「BMWの中古はやめた方がいい」という声を聞きました。
どのようなケースがやめた方が良いのか、具体的にやめた方が良い事例とは。独自の分析に基づく、洞察内容です。
BMW中古はやめたほうが良いという声
外車は壊れる、二度と買わない方が良いのか
都市部では、メルセデスやBMWを見かける機会が増えました。もしかすると国産高級セダンよりも見かける頻度が多い地域も多いことでしょう。すでに、国産高級車から外車へ、安心して乗り換える方が増えた結果です。
もし、故障頻度の多く維持費が掛かり過ぎる、「外車は壊れる」のであれば、ここまで増えることはないでしょう。「二度と買わない」とBMWを敬遠する方は激減し、国産セダンよりもBMWに流れる層が多くなったのが、近年における輸入車の実態です。
専門的な技術が必要なのか
近年のクルマは国産、外車を問わず半導体部品を多用しており、コンピュータ診断機によるチェックが欠かせない作業です。これはBMWに限ったことではないでしょう。
その作業には正規ディーラーや専門工場の設備と経験が必要となりますが、それは国産車にも当てはまります。
ネット上の誤った記事
- カスタマイズされた車が多い
- アフターサービスを受けられない
BMWディーラーの認定中古車では、上記のような対象車はありません。
内外装を見れば、一目瞭然であり、ユーザーがあえて避けることは難しくありません。
未だに語られるイメージを列挙します
- 修理代や部品代が国産の2~3倍は費用がかかる
- 数年で壊れる
- 国産車より寿命が短い
- エンジンやATが壊れれば100万以上
- 車検代が50~60万かかる
- ディーラー認定中古と一般中古車では価格差が50万ある
- 未使用車が中古車の価格を下げている
- 一般店では修理出来ない
- 5年を過ぎると急に壊れだす
やめた方が良いとする声を要約すると上記のケースになると思います。
BMWオーナーの方が見れば都市伝説のようが多く挙げられています。これは事実でしょうか?
2020年代のリアルな実態を解説していきます。
最近のBMWは壊れなくなった
国産車にお乗りの方から見て、外車に対するイメージは壊れやすい。修理代が高いというイメージを持たれていると思います。
BMWの故障率が低くなったのは、新車購入後3年間の点検整備をパッケージ化したメインテナンス・プログラム「BMWサービス・フリーウェイ」を1993年がスタートしてから、品質も高まってきたように思います。以降、オイル交換がロングライフ化されたり、環境への配慮も含めて交換パーツの長寿命化も進んでいます。特に2010年代以降、信頼性がさらに向上したと思います。
新車保証期間中、細かい不具合に遭遇する頻度も少なくなり、都市部で欧州車とすれ違うケースが増えたのは、そのような信頼性向上によるものが大きいです。
BMWインクルーシブの新車保証
現在は、BMWサービスフリーウェイからBMWインクルーシブへと名称も変わりました。
車載部品の電子制御化により、パーツの信頼性だけでなく、耐久性も向上しています。
日本でBMWを見かける機会が多くなった理由
首都圏では、まるでカローラのようにBMWを見かける頻度が多いのではないでしょうか。
これは、国産車からでも気軽に乗り換える対象になってきたことを示しています。
クラウンやマークXの乗換え対象として、3シリーズや5シリーズが選ばれ、次の買替は上位モデルへステップアップという流れです。
「いつかはクラウン」の流れがBMWやベンツでも起きているのです。
中古車は安いというイメージ
BMWの新車は高いというイメージが多い一方で、中古車は安いという方もいます。
中古車は安いというのは、本当でしょうか?
- プレミアムブランドを求める高級車購入層は新車派が多い
- 中古車は、高いと新車に流れるので、高額な中古車は売れない傾向
- 新古車(未使用車)の流入増が中古車価格を下げる要因でしたが、販売方法を改められ未使用車の流通量は激減してました
- それでもSUVは高値安定傾向
これらの意見は、車種毎の人気度に左右される面があり、時期的に大きく下がる局面もあります。新車保証残のある中古車は割高と感じるでしょう。やはりタイミングが全てなのです。
BMWや欧州車全般にも言える傾向でもありますが、人気車種といえども流通量が多い車種は、下がっていきます。新車登場後の経過年数により、お買い得のポイントが変化します。
やめた方がいいBMWの車種とは
やめた方が良い車
- 外車初心者なら6年経過の中古車
- 保証期間なし、現状渡しの中古車
- 10年落ちの低年式車
- 10万キロ超えの多走行車
- 6/7/8/X6/X7/XMシリーズ(新車価格が1千万超え車は維持費も高額)
- カブリオレ、Z4
- ボディカラーが赤、緑、黄色など
旧車上級者にとっては、選ぶ事も楽しみの一つかもしれませんが、外車中古車初心者にとっては、リスクの高い買い物です。
カブリオレはやめた方がよいのか
オープントップの解放感は、なにものにも代え難い魅力がありますが、可動部が多いゆえに故障が発生しやすい可能性もあります。5年以内の低走行、高年式車を選べばリスクも少ないでしょう。
- ハードトップ、ソフトトップ問わず、購入時のこれでもかというぐらいに確認してください。
- シートや内装の劣化も前オーナーの使い方次第で劣化状況に差が出る部分です。
- ソフトトップの場合は、痛みが目立つ部分です。
7シリーズやめた方がよい、とする声が多い理由
一般的に、法人ユーザーでの購入が多く、乗り方が荒かったり、多走行の車種が多いようです。
経費で落とせる維持費も個人所有となれば厳しくなるでしょう。
- 3年、5年の新車保証が切れた時点で中古車として再流通する。
- 新車保証期間切れで、部品としても交換していないケースも多い。
- 部品代や修理代は、5シリーズなど個人ユーザー向けとは異なり、ワンランク上の価格になる
なぜ、7シリーズは、止めた方がよいのか?
