BMWのメンテナンスや点検内容を見直し、年間維持費を安くするポイントを解説します。
BMWのメンテナンスや点検の概要
メンテナンス保証サービスに加入する
新車であれば新車保証が付いてきます。そしてサービスインクルーシブというメンテナンス保証サービスがありますので、ぜひ加入しましょう。
突発的な修理が発生しても、保証の範囲内であれば無料となり維持費を抑えられます。
中古車も正規ディーラー車や一般中古車店により、保証内容が異なります。保証のしっかり付いた中古車を購入することにより、購入後の費用軽減になります。中古車は故障リスクが高まりますので、保証は維持費軽減に直結する項目です。
維持費は固定費と変動費の2タイプ
固定費
- 自動車取得税(購入時、車検時)
- 重量税(購入時、車検時)
- 自賠責保険料(購入、車検時に支払う)
- 自動車税(年1回)
- 任意保険(年1回)
変動費
- 燃料費(ガソリン・軽油)
- 定期消耗品(オイル、ワイパー、ブレーキパッド、バッテリー、タイヤなど)
- 突発的な故障発生時の修理代
- 12ヶ月点検費用
- 車検費用
BMW CARE(4サービスのメンテナンスパック)
2023年4月1日以降にBMWを新車購入するユーザーに対して、車両購入後のさまざまなサービス、メインテナンスをパッケージ化した「BMW CARE」を適用可能です。
メンテナンスのサービス内容の充実度に応じて4つのパターンが選べます。
4つのパッケージ
- 「BMW CARE」:0円
- 「BMW CARE GOLD」:22万9800円
- 「BMW CARE PLATINUM」:39万3200円
- 「BMW CARE BLACK」:57万1000円
価格は、1シリーズの例
BMW CAREのサービス内容
3年間の新車保証、3年間のロードサイド・アシスタント、エンジンオイルやフィルター交換などメインテナンス時期に達した点検整備や部品の交換サービスを提供する3年間の「BMWサービス・インクルーシブ」が含まれる。
BMW CARE GOLDのサービス内容
内外装リペア補償が付帯されたメインテナンス・パッケージ。BMW CAREに加え、4/5年目の延長保証、4/5年目のロードサイド・アシスタント、5年間のBMWサービス・インクルーシブ、3年間のBMWサービス・コンプリートが含まれる。
BMW CARE PLATINUMのサービス内容
内外装リペア補償に加え、長期間使用による消耗品についてもカバーするメインテナンス・パッケージ。BMW CAREに加え、4/5年目の延長保証、4/5年目のロードサイド・アシスタント、5年間のBMWサービス・インクルーシブ、4/5年間のBMWサービス・コンプリート・ライトが含まれる。
BMW CARE BLACKのサービス内容
内外装リペア補償・長期間使用による消耗品に加え、車検費用の一部サポートするメインテナンス・パッケージ。BMW CAREに加え、4/5年目の延長保証、4/5年目のロードサイド・アシスタント、5年間のBMWサービス・インクルーシブ、4/5年間のBMWサービス・コンプリート・スタンダードが含まれている。
BMWサービスインクルーシブ(BSI)
略称はBSI(BMWサービスインクルーシブ)です。
3年間と5年間の期間毎に料金体系が分かれており、対象期間中のメンテナンス費用を軽減する有料オプションサービスです。この制度に入っておくと、下記のサービスが無料になります。(新車から1年以内に加入が必要)
- 1年法定点検
- エンジンオイル・フィルター交換
- マイクロフィルター
- プラグ
- エアエレメント
- ワイパーゴム
- ブレーキ液
- 車両チェック(BMW指定点検)
- AdBlueの補充(ディーゼル対象車両のみ)
- お出かけ前チェック
- BMWエマージェンシーサービス
- タイヤ・キー保証
- セカンドハンドオーバー 新車納車後一か月のコンディション確認
純正オイル使用と年に一度の法定点検を受けていないと一部メーカー保証の対象外となり注意が必要です。オイル交換時は、コンピュータのリセットです。BMW専門ショップはでは可能ですが、一般カーショップではリセットできません。
