BMWの査定時、査定士が用いる専用のカーチェックシートの確認項目を事前に把握しておき、愛車の高額査定に繋がる対応策やヒントを解説します。
プロの査定士が行うチェックシート
愛車査定時にプロの査定士は、チェックシートのチェック項目に沿って査定を行います。多くの査定士は「一般財団法人日本自動車査定協会」作成のチェックシートを使用します。買取業者によっては、業者独自のチェックシートを用いる査定士もいます。
チェック内容に沿って漏れなく、愛車の状態をチェックし、加点・減点により点数化します。
チェックの基本項目の内訳
買取査定業者により、チェック項目は異なりますが、代表的な項目を列挙します。
以下の例は、日本自動車査定協会:法人の査定シートになります。
ベースとなる情報
- メーカー名、車名
- 製造年式
- 排気量
- 型式
- 初年度登録年月
- グレード
- 車両重量
- その他、車検証記載の項目
車検証以外の基本装備
- 走行距離
- ボディカラー
- ガソリン・ディーゼル
- トランスミッション(AT/MT)
- エアコン(AUTO/マニュアル)
- ハンドル位置(右・左)
- 国産、輸入車
- リサイクル料
外装の痛み、パーツ有無
- ボディの図面に沿って、損傷個所をマークし、程度の状況を記載。
- 塗装やガラスのキズや凹みの状態
- ライトやモールなどプラスチック部品の劣化具合
- オープンカー、コンバーチブルの劣化、稼働具合
- エアロ、スポイラーの装着有無。
- タイヤの残山、ホイールの傷(純正・社外)
内装の痛み、電装系の稼働具合、パーツ有無
- シート種別(レザー、ファブリック、痛み具合)
- パワーシート有無
- サンルーフ有無
- エアコン
- PW
- パワーステアリング
- カーオーディオ
- ナビ
- ライト(ハロゲン・HID・LED)
- ETC有無
エンジン、ギヤの稼働具合
エンジンの始動性・異音の有無、マフラーの音量、トランスミッションの異音など、怪しい点があればアイドリングでの確認だけでなく、自走して状況を確認します。
メンテナンス状況
- 整備点検記録簿の有無
- バッテリーの交換有無、交換時期
- タイヤ交換の時期
高額査定のセールスポイント(加点)
積極的に愛車のアピールを行いましょう。加点とならない場合もありますが、言うのはタダです。
- 禁煙車
- 土足禁止、ドライブ専用シューズ利用車
- 専用ガレージ保管
- 走行距離が少ない。(年間3000キロ以下)
- 人気のカラー(対象車種の人気色、白、黒など)
- 限定車(専用装備、専用カラー)
- TVキャンセラー
- 社外アルミホイール(人気のあるものだけ)
- 社外パーツを装着し、純正品も保管してある
- 事故歴が無い。
- ディーラーで点検、車検、記録簿完備
- タイヤの山が多い
査定士により評価が分かれるもの
- 特に小幅減点となる要素を列挙しました。
- 社外品アルミホイール(2インチアップ)
- セキュリティーシステム
- 社外品オーディオ(ヘッドユニット、スピーカー交換)
- 社外品エアロ(好みが分かれるデザイン)
- キレイに乗られているか、汚い乗られ方か
査定時のチェックもれを防ぐ
フレーム修正を伴うような事故歴
事故車とは、大きな事故により、ボディのフレーム等の修正を行った場合です。
バンパーやフェンダーや交換のみやドア交換、軽度の板金修理では、事故車扱いとしない場合が多いようです。
ただし、査定士により、以下のケースには注意が必要です。
- ボディの汚れで溶接・補修跡を見落とす。
- 夜間や悪天候で、大きな事故歴を見落とす。
- 査定士のスキル不足やチェック不足で、大きな事故歴を見落とす。
見落とした結果、次のようなリスクが発生します。
事故歴やメーター交換を隠さず申告する
修理歴を見落としたまま、減点ゼロで査定され、そのまま中古車として流通してしまうケースもあります。実際の車は事故車として低く査定されるところ、
無事故者として高く査定されます。これは申告漏れとなります。
結果、買取査定契約後に事故歴が発覚し、売り主が事故歴を申告しない事で、査定額が減額(返金請求)される恐れがあることです。
大きな事故歴については、隠すことなく申告することが重要です。
メーター不具合による交換も走行距離が継続していない可能性もあるので、オーナーの申告が必要です。
その他の減点ポイント
- タバコの匂い(禁煙者が増え、最近の急上昇ポイント)
- 内装、シート、ハンドルの汚れや傷(大きさや深さで減点数アップ)
- 多走行車(年間1万キロ換算より大幅に走っているケース)
- 不人気カラー(イエロー、グリーン、ゴールドなど奇抜な色)
- スポーツカーなどのイメージカラーは除きます。
- スペアキーの有無(特に新車購入であれば、必須ですね)
- ボディの傷(大きさや深さで減点数アップ)
- タイヤの摩耗。8mm以上の摩耗で減点
(そのまま放置で可。修理や交換費用の元はとれません) - 車検証、点検記録簿、取扱説明書(重要書類ですから注意しましょう)
- 車検の残りがほぼ無い。(再車検は不要。再車検費用の元はとれません)
減点ポイントの対応有無が高額査定の秘訣
特に減点ポイントの大きい項目で、減点されないように査定前の入念な準備が重要です。対応により、減点回避できる項目を記載します。
- 煙草(たばこ)の臭い:最大4万円の減点査定になります。嫌煙者が増えている理由でしょう。室内清掃や芳香剤でタバコの臭いを消すよう努めましょう。
- スペアキーの紛失:最大2万円の減点査定に繋がります。もし、見つかりそうであれば探しておくことが重要です。
最終的な買取査定額の決定
査定項目のチェック表に記載した結果、特記事項、加点・減点を点数化します。
その結果を加算して、その車の総合得点に対して評価を行います。
対象車種の一般的な評価・基準額と比較して、加点・減点が行われ、最終的な査定額が決定します。
基本的にマニュアル化された項目に従い、査定士が評価するものです。
しかし、あくまで人間が行う行為ですので、査定士によってもバラツキが生じます。
買取業者の販売力、人気・不人気の判定も業者ごとに異なります。