新車価格が1000万円を超えるモデルですので、新車を購入可能な方な資金力のある方が購入すべきでしょう。中古車では5年を過ぎれば、300万円台からとなります。
程度の良い低走行車であれば、ノントラブルの可能性も高いG系であっても、2年間で100万円の維持費を払える経済力のある方が購入すべきでしょう。
さらに10年落ちとなれば、100万円を切る中古車も出てきます。
多走行で何らかの不具合を抱えているケースも多くなり、消耗品を全て交換すれば、2年間で100万円の維持費を遥かに超えるケースも出てきます。まさに安物買いの銭失いとならないよう、旧型の7シリーズは、リスクが高いです。
カスタマイズされた車が多いのか?
- ローダウン車が多い
- 社外エアロパーツ装着車が多い
- コンピュータチューン車が多い
趣味性の高い車でもあり、カスタマイズされた車が多い印象もありますが、市場に出回っている車は、ほぼノーマル車で占められています。
一般中古車店では、カスタムカーも並びますので、気に入った改造・チューニング・カスタム内容であれば、お買い得なメリットもあります。一方、気に入らないカスタムはノーマルに戻す対応が必要になり、費用が掛かります。
車検を通せる状態か、純正パーツの保管有無
改造内容により、車検は通りませんので、純正状態に戻す費用が発生します。純正オプションパーツについては、一切問題ありません。
ノーマル車とは異なるカスタムが施され、現状販売となっている場合は、下記に注意しましょう。
- 現状販売:致命的な欠陥(車検に通らないカスタム、故障)が潜んでいるリスクがある
- 車検にそのまま通せるカスタム内容なのか
(過激なローダウンや標準ボディからはみ出たタイヤやエアロなど) - ノーマル・純正に戻せるのか、部品は残っているのか
- それらを戻す費用の確認
- 部品が残っていなければ、部品購入費用、交換工賃など高額な出費を強いられる
エントリーモデルの高年式中古車で相性を確かめる
現在、お乗りの車が国産車であり、外車の中古車に初めて乗換えようと考えている方は、1/2/3シリーズやX1/X2/X3シリーズを選ぶことをお勧めします。
最新モデルはGxx型と呼ばれる型式名となっており、この型の中古車であれば、どのグレードや車種に関わらず、故障という点で心配する必要はありません。(写真:左G20、右F30)
1990年(E3x-E5x)、2000年(E6x-E9x)、2010年(Fxx)とBMWの品質は飛躍的に向上しており、当サイトにおけるBMWオーナーからの故障内容は明らかに低減していると思います。
お勧めは走行7万キロ以内、7年以内の中古車
- BMW中古でのお勧めは、ディーラー認定中古車
- 走行7万キロ以内
- 7年以内の中古車
- 開発モデルコードFxxの後期モデル、Gxx型
この範囲に収まっていれば、やめた方が良いという心配をしなくても、ほぼ大丈夫なほど最近の中古車の故障率は下っていると思います。
BMW中古でやめた方がいい:まとめ
2010年以降、10年超の型遅れ車や10万キロ超の多走行車であっても、整備を正しく実施していれば、買った翌日に壊れるような粗悪車両を掴み、「二度と買わない」とご立腹するケースは少なくなっています。
むしろ3万キロ以内であれば、国産車並みの維持費で乗れるほど、信頼性が向上しています。それが、欧州車が日本でシェアを増やした理由でしょう。
しかし、7年、7万キロレベルであっても、次回のディーラー車検では、30万、50万の修理費用は確実に請求されるケースも多いでしょう。
BMWの中古はやめた方が良いのではなく、30万、50万の維持費は、必要経費であるという認識を持つ事がオーナーの前提条件とも言えます。