初期費用としては高いイメージがありますが、不具合が発生した場合の保険として考えると安くつきます。
BSIは、外車維持のための安心の保険、必要経費と考えてはどうでしょうか。
BMWサービスインクルーシブ(2年延長プラン)
通常のメンテ費用よりも約3割安くなるようです。
- <法定点検>
- 1年点検×1回
- <メンテナンス>
- エンジンオイル・フィルター交換
- マイクロフィルター交換
- スパークプラグ交換
- エアクリーナ・エレメント交換
- ワイパーゴム・ブレード交換×2回
- ブレーキ液交換×1回
交換サイクルは、車体のコンピュータ指示に従いますので、任意の交換は有料。
ブレーキパッドやタイヤなどの消耗品は有料。その他、保証対象外の修理や部品交換は有料。
BSIのサービス継承
BSI(BMWサービスインクルーシブ)の期限が満了していない中古車については、次のユーザーに権利が継承されます。
引っ越しなどでディーラーが変わった場合も、問題なくサービスは継承されます。詳細はディーラーへ確認下さい。
オイル交換の注意点
BSIの加入期間中、12か月法定点検時、もしくは距離が15,000kmのどちらかが先に到来した車両について、無償交換となります。純正のエンジンオイルは100%化学合成オイルで、ロングライフ・オイルとなっています。
BSI未加入者は、CBS(コンディション・ベースド・サービス)の仕組みにより、車両の走行距離により、オイル交換時期通知されます。
BMWサービスインクルーシブ(BSI)は、損得判断とは
有償の消耗品が一定安くなります。特に年間走行距離1万キロ以上走行する方は、お得なので必ず入った方が良いでしょう。
問題は、3年間で1.5万キロ以下の走行であったり、風雨に強い車庫保管の方は、部品劣化も少なく、比較的新車コンディションが維持されます。
それらの方は、年次点検時の推奨部品交換をパスしても良いでしょうし、BSIの加入も不要かもしれません。
新車延長保証プログラム
通常、新車購入から3年間は、規定による保証が受けられます。
それ以降の保証は有償になります。
新車延長保証プログラム(2年延長プラン)
3年経過後、2年延長のプランがあります。延長プランですので、新車同様の保証サービスが受けられます。初期投資は高いですが、長い目で見ると安くなる可能性があります。BMWエマージェンシーサービスも受けられます。
新車延長保証プログラム(再延長プラン)
2回目の車検満了後から、3回目の車検満了まで(1年8か月)。10万キロ未満が保証条件
シリーズ | 走行距離 | 料金 |
---|---|---|
~4シリ/~X4/Z4 | 5万キロ以内 | 7.5万 |
8万キロ以内 | 11.5万 | |
5シリ | 5万キロ以内 | 10.9万 |
8万キロ以内 | 16.6万 | |
6~/X5~ | 5万キロ以内 | 16.5万 |
8万キロ以内 | 25.5万 |
認定中古車(プレミアムセレクション)延長保証
認定中古車(プレミアムセレクション)は通常、購入から2年間は、規定による保証が受けられます。それ以降の保証は有償になりますが、2年経過後、1年延長と2年延長のプランがあります。
延長プランですので、プレミアムセレクション同様の保証サービスが受けられます。初期投資は高いですが、長い目で見ると安くなる可能性があります。
BMW認定中古車の保証メリットと値引きとは
維持費が高いのは何か?安くするコツ
故障が多いは都市伝説
「輸入車は故障が多い」は過去の話となりつつあります。年式の新しい車両については、故障のリスクは大幅に軽減されています。電装系部品の信頼性が大きく向上したことは20年、30年前のモデルとは大きく異なるところです。
BMWを含む輸入車全般に言えることですが保証制度と組み合わさり、新車や認定中古車を購入後は、あまり維持費が掛からなくなっているのです。
保証期間中の維持費は安い
