BMWの5代目7シリーズとして、F01セダン F02ロングホイールベース F03ハイセキュリティモデル F04アクティブハイブリッド7の歴史やスペックを整理しました。740i 740Li 750Li 760Liのグレードがあります。
BMW F01 F02の概要
BMWのフラッグシップモデルとして、7シリーズの5代目となるF01型セダン、F02型ロングホイールベースモデルです。
先代4代目7シリーズ(E65型)に比べると、斬新さや目新しさよりも保守的なデザインにシフトしたデザインとなっています。ただ、L字型レッドテールなど、細かい部分では、当時の最新BMWのデザイントレンドを取り込んでいます。
内装では10.2インチに大型化されたセンターモニターが目を引きます。エンジンは740iが3Lツインターボ、750iが4.4Lツインターボと排気量ダウンとターボ化によるダウンサイジングターボの流れに乗り、省燃費とパワーの両立を図っています。
新開発のダイナミックドライブコントロールにより、軽快かつダイレクトな走りを行なうことが出来ます。形式F01となった7シリーズは、BMWが提唱するエフィシェントダイナミクスをリードするモデルです。F02型のロングロイールベース車となります。
F03型のハイセキュリティモデル(2023広島サミットのG7送迎車されたモデル)とF04型のアクティブハイブリッドモデルが追加となっています。
後期マイナーチェンジにより、6ATから8AT化され燃費や動力性能も向上しています。
今となっては、一般化した安全装備もこのF01型から標準装備化されています。
- レーン・ディパーチャー・ウォーニング
- BMWナイトビジョン
- ドライビング・アシスト
- 歩行者検知機能付衝突回避・被害軽減ブレーキ
- 車載通信モジュールを利用したBMW SOSコールとBMWテレサービス
7シリーズ(F01)ボディサイズ
- F01ノーマル/F02ロング
- 全長、全幅、全高:5072×1902×1479mm/5212×1902×1479mm
- ホイールベース:3070mm/3210mm
前期と後期の違い、差異とは
F01/02型におけるマイナー前(前期)マイナー後(後期)との違いを解説します。
- ヘッドライトのイカリングの形状:前期は円、後期は下部が半円となり一目瞭然の違い
- ヘッドライト内の反射板:前期は全てブラックアウト、後期には反射板が付く
- フロントバンパー:後期はアンダーグリルのメッキ飾りが増加
- フロントグリル:形状変更なし
- ドアミラー:後期でウインカー内包タイプへ変更
- リアバンパー:後期はアンダーグリルのメッキ飾りが増加
- 運転席のメーター:後期は全面液晶パネル化
- センターモニター:画面の両サイドにメッキ飾りが追加
- アイドリングストップボタン:前期なし、後期から追加
- Bピラーに間接照明:前期なし、後期から追加
- リモコンキーのデザインが前期後期で微妙に形状の違いあり
BMW F01 F02の歴史
2023年広島サミットでG7首脳陣の送迎車に使用:2023/5
G7首脳の送迎車として政府が用意したBMW車(成田ナンバー)であり、2010年のAPECでも活躍しています。日本車としてVIP警護を特化した防弾車両が用意できず、これらはBMWやメルセデスの独壇場となっています。当時のAPEC開催時に貸し出したモデルが今回も利用されており、やや古さを隠せませんが、BMWのイメージアップには繋がったでしょう。日本では装甲車と呼ばす、防弾車と呼ぶようです。
BMW 760Li High Securityモデル
- 760Liをベースに特殊鋼製の装甲、各種防弾仕様に改造。
- 厚さ約6cmのセキュリティ・ガラス
- 防弾性能ガイドライン認証「BRV 2009」取得(世界初)
VIPの対象者
- ドイツのショルツ首相
- シャルル・ミシェル欧州理事会常任議長(EU大統領)
- 欧州連合(EU)ウルズラ・フォンデアライエン欧州委員長
- 英国のスナク首相
- イタリアのメローニ首相
- フランスのマクロン大統領
- カナダのトルドー首相
7シリーズ 第6代目(BMW G11 G12型)へ:2015/10
7シリーズ 第6代目(BMW G11 G12型)へバトンタッチ
740i エグゼクティブ・エディション限定車:2014/11/19
- 740iの標準車をベースに快適な特別装備を追加。
- BMWヘッドアップディスプレイ
- トップビュー+サイドビューカメラ
- パーキングアシスト、パーキングサポートパッケージ
- ダコタレザーシート、アッシュグレインアンソラジット ウッドインテリアトリム
- フロントコンフォートシート、ベンチレーションシート
