スープラのウインカーレバーが逆(左)の理由

Zシリーズ

新型トヨタスープラ(A90型)のウインカーレバーは左側についており、日本車とは逆です。BMW Z4は、他のBMW同様にウィンカーレバーは逆ですが、日本車は、ウインカーレバーが右の流れを変えるのでしょうか。なぜ、左ウインカーで逆なのか、その理由を探ります。

BMWを含む輸入車は左ウインカーが基本

国産とBMWの二刀流使いの方にとって、ウインカーを出そうとしてワイパーを動かしてしまう、ミスをした方も多いのではないでしょうか。せめて右ハンドルであるならば、ウインカーレバーを右側に統一してほしいのですが、それは無理なのでしょうか?

欧米の車が右ハンドル車を作ることが出来るのに、ウインカーレバーは左にあるのはなぜなのでしょうか?

人間工学的にはシフトレバーの反対側にウインカーがあるべき

運転者が自動車を操作するとき、シフトレバーと同列にウインカーレバーがあることは操作上、不都合です。MTの場合、左手でMTを操作しつつ、同じ左手でウィンカーレバーを操作するのは無理があります。
そのためシフトレバーとは、反対側にウインカーレバーがあるべきで、操作的にも人間工学的にも、走行時の安全性を考えれば当たり前といえます。

そのような仕組みは、マンマシンのインターフェースを考えれば、おのずと答えは出てくるのですが、各国の車は左ウインカーなのでしょうか?

世界的にはISO規格で左ウインカーが仕様

EUを含む欧米では、左ハンドル圏であり、左ハンドルと左ウインカーが主流です。世界の自動車生産の大半が左ハンドルといっても良い状況です。これは、工業製品としてみると右ハンドル仕様を作ることは、コスト面での無駄でもあり、力関係としてもISO規格(ISO国際標準化機構)として左に決まったのでしょう。

人口的にも左ハンドル圏のユーザーが、右ウインカーで間違えないため、人間工学的な合理性よりも左ハンドル圏ルールに片寄せしたことを意味しています。

右ハンドル圏は異議を唱えなかったのか?

本来、ハンドル位置とウインカーは人間工学的にも同じであるべきです。
右ハンドル圏の国々は、その存在異議を訴えるべきだったのですが、規格は左になってしまいました。これは明らかな日本を含む右ハンドル圏の努力不足といえます。

ISO規格(ISO国際標準化機構)が策定される前の英国では、BMWに買収される前のMINIが生産されていました。これは、右ウインカーレバーでした。
しかし、英国の自動車産業の衰退、世界的な影響力の低下とEU加盟により、力と数の関係でもISO規格(ISO国際標準化機構)としての左ハンドル左ウインカー仕様に決まってしまったようです。

英国ではISO規格策定の1980年頃の生産より、右ハンドル車にも拘わらず左ウインカー仕様に片寄せしていきます。これは、国のルールとしても苦渋の決断であったとは思います。ユーザー側から見れば、一時的な混乱は避けられないものの、ISO規格のルールに乗ることは良い決断だったのかもしれません。

一方、日本車もイギリスの法規や車をベースとしていますので、右ウインカー仕様となっています。皆さんの教習車も基本的に日本車を使用しているので、右ハンドル右ウインカーのユーザーが大半のはずです。

日本車は、ISO規格策定時として世界のマーケット向けには左ハンドル左ウインカーを作っており、片寄ルールは全く困らなかったのです。そのために異議を唱えなかったのでしょう。

日本向けには、一定のマーケットが存在しており、JIS規格として右ハンドル右ウインカーが存在します。日本メーカーだけが日本仕様と海外仕様を作り分けるという二重コストを払う状況となっているのです。日本はガラパゴス市場ですが、日本メーカーにとって一定の市場規模が存在し、日本向けの専用仕様も存在するため大きく無駄なコストではないかもしれません。世界市場向けの生産台数が多い点でも、ガラケー携帯とは意味が異なります。

委託生産が理由ではない

トヨタ スープラ A90のウインカーレバーが右ハンドの日本車なのに左側にある理由

これは別にBMWと共同開発された車であるのがその理由ではありません。

トヨタ スープラ A90のウインカーレバーが右ハンドルでも左側にある理由は生産が日本ではなくオーストリアのマグナ社に委託生産しているからです。

オーストラリアの工場ではおそらくBMW Z4 G29とトヨタ スープラ A90は混合生産されると思われますので、できるだけ部品を共通化して生産コストを下げる狙いがあると思われます。

トヨタ仕様としてスープラを委託生産しており、右ハンドルの運転席部品は全て右用なのに、「ウインカーだけ左側として、生産コストを下げる」など、全く理由になっていません。

  • オーストリアのマグナ社に委託生産が、その理由では無い
  • 全体の右ハンドル化の中で、ウインカーのコスト割合など、微々たるもの

米国生産のキャバリエに出来たのですから、マグナに委託するのも可能であり、レクサスやトヨタ部品を流用すればコストも軽減できるでしょう。


スープラも右と左ハンドル車を用意し、インパネ、ステアリングの取り回しなど左右別々に用意する部品は多数あります。
ウインカーは電気的なパーツですので、別々に用意するコストや手間は、上記に比べれば微々たるものです。委託するから共通化したとする解釈は有り得ません。

トヨタキャバリエは右ウインカーレバー

キャバリエ(英:Cavalier)は、トヨタ自動車で1996年から2000年にかけて販売された、Dセグメント(1996年 – 2000年当時)に属していた4ドアセダンです。
当時の自動車の輸出過多による貿易摩擦の緩和を図るべく、すでに1995年に販売されていたシボレー・キャバリエをベースに日本市場向けに投入しました。
右ハンドル化や右ウインカーレバー化といった米国車ベースの仕様変更を行っていたのです。販売の結果は、芳しくありませんでした。

スープラの左ウインカーレバーの意味

スープラはBMWZ4ベースであるため、BMWの右ハンドル車と同じになってしました。トヨタキャバリエのように右ウインカーレバーとするべきでしょう。
しかし、今回は現在の欧州車に合わせてしまった感があります。

今後、海外製の日本車はISO規格に合わせた手抜きが行われる可能性もあります。これは、2000年以前の日本市場に比べてマーケットシェアがガラパゴスになってきた流れでもあります。

少子高齢化が進み、日本のマーケットが小さくなっていくことが予想されます。
本来、人間工学的にISO規格を改正するのが当たり前の流れですが、そのような動きとはなり得ない状況です。トヨタ自体がISO規格に歩み寄った中で、今後もこの流れを踏襲した海外生産モデルが増えていく事が予想されます。

まとめ

トヨタとBMWの共同開発で生まれたスープラですが、中身は、ほぼBMW製です。トヨタ整備工場で整備化とするように、BMWのコンピュータ言語はトヨタ言語に変換され、トヨタ整備システムに接続して一律管理できるようになっています。

世界のトヨタ整備工場向けに日本語化を実施したのに、ユーザー向けインターフェースは、外車のままとは、いささか乱暴でしょう。あくまでスープラをトヨタ車(日本車)として購入するユーザーの混乱を招きます。当サイトは、BMWユーザーが対象ですから、スープラを購入するのも何ら問題はありませんが。

左ウインカーのまま導入するのは、コストダウンのためとするのは、理由として無理が有るでしょう。右ハンドル圏がガラパゴス化し、スポーツカー市場も縮小しているという事です。若干の問題はあるものの、トヨタスープラ復活は歓迎したいと思います。

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