「維持費は高い」のかという質問を多く頂きます。答えは、新車やプレミアムセレクションの認定中古車を購入し、かつ、サービスプログラムに入った場合、「維持費は安い」となります。新車や年式の新しい中古で保証期間内であれば、大きな故障もぜず、維持費はかからないのが多数派です。
「維持費は高い」に該当するケースは、新車購入後、6年以上経過で各種延長サービスも切れた段階から、急激に維持費が高くなる可能性があります。 もちろん、故障しなければ最低限の車検費用でも車は走りますが、消耗品の劣化が早いBMWでは、新車時の品質は保てません。 6年以上で「維持費を安く抑えている」場合は、DIYや民間修理工場など、ユーザー側の工夫が必要です。 一般中古車店で、格安に購入した場合などは、「維持費が高い」イコール「手放す」ことに繋がる可能性が高いです。
年間の維持費
シリーズ別の新車から5年が経過した場合のランニングコストを想定。
ランニングコスト
ランニングコスト |
---|
|
法定費用、自賠責保険
年間維持費 | 内容 | |
---|---|---|
自動車税 | 39,500円~51,000円 | 総排気量 1.5~2リットル:39,500円 2.5~3リットル:51,000円 |
1年あたり自動車重量税 | 0円~7,500円 | h42年基準+0%(15,000÷3=5,000円) h37年基準+10%(22,500÷3=7,500円) 0円(ディーゼル車は2回目車検まで免税) |
1年あたり自賠責保険料 (強制保険) |
12,260円 | 37ヶ月(36,780÷3=12,260)
(2017年4月改定) |
車検費用 | 30,000円 | ディーラー基本整備(参考) 最低ここからスタート |
自動車保険料(任意) | 30,000円~200,000円 | 各自の契約内容により大きく変動 |
ガソリン代 | ガソリン:125,000円 ガソリン:61,000円 |
年間10,000km走行 ハイオク150円/リッター12kmL ディーゼル110円/L/リッター18kmL |
駐車場代 | 30,000円~200,000円 | 各自の契約内容により大きく変動 |
オイル交換代 | 30,000円 | ディーラーで任意に交換した場合 |
その他費用 | 60,000円 | タイヤ代・リサイクル料金・自動車取得税など |
国産車との年間維持費の比較
国産2リッターFF車を0.5とした場合の比較です。
- 1,2シリーズ:1.0倍
- 3,4シリーズ:1.0~1.3倍
- 5,6シリーズ:1.3~1.5倍
- 7,8シリーズ:1.5~2.0倍
- X1,X2シリーズ:1.0倍
- X3,X4シリーズ:1.0~1.3倍
- X5,X6,X7シリーズ:1.3~1.5倍
をイメージしておくと、予算不足で手放すことにはならないと思います。
使用頻度、走行条件や整備場所が、ディーラー、民間整備工場、ユーザー車検などでも大きく変わってきますが、上記はディーラーをイメージしたものです。
エンジンオイルの交換
(工賃、フィルター込み)メーカー指定の100%化学合成油の費用目安
- 4気筒:約1.5~2万円
- 6気筒:約1.8~2.5円程度(工賃、フィルター込み)です。高く感じますが、超ロングライフなので、最近の車であれば、警告燈に従う限り、かなり長持ちします。
ディーゼルのオイル交換
ディーゼル用エンジンオイルとしてはBMW承認規格に指定された「LL04オイル」を入れます。粘度は5W-30でShell製になります。車載コンピューターのリセット(オイル交換済の情報設定)が必要です。
一般のACEA/C3規格の化学合成油であれば1リッターまで代替可能だそうですが緊急的な追加用と考え、全量交換は避けましょう。
BMW車はディーゼル微粒子補修フィルター (Diesel particulate filter)のDPFが搭載されており、排気ガス(NOxとPM)を排出過程でキレイにする装置です。
短距離走行や低回転での走行を続けていると、再生が追いつかずにフィルタが目詰まりを起こすエラーとなる可能性が高まります。
