最新のデザイン・コンセプト「BMW Vision Neue Klasse(ヴィジョン・ノイエ・クラッセ)」の登場時期、次期モデルの反映、ボディサイズ、スペック(主要諸元)を解説します。
ビジョンノイエクラッセの概要
BMW AG取締役会会長オリバー・ツィプセは、下記の2点を述べています。
- 「BMW Vision Neue Klasseは、電動化、デジタル化、循環性という中核分野における革新能力を結集したものです。」
- 「これにより、常に未来の2歩先を行くことができます。Neue Klasseは2025年にはすでに次の10年のモビリティを路上で実現し、BMWを新しい時代へと導きます。」
先代ノイエクラッセの再来なのか
ノイエクラッセというネーミングから、既存のシリーズモデルには存在しない、新世代の電気自動車として、新しいモデル・シリーズが登場することを意図していると予想します。
BMW i Vision Dee
2023年1月:ビジョンノイエクラッセのコンセプトモデルのさらに原型となるモデル「BMW i Vision Dee」が登場しています。
国際モーターショー「IAA Mobility 2023(ドイツミュンヘン)」で初公開
新しいエクステリア・インテリアデザイン
広々とした車体面とわずかな特徴的なラインによって、クリアなデザイン言語を体現。
BMWキドニー・グリルやサイド・ウィンドウ・グラフィックのホフマイスター・キンクといった象徴的な特徴を際立たせ、デザインにBMWらしさを与えています。
インテリアでは、次世代BMW iDriveにより、現実世界と仮想世界を融合させた独自のデジタル・ユーザー体験が作り出される。
第6世代BMW eDriveテクノロジー
二次原料使用を増やし、資源効率の高い生産、による完全電気駆動により、Neue Klasseのカーボンフット・プリントは車両のライフサイクル全体で削減されている。
ジャパンモビリティショー2023のBMWブース
BMWの新しいデザイントレンド
BMWグループ・デザインの責任者であるエイドリアン・ファン・ホーイドンク
エクステリアが示すデザイン要素は、Neue Klasseの各モデルを特徴付けるものとなっている。
「Neue KlasseのデザインはBMWを代表するものであり、モデルの世代を飛び越えたかのような先進性を備えています。」
BMWキドニー・グリルやダブル・ヘッドライトといったブランドの特徴的なデザイン要素に新たな解釈を加えた点がポイントです。
- 2.5BOXのデザイン
- 力強いホイールアーチ
- 後方に広がる車室
- 前方に大きく傾斜した「シャークノーズ」フロントエンド
- 21インチのエアロダイナミック・ホイール(クラシックなクロススポーク・デザイン)
- 二次原料の比率を増やし、原料の種類を大幅に削減し、適切に改善を加えることで、循環性を高めている。
- 解体コンセプトの改善
- Neue Klasse車両のリサイクルの最適化
次世代BMW iDrive
アナログ式の操作制御の物理ボタン、スイッチは最小限まで削減されています。
人とクルマの対話は、BMW Panoramic Vision、センター・ディスプレイ、ステアリング・ホイールのマルチ・ファンクション・ボタンを通じて行われる。ユーザー体験は、BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントの十分に検証された音声制御によってさらに向上している。このように、次世代BMW iDriveは、BMWブランドの特徴であるドライバー重視の姿勢に現代的な解釈をもたらしている。
BMW Panoramic Vision
情報はドライバーの視線の先に理想的な高さで投影され、初めてフロントガラス全幅に投影されるようになります。
- 従来のBMWヘッドアップ・ディスプレイの上位互換の性能となります。
- iDriveのコントローラは無くなるようです。
- ドライバーと助手席の同乗者のどちらもBMW Panoramic Visionに表示される情報を操作可能
- 共通のユーザー体験
- ドライバーは簡単なジェスチャー操作で、センター・ディスプレイに表示されているコンテンツをBMW Panoramic Visionに移動させることが可能
- アンビエント・ライティングと調和して動作
My Modesを使ってカスタマイズが可能
- センターモニターのMy Modes(ユーザーカスタマイズ画面)の「Sport」では、ダイナミックなドライビングをサポート