- 4ゾーンオートマチックエアコンディショナーのコンフォートパッケージ
- エクステリア:19インチ・マルチスポークスタイリング235アロイホイール
- 110台の限定車で、価格1130万円
アクティブハイブリッド7に特別限定車:2014/10/6
アクティブハイブリッド7に特別限定車インディビジュアルエディション
- アクティブハイブリッド7 エグゼクティブをベースボディ
- インディビデュアル・メリノレザーインテリア
- インディビデュアル・インテリアトリム
- 内装と同色のアルカンターラルーフライニング
- iDriveコントローラー、ATレバーにセラミック素材
- インディビデュアル・ボディカラー(シトリン・ブラック)
- 20インチ ダブルスポークスタイリングホイール
- 20台の限定車で、価格1310万円
コネクテッド・ドライブ・プレミアム全車標準:2014/08/26
- オペレーターのサポートや遠隔操作システムのコネクテッド・ドライブ・プレミアム標準。
- レーン・チェンジ・ウォーニング
- ETC:ITSスポット(DSRC)対応機能
- ナビのダイナミックルートガイダンスの精度向上。
- ドライビング・アシスト・プラス、アダプティブLEDヘッドライト標準(740系)
- エクスクルーシブ・ナッパ・レザー・インテリア、harman/kardonサラウンドサウンドシステム、リヤ・エンターテインメント・システム標準(750系)
- アクティブハイブリッド7 エグゼクティブをモデル追加
- アクティブハイブリッド7 L エグゼクティブをモデル追加。
- 740i:1058万円~、740iL:1130万円~、750i:1402万円~、アクティブハイブリッド7 エグゼクティブ:1234万円~
限定車「740i Exclusive Sport」発売:2013/09
- 20インチMライトアロイホイール(ダブルスポークスタイリング303M)
- アダプティブLED ヘッドライト
- Mエアロダイナミクスパッケージ
- バリックレッドのダコタレザーシート、Individualピアノブラックトリム
- ドライビングアシストプラス
- レーン・チェンジ・ウォーニング
- BMW ヘッドアップ・ディスプレイ
各種専用装備を備えた限定30台:1280万円
限定モデル V12 Biターボ・デビュー:2013/05
価格は2260万円。
V型12気筒ツインターボチャージャーを搭載したエンジンでBiターボを名乗る。
最高出力544ps、最大トルク750Nm。
M社の外観と内装の専用装備。Mエアロダイナミクスパッケージに加え、
Vスポークスタイリング463(21のアルミホイール)を履く。
限定モデル V12 Biターボ・デビュー:2013/05
価格は2260万円。
V型12気筒ツインターボチャージャーを搭載したエンジンでBiターボを名乗る。
最高出力544ps、最大トルク750Nm。
M社の外観と内装の専用装備。Mエアロダイナミクスパッケージに加え、
Vスポークスタイリング463(21のアルミホイール)を履く。
BMWクラブ・コンシェルジュのサービス提供:2012/11
7シリーズの購入得点としてクラブコンシェルジェのサービスを提供開始。
ゴルフ、ホテル、レストランなど各種プレミアムな優待プログラムのサービスが受けられる。
フェイスリフト(マイナーチェンジ)日本実施:2012/09/26
上下がスクエアなLEDヘッドライト、バンパー下部のクローム処理
センターモニターとは別にマルチディスプレイメーターパネル(10.25インチ)を装備。
直列6気筒とV型8気筒ターボは、2012タイプのECOPROモードに対応。ツインパワーターボと8ATにより、大幅な燃費向上を達成。
ActiveHybrid 7/7Lモデルは、右ハンを追加。エンジンもV8から直6によるダウンサイジングにより、14.2km/L(JC08)の燃費を達成。
- 740i:1022万円
- 740Li:1092万円
- 750i:1297万円
- 750Li:1437万円
- 760Li:1958万円
- ActiveHybrid 7:1198万円
- ActiveHybrid 7 L:1338万円
ビッグマイナーチェンジ実施:2012/08/29
(フェイスリフト/LCI)ライトのLED化、バンパー、グリル変更。
シート形状変更。運転席の多機能ディスプレイ。
8AT/ECO-PROモードの適用モデル拡大による燃費向上を達成。
730d xDrive、740Li xDrive、760Liをリリース。
モスクワモーターショー12でデビュー
アクティブハイブリッド7がダウンサイジング:2012/05/25