千キロ毎に高速走行で3~4千回転で30分程度を走行して完全燃焼させる方法を試してみましょう。
キズや板金修理
車に乗っていれば、ボディのキズが増えていくものです。板金だけなら、国産高級車と同程度。ディーラーを通さず、BMWを扱った経験のある民間修理工場へ持ち込むのがポイント。部品交換を伴う修理は、国産に比べ2~5割増しをイメージした方が良い。対策としては、絶対に車両保険に入る事が前提。高額な修理費は保険でカバーします。年式の古い車は車両保険でもカバーできない可能性が高いです。中古車販売価格を上回る場合は、直さず手放すことを推奨します。
消耗品の交換費用
ブレーキパッド、ローターやタイヤなども次回点検・車検までは持たない・・・という項目だけ交換しましょう。部品・工賃は、やや高く、国産車の3割増しをイメージすれば良いと思います。ブレーキパッド・ローターは、前だけ、後ろだけ、消耗度合いに応じて交換。
消耗品の交換費用
エンジン内のファンベルトは、定期点検により交換対象となりますので問題ありません。2005年以降のモデルでは、かなり改善されつつありますが、弱点としては樹脂パーツやゴム製品の劣化が早い事が挙げられます。
特に高熱での影響を受けるのがエンジンルームにあるパーツです。
- ウォーターポンプ周りのゴム・パッキン
- オイル・ウォーターのテンプサーモスタットのゴム・パッキン
- ドアやトランク、サンルーフのゴムパッキン
- 足回りのブッシュ類、サスペンションのブーツ
紫外線の影響を受ける劣化としては、ドアモール、エンブレムなども屋根無し駐車では劣化が進みます。これは、内装のダッシュボードやレザーシートも劣化が進みます。適度な保護剤によるクリーンナップとケアが必要です。
バッテリーの交換費用
バッテリーは弱っていなくとも、4~5年程度で定期的に交換するのが、精神的にも安心です。F以降のモデルは、容量の大きいロングライフバッテリーが搭載されており、価格も高めになります。2012年以降のアイドリングストップモデルはさらに大容量化しており、価格にも反映しています。
2014年以降のMモデルにはリチウムイオンバッテリーとなり、工賃込価格も10万円を超えるようです。
- 2004年以前:ディーラー 4~6万、ショップ 3~5万
- 2005年以降:ディーラー 4~7万、ショップ 3~6万
- 2010年以降:ディーラー 4~9万、ショップ 3~7万
部品交換費用の目安
ディーラーと一般工場やショップでは、交換費用に差があります。車種によっても部品代が異なり、車種の構造によっても交換の工数が変化してきますので、部品代と交換工賃費用はあくまで目安として捉えてください。3シリーズと7シリーズでは最大2倍の開きがあるケースがあります。ショップではリサイクル部品を使えるケースもあり、旧車などでは費用削減の効果的な方法です。
- 参考例として一般ショップの純正部品・工賃込の費用です。(ディーラーは、もう少し割高)
- エンジンオイル&フィルター交換:12000~
- エアフィルター・エレメント交換:6000~
- 電動ウォーターポンプ交換:160000~(部品代60000~110000)
- 旧式ウォーターポンプ交換:60000~(部品代35000)
- ベルトのテンショナー交換(一箇所):50000~
- インタークーラーホース交換:20000~
- 冷却水(LLC)の全交換:14000~
- ダイレクトイグニッションコイル交換:16000~
- エアコンフィルター交換:8000~
- ブレーキーパッド&ローター交換:120000~
- ヘッドライトの黄ばみ研磨:10000~
- ドアミラー交換:80000~
- エンジンマウント交換:20000~
- サスペンションアーム交換:30000~
- ATFとスクリーン交換:40000~
- プロペラシャフトのジョイントディスク交換:40000~
- 燃料ポンプの交換:70000~
- ロアアームブッシュ交換(一箇所):3000~
- パワーウィンドーのレギュレータ交換(一箇所):30000~
