BMW X4(G02型)の次期モデルとなるG46型の発売計画が中止となった背景、X2のサイズや価格との関係性を解説します。
BMW X4シリーズの概要
X3のSUVセダンのクーペモデルとなるのがX4です。
弟分のX2、兄貴分のX6の中間に位置するSUVクーペのミドルサイズモデルです。
2代目(2018年-2024年 )開発コード:G02
初代(2014年-2018年 )開発コード:F26
X4廃止として語られている理由の真意
X3については、G45型が登場していますが、BMW X4は、G02型で次期モデルの登場は無いことが確定しています。
今後の電動化によるモデル整理
2025年以降、内燃エンジンモデルの統廃合が予定されています。
そのロードマップの中で内燃エンジン専用モデルのX4が廃止対象になったということです。
北米では依然としてX4が売れている
2024年分は6月までの集計ですが、前年度並みの実績であり、主力の北米市場向けとしては、販売は先代モデルのF26よりも好調であることが読み取れます。
よって、先代よりも販売は好調だが、戦略的に販売を中止する判断を行ったという解釈が正しいでしょう。
X4の廃止理由3点
主に海外自動車サイトにおいて、X4の廃止理由として3点記載されています。
- 新型X2のボディサイズが大きくなり、X4と競合する
- 新型X2の価格帯がアップしたため、X4と競合する
- 上記により、X2とX4が競合するために、従来のX4ユーザーはX6へ移行させたい
海外のBMW専門ニュースサイトにはゴシップ記事も多いため、次項で妥当性を整理しました。
X2とボディサイズが競合するのか
先代と比べて、新X2は、一回り大型化しているというものの、X1に比べて50mm大きいだけのサイズに留まっており、以前としてX1/X2のコンパクトSUVなセグメントにあります。
サイズ・モデル | X2先代F39 | X2現行U10 | X4現行G02 |
全長 | 4375mm | 4555mm | 4760mm |
全幅 | 1825mm | 1845mm | 1940mm |
全高 | 1535mm | 1575mm | 1620mm |
ホイールベース | 2670mm | 2692mm | 2865mm |
X2とX4のボディサイズは全く競合しない
日本の道路事情にマッチするX1・X2と比べて、明らかに巨大であり、全幅は1900mmを超える立体駐車場に入らないサイズです。
X2が大型化したと言っても、X1セグメント内に収まっており、X3/X4セグメントの領域には全く入っていません。
よって、X2とボディサイズ競合というような海外サイトのコメントは全く相応しくないと言えます。
X2と価格帯が競合するのか
X2は、新型登場により価格アップとなっています。
円安や装備差、エンジン差異などもあり厳密な比較は難しいところですが、順当な価格改定の範囲と考えられえます。
一方、X2とX4では明確なグレード間格差があり、簡単に上級車へ移行できるほどの価格差ではありません。
X2とX4の価格は全く競合しない
ここにはモデル・グレード感の明確な販売戦略の差があります。
価格・モデル | X2先代F39 | X2現行U10 | X4現行G02 |
価格20i/d xdrive Msport | 598万円(20d) | 628万円(20i) | 862万(20d) |
よって、X2と価格競合というような海外サイトのコメントは全く相応しくないと言えます。
X4ユーザーはX6に移行するのか
X3とX5のユーザー層が全く異なるように、X4とX6には見えない壁が存在します。
- 最上級SUVの価格帯
- 2m超えのビッグサイズなラージSUV
ただ、X4ユーザーは、スペシャリティ感やデザインを重視する層です。
より、X6を受け入れやすい層ですが、単純移行出来るほどのサイズや価格差ではないでしょう。
販売現場としても簡単にX4からX6を薦められるような車両でもないでしょう。
BMW X4の次期モデルG46型の発売中止の裏側:まとめ
- 電動化戦略の流れで、内燃モデルの整理を進めた経営戦略の中で、X4は廃止対象とされた。
- 北米ではX4の販売は好調であり、ニッチマーケットとしてのニーズは依然としてある。
- よって、販売低迷によるX4廃止判断ではない
- X2とはサイズ的な競合はない(ユーザー層は競合しない)
- X2と価格的な競合はない(ユーザー層は競合しない)
- X6への移行は有り得ない(ユーザー層は競合しない)
以上が、現行X4モデルの販売状況および、最新X2、X6モデルとの関係性を整理し、X4廃止に至る「まとめ」とします。