エンジンは、V8から直列6気筒ツインスクロールターボ(320ps)+モーター(55ps)により、トータル出力354psを発生。
0‐100km/h5.7秒で加速する。
8ATとハイブリッドシステムにより、740i比で14%の燃費アップ。
マイナーチェンジを実施(ドイツ本国):2012/05/25
外観の変更点
FRバンパー、LEDヘッドライト・テールランプ、キドニーグリル
内装の変更点
新形状シート、多機能表示メーター
エンジン:全車8AT、ECOPROモード搭載による燃費の向上。
トリプルターボディーゼルの750d xDrive登場:2012/05/25
直列6気筒トリプルターボディーゼルエンジンは、381ps/75.5kgmを誇る。
強力なトルクパワーと4WDにより、0-100km4.9秒で加速する。
日本導入予定無し。
アクティブハイブリッド7にMスポーツPKG設定:2011/10
Mエアロダイナミクスパッケージ、19インチMライトホイール、Individualハイグロスシャドーライン、スポーツシート、マルチファンクションMスポーツレザーステアリング(+25万円)
アルピナB7 BiTurbo Allradデビュー:2010/12
ビターボ・アルラットと読む4輪駆動モデルがデビュー
4WDの4.4リッターV8ツインターボエンジンは、アルピナマジックによるチューニングで520ps、72.9kgmへパワーアップする。
車重2130kg、0-100km/h加速4.8秒、最高速270km/h(リミッター)
2011夏の日本発売。価格2045万円
サミットエディション:2010/11
APEC首脳会議への提供記念したモデル。限定20台。1098万円
740iをベースとしてコンフォートパッケージ
・ボディカラー:ソフィスト・グレー・ブリリアント・エフェクト
・シートカラー:オイスター
APECへ警護車760Li提供:2010/11
APEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議が横浜で開催され、各国首脳の輸送車として、外務省へ20台の760Li防弾車仕様を提供。
BMW 760Li High Securityモデル
・ボディカラー:ソフィスト・グレー・ブリリアント・エフェクト
・シートカラー:オイスター
・760Liをベースに特殊鋼製の装甲、各種防弾仕様に改造。
・厚さ約6cmのセキュリティ・ガラス
・防弾性能ガイドライン認証「BRV 2009」取得(世界初)
アニバーサリーエディション:2010/05
専用カラー「ミネラル・ホワイト」、21インチアルミ、サンプロテクションガラス
幅広キドニーグリル、電動ガラスサンルーフ、プラスパッケージ標準装備
ハイブリッド「BMW ActiveHybrid7」発売:2009/12
「V8 4.4L + 電気モーター」価格1280万円。ロングの「セブンL」は1405万円。
M Sports パッケージ追加:2009/10
- Mエアロダイナミクス・パッケージ、19インチ Mライト・アロイホイール、スポーツシート等をプラス。
ダイナミック・ドライブ(アクティブ・シャシー・コントロール)装備する。
M Sports パッケージオプション価格
・740i/750i:900,000円
・750Li:800,000円
・760Li:250,000円(ダイナミック・ドライブがベースグレードに標準)
アルピナB7 ビターボデビュー:2009/07
FRの4.4リッターV8ツインターボエンジンは、アルピナマジックによるチューニングで520ps、72.9kgmへパワーアップする。
760Liデビュー:2009/07
- 6リッターV型12気筒ツインターボは、544PS/5250rpm、750Nm/1500-5000rpm。
ボディサイズは、他のLiロングホイールベースと同様。車重は2250kg
BMW初の8速オートマチック・トランスミッションを搭載。1920万円。
740Liデビュー:2009/07
- 740i比で、全長140mmプラス、ロングホイールベースの740Liがデビュー。より後席重視となりエアサスペンションとなる。1080万円。
xドライブ(4WDモデル日本導入予定)デビュー:2009/06
- 750i、750Li の4WDモデルがデビュー
740d(ディーゼルモデル日本導入予定無し)デビュー:2009/06
- 直噴3.0リットル直6ツインターボディーゼル(306ps/61.2kgm/0-100km:6.3sec)
Mスポーツパッケージがデビュー:2009/06
- エアロダイナミクスパッケージが標準装備
- スポーツサスペンション、専用19インチホイール、前後異径タイヤ
- クロームメッキがポイントの専用バンパーを前後に装備、シャドーライン