- ショックアブソーバ交換:120000~
- スパークプラグの交換(6本):25000~
ランフラットタイヤ
ランフラットタイヤは、ノーマルタイヤに比べて価格が1.5~2倍以上のため、交換費用の節約のためにラジアルタイヤに変更する方がいます。
しかし、ランフラット用に設計された車両のため、ノーマルタイヤでは車両本来の性能が発揮できません。特にパンク応急修理剤を積んでおけば良いなとど勧める方もいますが、パンク発生時の応急処理剤は万能ではなく、大きなパンク穴(5ミリ以上)に対応出来ません。高速道路上のパンク修理は危険を伴いますし、風雨や吹雪などの悪天候下のパンク修理は辛すぎます。よって、パンク発生後もそのまま自走(最大80キロ程度)できるランフラットタイヤの威力は絶大なのです。
JAFだけでも年間30万件以上のパンク修理が発生しており、ランフラットタイヤ装着車のドライバーや同乗者の負担軽減のため、安心の保険としての継続使用を推奨します。
最近の大型店舗であれば、ランフラット用の専用チェンジャーを装備したショップが当たり前となっていますし、ディーラーよりも価格は安いです。
タイヤに関してはディーラー以外での対応も可能です。2010年以降、ランフラットタイヤの価格低下は、かなり進んでおり一般のカーショップやタイヤ専門店での購入も検討して見ましょう。
ランフラットタイヤとノーマルタイヤの比較については、別途解説しています。
純正はランフラット指定であり、純正指定を推奨します
メリット・デメリット
タイヤサイドの「スターマーク」はランフラットのBMW承認タイヤです。承認タイヤは基本ディーラーとなりますが、スターマーク無しの市販品を一般のショップで装着しても問題ありません。
3シリーズ用であれば1本2万を切るレベルまで下がっており、アジアンタイヤに比べれば高いもののハイパフォーマンスタイヤと同等レベルまで下がっています。
2010年以降、第三世代ランフラットの登場(ブリジストンのポテンザS001)により、ノーマルタイヤの9割り並みの乗り心地を確保となっています。
今まで、デメリットと指摘された部分は解消されつつあります。
維持費としてランフラットタイヤのランニングコストは、やや高いものの、パンク時に備えた安心の保険料と考えましょう。
ランフラットタイヤのパンク修理は可能
スタンダードなラジアルタイヤと同様、接地面のパンク修理は、ガソリンスタンドやタイヤショップで普通に修理が可能です。パンク修理不可などの誤った情報を信じない方が良いでしょう。またタイヤ側面も修理可能なケースもあるようです。
ランフラットタイヤで再利用不可となるケースは空気が抜けた状態で、長距離を走行した場合のみです。空気が抜けていない軽度のパンクであればランフラットのパンク修理はノーマル同様に修理が可能なのです。当然、ノーマルタイヤで空気が抜けたパンクで走行すれば、タイヤの側面が損傷し、パンク修理だけでは再使用不可となるだけでなくホイールも駄目になる可能性が高いです。
ランフラットでは、空気が抜けたパンクでは、タイヤが駄目になりますが、ホイールは駄目になりません。
タイヤ寿命とタイヤ交換の目安
故障発生の頻度
新車登録後、3年以内は保障の範囲内です。(サービスインクルーシブ:BSI)
また、プラス2年の延長サービスもありますので加入しておく事をお勧めします。
2009年以降の型式名Fxxモデルは従来のモデルに比べて故障の発生頻度も少なくなってきています。
なるべく高年式の車両を購入することが維持費を軽減するポイントになります。
新車登録から、5年、5万キロ、青空駐車や渋滞走行の多い車両は、高速道路や郊外の流れの良い道路で走行距離を稼ぐ車両の数倍のスピードで劣化が進んでいきます。
中古車の場合、前購入車がどのような用途で使用していたのか、判り難い部分もありますが車両のコンディションや記録簿、前オーナーの履歴から推測するしかありません。短期間の酷使でも車両の状態が悪い場合もあるので、高年式の低走行車を選ぶ事がリスクを軽減するポイントになるのです。
燃費向上のポイント
