CANインベーダーなどのODB2接続による盗難手段が登場していましたが、近年では「キーエミュレーター」(通称:GAMEBOY)という盗難手段が登場しています。この最新の手口に対するBMWの状況を解説します。
キーエミュレータ(Key emulator)とは
スマートキーのシステムがキーと照合する仕組みがベースとなっているようです。
端末が任天堂のポータブルゲーム機「ゲームボーイ」に似ており、商品名や画面に「Game boy」を表示する製品もあるようです。
機能・操作の流れ
- キーエミュレータを車体に近づける
- ドアノブ操作により発せられる電波を解析する
- 解析が完了するとキーの複製が瞬時に生成できてしまう
- そのまま、ドアロックの開錠、エンジン始動が可能となってしまう
※解析時間は製品により、数秒から90分程度、掛かる差があるようです。
CANインベーダーとの違い
トヨタランクルやアルファード、レクサスLXが驚くべきスピードで盗難される動画を見た方も多いと思います。
CANインベーダーは、物理的に車体内のODB2コネクターや配線にアクセスする必要があります。
ドアを開錠したり、車体部品を取り外したり、壊したりして、車内配線に繋ぐ事も不要となり、ワイヤレスでキーを複製してしまう、恐るべき装置となっています。
コードクラバー、リレーアタックとの違い
オーナーが所持する電子キーから発せられる電波を読み取り、複製キーを作成するものです。
コードグラバー、リレーアタックのいずれも、オーナーのマスターキーが、近くにあることが条件となります。
近年では、電波の到達範囲を限定するセキュリティ強化策が施されており、この技術は過去のものとなりつつあります。
キーエミュレータの恐るべき機能
前述の通り、車体から内部配線にアクセスするような強引な操作もなく、ワイヤレスで電波を解析し、電子キーの複製が出来てしまうのです。
これは、スパイ映画そのものでしょう。
トヨタ・レクサスの最新モデルに対応
トヨタ、レクサス製では、早くも2023年モデルに対応した製品が登場しており、このメーカーに特化して、対応が早いのか謎は深まります。
- セキュリティ情報が漏れているのでしょうか
- 簡単に解析されやすいセキュリティなのでしょうか
キーエミュレータ対策品とは
もはや、打つ手無しとも思われるキーエミュレータ(GAMEBOY)にも対策品があります。
KaKaRUN (K2 auto factory)
- 燃料を遮断できる装置に加え、隠しスイッチを設置。
- 所有者しか知らない、エンジン始動の隠しスイッチを別に設け、エンジン始動時の二重化処理により、ハッキングを物理的に防止できる。
- 価格は税込2万9700円~6万6000円(取付工賃含む)
- 車種毎に対応有無の確認が必要
Argus D1 (ユピテル)
- 特殊な電波を発することで、『GAME BOY』の複製を防ぐ装置。
- 価格は税込9万9000円(基本セット+取付工賃含む)
- レクサス、トヨタ限定
タイヤガード (有限会社 錠商)
- 金庫職人が作った鋼鉄製タイヤガード。
- 従来のタイヤガードよりも高い硬度を誇り、これまで3000台以上の販売での盗難実績ゼロ。
- 価格は10万円前後(取付工賃含む)。
キーエミュレータ対するBMW車の状況:まとめ
ネット上、キーエミュレータとしてBMWに対応した製品は見られないようです。
欧米メーカーでは「ランドローバー」対応がありましたが、基本的に盗難頻度が高い欧米製自動車は、キーエミュレータに対して、解析に強い造りなのでしょうか。
予防策、自衛策
- キーの保管や管理に注意する
- 駐車場所にも注意する
- ハンドルロックやホイールロックなど、物理的・視覚的に解除に時間が掛かる仕組みが有効
- 室内のアラームランプやセキュリティステッカーも有効
- 社外品のセキュリティシステムを追加する
- 警備会社のGPSを装着する
- 車両保険に加入する
キーエミュレータに対して、万全の予防策は無い状態ですが、一定の抑止効果はあると思います。
日本における盗難車ランキングでは、BMWは少ない状況のようですが、日々の愛車管理には注意を払うことが重要です。
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