- Mサイドシル、ステアリング、アルミインテリアパネル、レザースポーツシートなどM専用のアイテム満載。
7シリーズ 第5代目(F01 F02) 日本デリバリー開始:2009/03
- 740i(右・左)/10,100,000
- 740Li(右)/10,800,000
- 750i(右・左)/12,000,000
- 750Li(右・左)/13,300,000
7シリーズ 第5代目(F01 F02) が海外デビュー:2008/10
クリスバングル氏デザインの先代7シリーズ 第4代目(BMW E65型)
モデルの後期モデルの面影を残しつつ、アドリアン・ファン・ホーイドンク氏による F01/7シリーズのスタイリングが今後のBMWデザイントレンド・イメージリーダーとなる。
BMW F01 F02 スペック(諸元)
F01スペック(740i/750Li) | |
全長、全幅、全高 | 5072×1902×1479mm/5212×1902×1479mm |
ホイールベース | 3070mm/3210mm |
最小回転半径 | 5.5m |
トレッド | F1611/R1650 |
車両重量kg | 1980:740i 2030:740Li 2040:750i 2190:750Li |
エンジン | 直6-DOHC24Vツインターボ/V型8気筒DOHC32Vツインターボ |
総排気量 | 2979/4395 |
最大出力 | 326ps/5800rpm 407ps/5500-6400rpm |
最大トルク | 45.9kg・m/1500-4500rpm 61.2kg・m/1750-4500rpm |
内径×行程/圧縮比 | 10.2/10.0 |
燃料タンク | – |
操舵装置 | ラック&ピニオンパワー(車速感応式) |
トランスミッション | 6AT(ステップトロニック) |
サスペンション | Fダブルジョイントストラット、Rインテグラルマルチアーム/ Fダブルジョイントストラット、Rエアサス |
ブレーキ | F/Rベンチレーテッドディスク |
アルミ/タイヤ | 245-50R18/8J |
10・15モード燃費 | 7.8km/L |
装備 | |
|
BMW F01 F02 レビュー
先代より60mmのホイールベース延長され、安定性の増した走行フィールとなる。ダウンサイジングの流れを汲み、直列6気筒の3リッターターボ化された740iは、従来のV8の4リッターよりも低速トルクがアップ。V8NAエンジンのイメージを一新する直6エンジンは7シリーズとして抵抗感があるかもしれませんが、実際はトルクアップしたエンジンにより、走りも機敏になっています。
E65の先代がセンセーショナルなデザインであったのに対して、F01はかなり保守的なデザインとなりデザイン的な冒険は見られません。エクステリアやインテリアの操作系にしても一般的な造型に戻り、奇抜な先進性・革新性が無くなってしまったと感じるE65オーナーもいるでしょう。
それだけE65が奇抜な特徴を兼ね備えていたとも言え、その特徴は他メーカーのデザインの方向性にも大きな影響を与えたようです。E65の流れを受けつつ、スタンダードな形に改良が加えられた結果、新デザインとしてのまとまりを見せています。
750iのV8ターボは圧倒的なパワーを発生し、2トンを超える重量級ボディを軽々と加速させます。下手なスポーツカーよりも速い場面もありますが重量級ボディに派手なコーナリングは禁物です。
F01オーナーのカスタム写真
Matsunoyuさん(茨城県)愛車F02 760Li Msport
完全ノーマル ミネラルホワイト
V12はシューンと滑らかに韋駄天の加速を味わえます
乗り心地は勿論、ハンドリングも素晴らしく超快適なスポーツカーみたいです
Matsunoyuさん(茨城県)愛車F02 750Li
- 購入経緯:E65 750iからの乗り換え
- メンテナンス履歴:燃料フィルター、ポンプ交換
- セールスポイント:スタイルが良い、サイズの割りにハンドルが良く切れる
- 燃費:リッター6キロ
- 悪い点:小回りが利く大きな停車場所が必要
- 愛車との思い出:秋の阿武隈高原を走り回った事
- メッセージ:中古車の価格が下がり、好きな方にはお得
Matsunoyuさん 愛車F02 750Li カシミヤシルバー 2009年
先代750に4年程乗りました。モデルチェンジした新型を当時は、さほどいいとは思いませんでしたが、徐々に好きになり購入に至りました。今ではこのスタイルにぞっこんです。燃費はリッター5キロ位。悪い点はカーナビとオーディオが不調で現在修理中。私はスタイルが気に入れ他はあまり気にしないが、乗り心地、動力性能、操縦性と車両の機能面も不満はない。