シリーズ | 燃費(ガソリン) | 排気量 |
---|---|---|
1シリーズ | 12.6~16.6km/L | 1.5L/2.0L/3.0L |
2シリーズ | 12.5~16.8km/L | 1.5L/2.0L/3.0L |
3シリーズ | 12.2~16.6km/L | 1.5L/2.0L/3.0L |
4シリーズ | 11.6~16.4km/L | 2.0L/3.0L |
5シリーズ | 8.8~16.6km/L | 2.0L/3.0L/4.4L |
6シリーズ | 8.8~12.2km/L | 2.0L/3.0L/4.4L |
7シリーズ | 6.4~14.2km/L | 2.0L/3.0L/4.4L/6.0L |
X1 | 12.0~14.9km/L | 1.5L/2.0L |
X3 | 12.1~18.6km/L | 2.0L/3.0L |
X4 | 12.1~13.7km/L | 2.0L/3.0L |
X5 | 8.6~14.0km/L | 2.0L/3.0L/4.4L |
Z4 | 10.0~13.4km/L | 2.0L/3.0L |
上記表は2017年(参考)
走行距離5万キロ、10万キロの節目が点検のチェックポイント。燃費を向上させる走りも維持費削減に繋がります。
- O2センダー(ラムダセンサー)の劣化がある。O2センダー故障により酸素と燃料バランスが崩れ燃費が悪化する。
- エンジン内の汚れやスラッジにより、抵抗の増加や圧縮漏れを起こし、燃費が悪化する。
- 吸気の流入量を計測するエアマスセンサー(エアフローセンサー)のトラブルで吸入酸素と燃料のバランスが崩れ燃費が悪化する。
- ATオイル(ATフルード)の汚れによる、走行抵抗増加による燃費が悪化。
- 燃料ポンプや燃料フィルターの詰まり、トラブルで燃料圧力が低下することによる燃費悪化。
- ホイールとドライブシャフトのハブにあるベアリングの劣化で走行抵抗増加。
- ブレーキ内のキャリパーシールの劣化でブレーキの引きずりによる走行抵抗増加。
- 4輪のアライメントが狂うことによる走行抵抗増加、ハンドリングの悪化。
- エアフィルターの目づまりによる吸入抵抗増加。
- 電気系の劣化による着火力の低下も燃費低下になる。
- 車両のチェックポイントだけでなく、走行の仕方も大きく燃費に影響する。
- 無駄にアクセルを踏まず、スムーズに車速を上げ、アクセルを一定に保つ。
- 空走距離を長く、アクセルオフの時間を長くするのがポイント。
ガス欠の注意(特にディーゼルエンジンの注意)
- ガス欠で、燃料ポンプが負荷がかかり、ポンプのモーターが故障する可能性が高まります。
- エンジン停止で、無駄にスターターを回し、スターターやバッテリーの負担が増えます。
- 直噴エンジンでは、インジェクター先端のノズルを傷める場合があります。
ディーゼルエンジンでは、燃料の潤滑性が高く、タンクからエンジンまでのパイプライン中の燃料が空となります。結果、パイプライン内には空気が入り、燃料を吸い上げなくなる可能性が高まります。
別途、空気抜きなどの対応が必要となるため、燃費走行だけでなく、燃料を早めに補充することもも維持費削減になります。
ガス代節約の秘訣
- BMWはディーゼル車が豊富。ハイオク指定から、ディーゼル車の軽油となり、燃料費を大幅削減。
- セルフスタンドを利用することでの値引き。
- スタンド提携のカードチャージやクレジットカード併用タイプの特典を利用し、リッターあたり1円~5円の値引きも。
税金
各種税金 |
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新車登録から一定年数(10,13年)が経過し、環境負荷の大きい自動車に対しては、自動車税を重くする制度となっています。
割増率は15%となりますが、自動車税のアップは数千円のレベルに留まります。
古くなった車の買い替えを促進する自動車税制ですが、新しく買い換える費用を考えれば、そのまま所有を続けた方が安上がりです。
ただし、車両の劣化に対する維持費は増す一方なのでバランスも考える必要があります。
