80%達成 | 1% |
70%達成 | 2% |
上記以外 | 3% |
クリーンディーゼル車の自動車重量税の税率
2024年1月1日~2025年4月30日に取得した場合となっており、2025年度5月以降は、変更されることが見込まれます。
2030年度燃費基準 | 税率 |
---|---|
120%達成 | 免税 |
90%達成 | 免税 |
80%達成 | 50%軽減 |
70%達成 | 25%軽減 |
BMWはディーゼル車だらけになってしまった現在
エコカー減税の大幅なメリットとクリーンディーゼルの性能面のメリットを全面に押し出し、ディーゼル車に強いメーカーとしてブランディングを構築してきました。
しかし、2024年以降、エコカー減税メリットが減少してしまいました。
エントリーモデルでディーゼル車のみ設定
- X3
- 5シリーズツーリング
エントリーモデルで、ガソリン車が未設定
結果、ガソリン車が欲しいユーザーは、6気筒モデルなどの上級モデルを無理して買うか、他メーカーに流れてしまうのです。
多売モデルでありながら、エントリーガソリン車が設定されておらず、ユーザーの選択肢を狭めています。
同様に、メルセデスGLCなど、ガソリン車未設定のモデルもあり、空白地帯となっています。
いまこそ、ガソリン車のラインナップを見直しする時期ではないでしょうか。