- 表示の背景が一部黄色に設定
- 車両の電子・電気システムおよびBMWクラウドからのデータによるインフォテインメントが統合
インテリアデザイン
- 明るい色のインスツルメント・パネル
- 上下が平らになったステアリング・ホイール
- 平行四辺形の外形をしたマトリクス・バックライト付きセンター・ディスプレイ
- センターコンソールには、スマートフォンの充電クレードル
- ガラス仕上げセレクターレバーのスペース
- フロント・シートは1つのブラケットで床面に固定
- リア・コンパートメントの足元に広いスペースが確保
新しいBMW eDrive
- 高効率の電気モーター(FF/4WD)
- 新開発の円形バッテリー・セル(エネルギー密度が20%以上向上)
- 充電速度を最大30%アップ
- 航続距離を最大30%延長
- 車両全体の効率は最大25%向上
第六世代バッテリースペック
- 丸型バッテリーセル形状:丸型
- 直径:46mm
- 高さ:95mm、120mm(2種類)
- 正極側:ニッケル含有量増加、コバルト含有量減少
- 負極側:シリコン含有量増加
- 体積エネルギー密度:20%以上向上(第5世代角型バッテリー比)
- 新しいバッテリーは容量が75kWh、90kWh、105kWh
- 800Vのアーキテクチャー
- 液冷式円形セル高さ95mmと120mm(BMW内製)
- 最大出力350kWのDC急速充電器に対応
- 約10分で186マイル(約300km)相当の充電
ボディサイズ予想
BMW Vision Neue Klasse body size spec(主要諸元)
Dimensions (Body size)
- 全長/Length:4100mm
- 全幅/Width:1850mm
- 全高/Height:1350mm
- ホイールベース/Wheelbase:2550mm
Vision Neue klasse(FR21inch wheel)
BMW M2 (F19/R20inch wheel、4540mm/1405mm/2740mm)
タイヤ外形をM2とイコールとした場合、M2の全長4540mm/全高1405mm/ホイールベース2740mmの縮尺で比較してみてください。
M2よりも小さい全長ですから、ヴィジョンノイエクラッセを次期3シリーズとするには無理があるでしょう。
Autobild誌(全長4700mm/全高1410mm/ホイールベース2850mm)の予想サイズは誤りです。
デザイン責任者ホーイドンク氏の身長185cmと見積もっても4700mmにならないことは明確です。
実物もかなりコンパクト
2023ジャパンモビリティショーの実車です。フロントの車軸位置からFFベースとなりますが、フロントオーバーハングもかなり小さいことが確認できます。
ディメンションも全く異なり、次期3シリーズとするのは、やや無理がありそうです。
コンセプトカーとしての全高は、ローダウンとなっているため、市販モデルは全高1430mm以上を予想します。
前輪の軸位置はFFそのもの
前輪とフロントオーバーハングの関係からFF前輪駆動ベース(4WD駆動もあり)となります。この点からも、3シリーズ(FR)をFF化する可能性は低いと考えています。
ノイエクラッセの発売時期は2025年
リリース時期、発売時期は、2025年となります。
ボディ形状は、このコンセプトモデルをベースに前後ライトやテールの形状は、変更される可能性もあります。
2024/3:ヴィジョンノイエクラッセX登場
- 2023年:ノイエクラッセSUVモデルのスクープ写真が出回っていますが、X3ではありません
- 2024/3:SUVモデルのXが登場
- 2025年:ノイエクラッセのセダンが登場
- 2027年まで:その他、SUVなどのラインナップを、合計6車種に拡大
次期ノイエクラッセ発売時期:まとめ
今回のビジョンノイエクラッセのボディサイズは、非常にコンパクトな車体です。
次期3シリーズとの予想が多い中、7シリーズの拡大、5シリーズ(G60)の全長が5060mmである点が重要なポイントです。IECとBEVを同一車種で揃える戦略から、ヴィジョンノイエクラッセが次期3シリーズのBEV版に据えるは、マーケティングや序列的にも無理があるでしょう。
次期3シリーズにおいて、2.5BOXのデザインが採用される可能性は低い
次期BEVのメインモデルとして、次期3シリーズ(2025年登場予定)は現在よりも拡大ボディとなり、今回のビジョンノイエクラッセは、全く別物の新しい(新世代BEVセダン)のモデルと予想します。