- ガソリン車は13年経過、ディーゼル車は10年経過で自動車税アップ
- 平成27年4月以降、自動車税の割り増しが10%から15%へ
従来は3リッター、4リッター超の排気量でないと低速トルクが不足していました。
排気量のダウンサイジングと直噴ターボの組み合わせにより、1.5や2リッターターボであれば必要十分なパワートルクが得られ燃費もかなり向上しています。
排気量のダウンは、燃費や税金の節約に効果があります。
点検費用
正規ディーラーでの1年点検費用は約2万円以内(法廷費用を除く)と見ておけば問題ありません。
一般工場やショップではもう少し安いですが、何か不具合が発生した場合の総合的な対応力、スピードはディーラーが勝ります。安心の保険としてディーラーでの点検を実施して損は無いでしょう。点検項目で発覚した不具合については、保証期間や対象により、無料・有償に分かれて修理を行います。その場合も見積書にて対応有無の確認が行われます。
- コンピュータ診断(故障ログチェック)
- 足回り、サスペンション点検
- タイヤ空気圧調整
- ブレーキパッド・ブレーキーディスク残量点検
- ブレーキディスク残量点検
- タイヤ残量、損傷チェック
- バッテリー点検(電圧チェック)
- エアコン点検(フィルター)
- ワイパーゴムチェック
- エンジン異音
- 内外装ランプ、操作系点検
- ユーザーの指摘項目
ディーラー車検
- 3年目の初回車検:12~20万前後
- 5年目以降の車検:15~30万前後
- 10年目以降の車検:15~40万前後
初回車検では、それほど費用はかかりませんので、国産高級車程度です。2回目車検以降は、外車相応の維持費がかかってきます。
新車購入後、整備はディーラーお任せの方は安心のためにもディーラー車検は必要ですね。ただし、ディーラー見積りの項目を全て頼むと、軽く50万オーバーという事もありますので、イエスマンのお客さんにならない為にも対策が必要です。
- お客「まだ大丈夫ですか?」
- ディーラー「まだ持ちますが、早めに交換した方が良いのです。」
- お客「車検に必要な整備項目はどれですか?」
- ディーラー「必要な項目だけ交換をお願いします。」
上記のように回答し、必要な項目以外は、全てカットして費用を軽減しましょう。
法定12ヶ月点検:基本工賃2万+消耗品等1万~
ディーラー以外で車検
ディーラー車検は民間車検と比べれば、安心の保険として高いものです。
しかし、愛車にあまり乗らない。短期間で売却予定。
・・・など車検費用は、少しでも安く抑えたいという方もいます。
法的な車検クリアだけが目的なら、ホリデー車検をお勧めします。
自動車保険
年式の新しい車両では意外とかかるのが自動車保険です。
若い年齢や等級の低い方(新規加入や事故の多い方)は保険料が高めです。
自動車保険全般の維持費や軽減の方法はこちらを参照ください。
シリーズ・モデル別の維持費
グレードの差により維持費が異なります
まず、輸入車として部品の輸入コストがかかるため、国産部品に比べて価格がアップします。ディーラーでの保守費用としては、国産同価格帯の部品・修理代金は1~2倍相当が必要でしょう。
(サービスインクルーシブや新車・中古車保証対象外の対応時)
タイヤは、ディーラー以外で交換した方が安上がりですし、スモークフィルム、TVキャンセラー、ボディコーティングも同様です。定期点検など、重要な基幹部品はディーラーで、汎用品は社外品を活用するなどの切り分けにより費用を削減できます。また、シリーズの数字が大きく成る程、部品価格や工賃も上がる傾向となります。以下にシリーズ別の価格推移を記載します。
1,2,3,4,X1,X2,X3,X4,Z4シリーズ
ディーラーでの保守費用としては、国産同価格帯の部品・修理代金は1.2倍~1.8倍相当が必要でしょう。
(サービスインクルーシブや新車・中古車保証対象外の対応時)
