F10/F11中古車購入時の注意点ポイント
ディーゼルエンジン注意点
- ディーゼルエンジン:ターボ・ウェイストゲートの動きが渋く、正常動作していないケース
- タイミングチェーン・テンショナーの劣化、チェーンの異音
- 排気再循環 (EGR)クーラーのリコール対応済であること
- 前オーナーの走行条件により、煤が溜まりアイドリングやふけ上がりの不安定が発生
ガソリンエンジン注意点
- VANOS(可変バルブタイミング・システム)の不調
- アイドリング時の異音や、パワーの低下
- 高圧燃料ポンプと直噴モジュールによる、アイドリングの不安定さ、拭け上がりの不具合
ATミッション注意点
- 低速走行時にシャフトから振動、走行異音があるか
- 多走行車では、ATオイルの滲み
ステアリングとサスペンション注意点
アダプティブダンパーは、モード変更で正しく減衰力が変わるか確認
サスペンションからの異音有無
電動パワーステアリングからの異音
多走行車ではコイルスプリングのひび割れ
ツーリングモデルでは、エアサスの抜け、後部車高が下がっていないか
タイヤとホイール、ブレーキ注意点
- タイヤが偏摩耗
- ホイール腐食、ガリキズの程度具合
- 法定点検によるブレーキパッドとディスクの厚み
- キャリパーの劣化、固着
ボディ注意点
- 事故履歴有無の確認、トランクルーム内のカーペットをめくり確認
- 塗装面、ボディの継ぎ目、修復歴の有無など、良く見れば分かるポイント。
- ウィンドウモールの劣化確認
インテリア注意点
- エアコンの冷風、風量、ヒーターの効きは要チェック
- パワーシート、PW、ナビなど電装系各部品の動作チェック
- ドアシールが劣化、雨漏りの有無確認
レビュー
スタイリング
F10のスタイリングは、鋭い顔つきのE60から一転。やや万人向けの大人しいイメージになった。
先行してデビューしたF01-7シリーズの弟分として考えれば、シリーズのイメージを継承しており、
同一コンセプトの流れを受け継いだ正常進化だろうか。
ボディをじっくりと眺めれば、各部のディテールに新しさを感じられる。
アメリカでのグランツーリスモ
アメリカでは、グランツーリスモ(F07)のみが導入され、ツーリング(F11)が導入されていない。
グランツーリスモの人気はいまひとつで、ツーリングワゴンモデルの購入層は、他社へ流れてしまった
ようだ。この経験から、次期モデルを待たずにツーリングモデルがアメリカに導入される可能性も高いが、ラインナップ見直しの気配はない。(2013/3)
日本では、グランツーリスモとツーリングの両方が選べるわけで、恵まれているとも言える。
いずれにしてもツーリングの方が人気であるが。
右ハンドル専用ワイパー
ワイパーは、右ハンと左ハンがそれぞれ別になった。E60では左ハン用のみのワイパーであったので、不満に思っていた方も多かったようである。E60は、複雑なリンク機構でワイパーの稼動面積をカバーしていたが、やはり右・左が別々の方が一般ユーザーにとっては違和感が少ないだろう。
ロードテスト
- 550i
- 0-100km加速:5.0秒
- 最高速:250km/hリミッター
- 535i
- 0-100km加速:6.1秒
- 0-400m加速:14.3秒
- 最高速:250km/hリミッター
- 528i(直6)
- 0-100km加速:6.7秒
- 最高速:250km/hリミッター
- 523i(直6)
- 0-100km加速:8.2秒
- 最高速:234km/h
CMソング
F10が登場するTV CM曲「クルマは単なる移動手段ではない。」これはCM専用に製作されたもので非売品です。
作曲:松井亮(meister)、プロデュース:佐藤能久、制作:サーティース
(2011/6)
2012/04東京モーターショー2011で登場したアクティブハイブリッド5が発売。
ガソリンエンジンとモーターのハイブリッドシステムは、ノーマルの535iと比較して圧倒的なハイパワーと燃費を両立。
価格も535iの840万円と比べて、850万円となり日本のハイブリッドカーからみれば、考えられないような価格設定である。
大型バッテリーの搭載により、トランク容量は520Lから375L減った。
搭載場所が、後席の後ろのバッテリーが搭載されるためトランクスルーの機能も無くなった。
ハイブリッド化によるウィークポイントも顕在化しているが、850万円という価格設定は、ハイブリッド大国の日本でアクティブハイブリッド5を売り込もうとしているメーカーの本気度を感じるのであった。
富士スピードウェイのオフィシャルカー
ホワイトカラーのM5と535i xDrive ツーリング Mスポーツがオフィシャルカーとして導入された。(2014)
- M5:コースカー(ペースカー、コース点検、サーキットTAXY用途):ミシュランタイヤのサポート
- 535i xDriveツーリング:レスキューカーで使用:ブリジストンタイヤがサポート
2013版ナビの地図へのバージョンアップ
画面表示は「06.00.2000」「Road MAP JAPAN PREMIUM 2013」となる。
価格は33,000で、定価であれば、工賃込み4万弱となる。
地図のみの更新となり、その他機能のバージョンアップは無し。
直列6気筒から直列4気筒ターボへ変更の意味
2011年10月、直6-NAの523i/528iから、直4ターボの523i/528iにチェンジ
多売グレートとなる523iの4気筒ターボ化による推移は下記の通り。
タイプ | 523i(直6NA) | 523i(直4ターボ) |
---|---|---|
馬力 | 204ps6300rpm | 184ps5000rpm |
トルク | 25.5kgm2750-3000rpm | 27.5kgm1250-4500rpm |
最高速 | 234km | 228km |
0-100km/秒 | 8.2秒 | 7.9秒 |
10-15モード燃費 | 11.4km/l | 14.4km/l |
2リッター4気筒ターボ化というダウンサイジングは、シルキーシックス支持派にとって、当初は理解に苦しむかもしれない。それは、シリンダー数の削減という物質的・コスト的なものだけでなく、シルキーシックスという官能的な音や回転フィールが得られない事でもある。
ターボエンジンは、1250回転という低い回転数からフラットな最大トルクを発生し、8ATの伝達効率により、エンジンを回さずに加速が完了します。
従来の6気筒NAエンジンでは、細いトルクのために回転数を上げて、車速を上げており、回してフィールを楽しむという感覚とは、全く異なります。
NAエンジンは、トルク不足感を補う為にシルキーな回転フィールが必須であったのです。
5000回転以上では、4気筒の音とフィールが顔を出すが、日常の4000回転以下では、車内での遮音は保たれます。
5シリーズの遮音の高さとターボエンジンの厚い低速トルクは、エンジンを回さずに済むため、車内の静粛性向上にも繋がっています。厚いトルクと8ATによるエンジンを回さない車速の上げ方は、低燃費に繋がり、日常の移動シーンでその真価が発揮される。これこそが、最新のBMWが提唱するefficient dynamicsなのです。