国産、外車を問わず、運転中のTV試聴や細かい操作は、一切できない仕様となっています。BMWとて、例外ではありません。
運転中、テレビをモニターにうつしたい。TVが見たい、DVDが見たい、ナビを操作したいというニーズは、登場時から根強くあるようです。それらに関する諸問題を整理しました。
BMWのテレビはうつらない理由
BMWは走行中のテレビは安全のため映りません(うつりません)
TVが映らない設定とするメーカーの考え方とは
メーカーの対応は、走行中のTV試聴・操作は禁止です。新車時の仕様は、そのようになっています。安全上、走行中にテレビが映らないように、日本の自動車メーカーの自主規制で行われています。
一部欧州車系ディーラーでは、「走行中にテレビを見れるキャンセラーをつけると何かトラブルがあった時に、新車保証が無効になる」と言われた。
などもあるようです。
走行中のテレビを映すニーズに対する法的解釈
運転者のテレビ操作と視聴は禁止
一方で、運転者の操作はTV操作NGです。
助手席や後席の方のテレビ操作と視聴はOK
助手席や後席の方のTV操作は可とする解釈があります。これらのニーズに対して見る分には、法的に問題無いという解釈で整理されています。よって、走行中にテレビが映っていても、法的には問題がないようです。
改正道路交通法71条
運転中の携帯電話禁止は、ご存知の方も多いと思います。
同様に、運転者が走行中にテレビを見ることは、道路交通法の安全運転義務違反ですので、処罰の対象となります。助手席や後部座席へ乗車している人が走行中にテレビを視聴させるのがTVキャンセラーの目的になります。運転手が運転しながらテレビを視聴していた何らかの手段により証明された場合、違反となる可能性はあります。※現時点で、検挙された例はありません。
ナビ・TVキャンセラーのソフトウエア書き換えとは?
最近のBMWはコンピュータで電子制御されており、世界各国の仕様によって、設定値(パラメータ)を書き換える仕組みです。
日本仕様は、TVが見れないという設定を見れるに書き換える操作が、ソフトウエア書き換え(コーディング)と呼ばれるものです。
車種により、専用の機器があれば、簡単に書き換える事が可能です。
BMWでは、室内のOBDポートに挿込み、機器やPCを経由してコーディングを行います。
ただし、ディーラー入庫時の点検やソフトウエアのバージョンアップにより、都度リセットされる可能性があります。また、ユーザーのコーディングを禁止しているディーラーもあり、判断が分かれるところです。
注意事項
- ディーラー点検で、ECUソフト更新時、コーディングは消える可能性がある。
- ディーラー点検時に、クレームがつき保障が受けられない場合も考えられる。
コーディングの失敗による他ソフトウエアへの悪影響もあり、失敗してリカバリーも出来ない場合は、最悪ディーラーに泣きつく事例もあるようです。
2023年以降、禁止行為のペナルティが強化されており、自己責任での判断をお願いします。
ナビ・TVキャンセラーのハードウエアとは?
TV試聴NGをキャンセルするTVキャンセラー機器を付けることにより、走行中もテレビが見えたりする改造です。
車速パルスを停止タイプ
車速パルスを一時的に停止(妨害や切断)して、停車時と車に認識させてTV試聴を可とするものです。 (デメリット:車両スピードの状況を検知する処理を操作するため、他に影響がある可能性)
パーキング中と認識させるタイプ
車両が、パーキング中と車に認識させてTV試聴を可とするものです。
(昔の国産車に多いタイプ。BMWでは該当無し)
併用タイプ(車速とパーキング操作)
車速パルス取得とナビやTV試聴を併用して利用可能とするもの
(専用機器が必要で、機器も高価、取付も複雑)
上記の3タイプがありますが、BMWの場合は末尾のタイプが多いようです。
スイッチでON/OFF出来るなど、不具合があった場合や点検時、簡単に切り離せる点がメリットです。
最近のiDrive(NBT2 iDrive5/6/7) は、コーディングも簡単でない
ユーザー側コーディングのリスクを勘案し、メーカー側でも対策を施し、安易なコーディングが出来ない仕組みに変化しつつあるようです。そこで、対応機器としては、USBやODBポートに差し込むワンタッチタイプが増えているようです。
まとめ
助手席の方用として、TV試聴、ナビ操作の法的問題、解釈をOKとしている。
その範囲内での利用が前提となります。ソフトウエア書き換え(コーディング)とハードウエアの2タイプあり、それぞれにメリット、デメリットがあります。
2012年以前のiDrive(iDrive4以前)
コーディング、ハードウエア機器のどちらもOKです。
ディーラーでのコンピュータ書き換えが発生する頻度も少なく、コーディングソフトの品質も安定しているので、失敗するリスクは少ないでしょう。
品質、リスクとしてはハードウエアの方が良いです。
2013年以前のiDrive(iDrive5以降)
ハードウエア機器をなるべく推奨します。
品質、リスクとしてはハードウエアの方が良いです。