タイヤは、ディーラー以外で交換した方が安上がりですし、スモークフィルム、TVキャンセラー、ボディコーティングも同様です。定期点検など、重要な基幹部品はディーラーで、汎用品は社外品を活用するなどの切り分けにより費用を削減できます。特にスポーツ走行を楽しむ方は、ブッシュなどの早期交換により足回りをリフレッシュできます。
5,6,7,8,X5,X6,X7シリーズ
ディーラーでの保守費用としては、国産同価格帯の部品・修理代金は1.5倍~2.5倍相当が必要でしょう。(サービスインクルーシブや新車・中古車保証対象外の対応時)
新車を購入できる資金力のある方が、維持メンテナンスをするのがベストです。新車価格1千万超の車を100万円の中古車として購入しても、維持・修理代で同額の費用が発生するケースも多いです。国産車として、クラウンやレクサスを普通に維持できる方でも、国産車の場合は、維持費が安上がりです。
購入対象として、このクラスの場合、1.5倍以上のメンテナンス費用を見積もっておけば、愛車のコンディションを維持できると思います。
Mモデル
高性能エンジンにより、燃費も悪く、超扁平大径タイヤなどランニングコストもベースモデルと比べて割高になります。維持費としては、ベースモデル比で1.5倍程度の予算確保をお勧めします。スポーツ走行時は、ブレーキなど車体全体に過度の負担がかかりますので、早期点検・リフレッシュが必要です。
DCTモデルで渋滞走行の多い方はクラッチの磨耗に注意が必要です。
売却時期・別れの決断
出会いもあれば、別れもある。長年連れ添った愛車と別れる時期もやってきます。
最近の車は、故障率の低下や品質の向上により、ロングライフ化して7年以上所有するケースも珍しくなくなっています。また、10万以内の修理代であれば、欧州車オーナーにとっては許容範囲なので、そのまま10年、15年と乗られている方も多いです。
しかし、中古車市場でも値が付かない値段となり、高額修理の故障が多発してくると、売却を考えるケースも出てくるでしょう。
- 売却時期・ポイント
- 故障が多発し、劣化も目立ってきた。
- 走行に支障の無い部分は、壊れたまま放置している。
- 車検時期が迫っている。
- 修理の見積り合計が、20万円を超えている。
- 中古車市場では、50万を切る価格となっている。
- 修理代 > 中古車価格 になった時
- 売却後の購入予算の目処がついた時
中古車としてもプレミア価格の旧車や希少車であれば、そのまま維持することは趣味の一つだと思います。ただ、値が付かない中古車の場合、手放すことは維持費の軽減に繋がります。頻発する故障にご家族も心配しているケースもあるので、思い切って手放すことをお勧めします。
車検代が40万を切るかがターニングポイント
車検は愛車を手放すか、乗り続けるかを考える需要なポイントです。
車検費用15万と修理代25万の計40万を超える場合は、手放す目安としてはどうでしょうか。ディーラーや修理工場の見積もり明細を見て、車検に関係ない項目、すぐ壊れない項目はカットしてもらいます。
当然、タイヤなどの高額消耗品の交換は先送りした上で、40万を切っていれば維持継続、超えた場合は乗り換えも検討します。
ディーラーでは10年超の年式は当たり前のように、この金額を超えるケースが多いでしょう。その際に見積もり明細で必要な項目を徹底的にカットし、ディーラー以外のショップやDIYも併用するなど、ユーザー側の経費節減対策が重要となってきます。
BMWのメンテナンス、維持費削減のまとめ
外車が壊れやすいという時代は2,30年前の話です。新車であれば、ほぼ3年間の維持費は、国産車と大差ないレベルです。中古車の場合、高年式の認定中古車を選べば、購入後の維持費も軽減できます。一般中古車店で安く購入した車が故障連発となり、維持できずに手放すことにならないよう、高年式の正規ディーラー認定中古車がお勧めです。車のメンテナンスはプロにお任せの方、初心者の方なら迷わずディーラーで行う事です。
同一排気量の国産車の2倍の維持費がかかると、最初から想定しておけば、外車初心者でも驚くことはないでしょう。国産車よりも若干余裕のある維持費を確保して、BMWと接することが長く愛車と付き合えるコツです。